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【監視カメラ関連株・銘柄まとめ】防犯カメラの設置は進む?AI技術の進化で注目が集まる市場の見通しを解説
監視カメラ関連株は、「監視カメラを開発・製造・販売する会社の株」です。監視カメラの使い道は防犯、防災用だけではありません。工場や倉庫、工事現場、交通システムなどにさまざまなかたちで利用されています。
国土交通省は、犯罪防止のために2023年10月から鉄道車両に監視カメラの設置を義務付けました。また、ここ1、2年で闇バイトによる強盗が相次いだため、政府は監視カメラ設置などの防犯対策に力を入れる方針です。
この報道を受けて、監視カメラ関連株は一時値上がりしました。ホームセンターや家電量販店では防犯グッズが売れ筋です。人々の高まる防犯意識が監視カメラ銘柄にも向けられていると言えそうです。
この記事では、監視カメラ関連株の今後の見通しや、関連銘柄10社をピックアップしてご紹介します。
世界の監視カメラ市場
世界の監視カメラ市場は中国製が上位を占めています。中国のハイクビジョン社は、キヤノン(7751)グループのアクシス社を抜いて監視カメラのトップメーカーとなりました。手ごろな価格の中国製は日本でも人気です。
しかし、米中対立をめぐる安全保障上の問題から、米国や英国は中国製監視カメラを禁止しています。インターネットにつないで使うネットワークカメラが増えた結果、離れた地域や外国からカメラの映像が見られるようになったからです。中国製のネットワークカメラは日本政府の購入先からも事実上、外されています。
ネットワーク技術の向上と内外情勢の悪化を背景に、監視カメラ市場では各国の政策の影響が大きくなりつつあるようです。
監視カメラ関連株・銘柄一覧
世界の監視カメラ市場は、ハイクビジョンとダーファの二大中国メーカーが大きなシェアを占めています。キヤノン(7751)傘下のアクシスのほか、パナソニックHD(6752)も知名度が高いメーカーです。
監視カメラ関連株から大型株3銘柄と、値上がり益を期待したい中小型株7銘柄をピックアップしました。
大型株
北欧の監視カメラメーカーAXIS(アクシス)を子会社化したキヤノン(7751)と、キヤノンの販売会社のキヤノンマーケティングジャパン(8060)、パナソニックHD(6752)を取りあげました。
これらの大手にとって監視カメラ関連は数ある事業の一つです。売買を検討する際は、各社の主な事業をチェックすることをおすすめします。
中小型株
監視カメラやセキュリティ関連を専門とする銘柄からオプテックスグループ(6914)、セキュア(4264)、サクサ(6675)、ダイワボウHD(3107)、ダイワ通信(7116)をピックアップしています。
あわせて、AI監視サービスを提供する通信建設会社のミライト・ワン(1417)、デジタル機器メーカーのエレコム(6750)を取りあげました。
銘柄名 (クリックタップで最新株価) |
事業内容 |
---|---|
キヤノン(7751) | 大手精密機器メーカー。プリンターやカメラ、医療機器などを作っている。スウェーデンに本社を置く監視カメラの世界的大手であるAXIS(アクシス)をグループ傘下に持つ。 |
キヤノンマーケティングジャパン(8060) | キヤノン(7751)の販売会社。キヤノンやAXISブランドの監視カメラを販売している。防災用の超高感度カメラ、ロボットカメラシステムなどもあつかう。ネットワークカメラの売上が好調。 |
パナソニックHD(6752) | 大手総合電機メーカー。監視カメラの開発に長い歴史。ネットワークカメラ部門は i-PRO社として分離・独立しており、グループ会社が同社製の監視カメラを組み込んだネットワークシステムを販売している。 |
オプテックスグループ(6914) | センサー大手。自動ドアセンサーで国内シェア55%、世界シェア30%。OEM※1や自社ブランドの防犯カメラ、工場の自動化に使われるセンサーの成長に期待。 |
セキュア(4264) | AI画像認識とセキュリティを組み合わせたシステムを提供している。顔認証による入退室管理システムで3年連続マーケットシェアNo.1。無人店舗の実験にイオンモール(8905)と共同で取り組む。QRコードをかざして入店し、商品を手に取りそのまま退店する仕組み。 |
サクサ(6675) | ビジネスホン(会社用の電話)とセキュリティ機器を製造・販売。傘下にAIネットワークカメラの専門会社。中小向けの自社ブランドとOEMの両方を展開している。高配当銘柄。 |
ダイワボウHD(3107) | グループ中核のIT(情報技術)専門商社が、中国を含む世界の約1,400社の商品を幅広くあつかっている。米Verkada社と代理店契約を結び、AIカメラを使ったセキュリティシステムの提供を開始した。 |
ダイワ通信(7116) | 防犯カメラを中心とするセキュリティ事業とモバイル事業を営む。2022年12月上場。子会社のD'S SECURITYは、中国ハイクビジョンとパナソニックHD(6752)の正規代理店。自社ブランドの防犯カメラ販売を強化中。 |
ミライト・ワン(1417) | 大手通信建設会社。AIカメラを組み込んだ映像監視システムを防犯や事故防止に役立てている。傘下に測量大手の国際航業やドローン専門会社。M&A(合併と買収)に積極的。 |
エレコム(6750) | デジタル関連機器メーカー。2万点以上の製品をあつかう。個人向けの販売が7割弱。法人向けの監視カメラ事業に力を入れる。2024年6月に「日経連続増配株指数」に採用された。 |
※1 OEMはOriginal Equipment Manufacturingの略で、他社メーカーから製造を請け負うことです。
監視カメラ関連株・銘柄の見通し
監視カメラ関連株の見通しは「良い・普通・悪い」で表すと、「良い」と言えます。
監視カメラの国内市場は2024年の約36億ドルから年に平均10.8%ずつ成長し、2029年には58億ドルに達する見込みです※2。
※2 参考:Japan Surveillance Camera Market Size & Share Analysis(Mordor Intelligence)
それでは、監視カメラの明るい材料、気になる材料を見ていきましょう。
明るい材料
監視カメラ関連株の明るい材料を紹介します。
国や地方が防犯カメラの設置を支援
省庁や地方自治体は商店街や介護・保育現場などへの防犯カメラの設置を補助金・助成金で支援しています。政府は2024年度補正予算で防犯対策の強化を検討中です。
人々の防犯意識が高まっている
防犯グッズを購入する人々が増えています。物価高が続くなか中国製の安さは魅力的です。子会社が中国製を販売するダイワ通信(7116)には追い風となるでしょう。
防犯カメラの設置義務付けが広がる可能性
鉄道車両への監視カメラの設置義務付けには要注目です。近い将来、監視カメラは火災報知器などと同じように、設置場所や基準を国が決める機器になるかもしれません。そうなれば国産メーカーには有利な展開です。
モノ・サービスの自動化で監視カメラが増える
人手不足をおぎなうために、さまざまなモノやサービスの自動化・省力化が進められています。車や農機・建機、ドローン、工場、配ぜんロボット、無人レジなどの遠隔操作や自動運転にはカメラと大量のセンサーが必要です。
監視カメラ用レンズをつくるタムロン(7740)、センサーが強みのソニーグループ(6758)やオプテックスグループ(6914)の引き合いが強まりそうです。
気になる材料
監視カメラ関連株の気になる材料を紹介します。
プライバシーの問題
監視カメラで撮影をおこなう設置側や事業者には個人のプライバシーを侵害しないよう、特別な配慮や工夫が求められています。監視カメラ画像の活用には個人情報保護法や市町村の条例がハードルとなります。
中国製カメラの人気がゆらぐ可能性
2018年の申合わせ以降、省庁では中国製ネットワークカメラが購入できなくなりました。中国製品の利用をひかえる動きが地方自治体や民間に広がっていくことになれば、中国製品を販売する銘柄にはマイナスです。
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まとめ
監視カメラの利用は、今後ますます広がっていくでしょう。監視カメラ関連株の見通しはたいへん明るいと言えますが、内外で政治の影響が大きくなっている点には注意が必要です。
政府機関は中国製ネットワークカメラを購入できなくなりましたが、安さを優先する地方自治体や個人には相変わらず人気があります。
しかし、政府の方針にならって、中国製の通信機器の購入を見送る会社が大手を中心に増えつつあるようです。国会議員の一部は、情報が流出するおそれがあるとして中国製カメラの利用に反対しています。また、通信機能を持つ機器のセキュリティ評価制度を作る動きもあるようです。