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はっしゃんさんに取材しました(2)

はっしゃんさんが、今注目する業界や銘柄を教えてください!

ゆうと : はっしゃんさんが、今注目する業界を教えてください。

はっしゃんさん : 私自身、成長株投資をおこなっているため、これから成長するような業界に注目しています。もう少し具体的には、コロナショックによって世の中の仕組みや人々の生活が大きく変わって、その変化によって今後も長くメリットを享受できるような業界に注目しています。

ゆうと : なるほど。それはコロナショックによって売上や利益が落ち込んだ企業が元に戻るというわけではなく、世の中の変化をうまく捉えて売上や利益を伸ばせる会社という理解でよろしいでしょうか?

はっしゃんさん : はい、そのとおりです。長期投資をおこなっていますので、そういった会社に注目しています。

ゆうと : もう少し踏み込んだ質問になるのですが、例えばどういった業界が当てはまってくると考えていますか?

はっしゃんさん : 基本的には、みなさんが注目されているところと近いと思いますが、働き方が変わることでDX(デジタルトランスフォーメーション)テレワークが進みますので、そういった関連のIT系銘柄に注目しています。このような銘柄は、実際に株式市場でも人気化していますし、今後も恩恵が続いていくと思っています。

そのほかにも、住宅関連などの銘柄が該当すると思っています。住宅関連の銘柄が好調なのは、テレワークによって家で仕事をするようになり、家族がいるような家庭ではワークスペースを考えて家を買うような流れにのって、売上や利益を伸ばしているのだと思っています。

コロナショックによる変化によって恩恵を受けている銘柄のなかには、まだまだ割安なものも残っていると思いますので、そういった銘柄に注目しています。具体的な銘柄については、私が運営している成長株Watchというサイトでまとめていますので、そちらもチェックしていただければと思います。

成長株Watch

↑はっしゃんさんが運営する「成長株Watch

ゆうと : コロナショックによって人々のライフスタイルが大きく変わった結果、「DX」や「テレワーク」などの比較的恩恵が分かりやすい業界と、「住宅関連業界」のようなちょっと離れていて分かりづらい隠れた恩恵のある業界があるように思います。そのため、前者の場合は出遅れている割安な銘柄、後者の場合は継続性が重要となってくるのではないかと感じました。

自分で考えて結論を出さないと投資家とは言えない

ゆうと : 投資を検討するときに、特に注意していることは何ですか?

はっしゃんさん : しいて言えば、自分のルールに忠実に投資をおこなうということです。なぜなら、そのルールが今までの失敗や、やってはいけないことの積み重ねによってできたものだからです。そのため、注意点とは少し異なるかもしれませんが、自分のルールを守るようにしています。

ゆうと : 確かに、投資初心者はまだまだ自分のルールや投資手法などが固まりきっていないことが多いですから、まずは自分のルールを作り、それを守るというのは重要ですよね。

はっしゃんさん : そうですね。そのような方に向けてのアドバイスとしては、まずは自分で考えてルールを決めることに尽きると思います。他の人を言うことを参考にしても良いですが、最後は自分で考えて結論を出さなければ投資家とさえ言えません

ゆうと : 投資手法やルールを決めるためには、まず自分自身の強みや得意なことを見極め、失敗やミスを蓄積するしかありません。ただし、そのような初心者が陥りがちな失敗を避ける方法としては、過去取材記事の「投資を検討する際に注意すべきこと」が参考になると思います。そして、最終的には投資手法やルールを固めることで、自立した投資家への道が開けるのではないでしょうか。

投資をしてきて一番苦しかった時

ゆうと : いままで投資をしてきて、一番苦しかったときはいつでしょうか?

はっしゃんさん : 2011年の東日本大震災のときです。当時、あまり投資したい銘柄がなく、ディフェンシブで高配当であった電力株に、資産の半分ほどを退避させていました。その結果、東日本大震災によって電力株が大きく値下がり、一気に資産が半分程度になり非常に苦しかったです。

振り返ってみればリスク管理が甘かったなと思いますが、すぐさま損切りをおこないリセットしました。そのような経験をしたので損をしないという考えになり、現在の「1円でも含み損を許さない」というスタイルに転換しました。

また、この時期に投資スタイルも現在のよりROEを重視した成長株投資に変化して、アベノミクスによって株価も大きく上向いたことから、パフォーマンスも向上しました。

ゆうと : はっしゃんさんは、成長株への長期投資を掲げていらっしゃたため、はじめは「1円でも含み損を許さない」という極端にきびしいリスク管理とうまく結びつきませんでした。しかし、東日本大震災でのリスク管理の甘さから資産を大きく減らし、今のスタイルに転換したとうかがい、絶対に同じ轍は踏まないという確固たる意思を感じました。まさに、「言うは易くおこなうは難し」の典型だと思いますが、ここまで徹底する姿勢は見習っていきたいですね!

勉強し続ける覚悟をもち、失敗と向き合い改善すること

ゆうと : 最後に、これから投資をはじめる方へのアドバイスをお願いします。

はっしゃんさん : 一番大事なことは、勉強し続ける覚悟だと思っています。私は投資歴が25年になりますが、前述のように「アメリカ同時多発テロ」のときや、「東日本大震災」のときなど、たくさんの失敗を積み重ねてきました。しかし、大切なのは、その失敗と向き合い改善することです。

実際に私自身も、最初は雰囲気で投資をおこなってきましたが、「バリュー投資」→「増収増益ながら割安な成長株投資」→「損切りルールを厳格化したROEを重視した成長株投資」など、失敗するたびに投資スタイルが変化しています。このように、結果と向き合って、勉強して知識や経験を身につけていかなければ、再現性のある科学的な投資スタイルにはなりません。

また、この記事を読んでいる方は兼業投資家が多いと思います。そのため、株価の変化はランダムくらいに考えて、まずは業績など自分自身が信じられる指標を見つけ、やり方をブラッシュアップしていくのが良いのではと思っています。

ゆうと : 失敗と正面から向き合い乗り越えるためには、常に学び続け、さらに自らのやり方をより良くしようという強い意志が必要です。はっしゃんさんのおっしゃることは、すごく特別なことを言っているというより、どれも当たり前のようなことではありますが、それを実行し続けるのは決して簡単ではありません。一方で、はっしゃんさんのような向き合い方こそ基本に忠実な王道ですので、ぜひ参考になさってみてはいかがでしょうか?

…はっしゃんさんへの取材、いかがでしたでしょうか?最後に、ここまで記事に目をとおしてくださったみなさんと、この取材を承諾していただいたはっしゃんさんに感謝の意を述べて、終わりとさせていただきます。ありがとうございました!

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ゆうと

この記事の執筆者

ゆうと 

投資歴8年の資産バリュー投資家です。いつも四季報を持ち歩き、1年の半分は株のことを考えている株オタク。若手投資家同士の交流を目的とした「名古屋若手投資家交流会」を主催しています。

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