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しんさんに取材しました(1)

ゆうと担当:ゆうと

公開日:2021年10月22日

インタビュア:ゆうと

投資歴28年のベテラン投資家、「しんさん」に取材させていただきました。しんさんは、PMV(プライベートマーケットバリュー)※1や、カタリスト(株価を動かすきっかけとなるイベント)を重視したバリュー株※2への投資を得意としています。

過去には明光ネットワークジャパン(4668)への集中投資が大成功して、2005年に資産1億円を突破しました。また、2005年2月には「謎のトレーダー「しん」の株バリュー投資法―3年間で20倍!! ※3」を出版しています。一度は専業投資家になりましたが、現在は事業も営む兼業投資家です。

※1 PMV(プライベートマーケットバリュー)とは、「企業を買収しようと考えている人が、その企業を買収するために支払う額」のことです。
※2 バリュー株とは、「本来の資産価値よりも安い値段が付いている会社の株」のことです。
※3 現在は絶版となっています。

そんなしんさんに、“投資手法”や、“投資を検討する際に注意すべきこと”などを詳しくうかがってきたので、ぜひご覧ください!インタビュアは、ゆうとがお送りします。

かんちさんの経歴
西暦 投資に関する主な出来事
1993年 大学生になりアルバイトなどで貯めた100万円で投資スタート。はじめて買った株は、ミサワホーム※4と、日清製粉グループ本社(2002)
1997年 ファミコン通信などの雑誌からヒントを得て、コーエーテクモホールディングス(旧 コーエー)(3635)などのゲーム株を購入していたものの、ITバブル前に売却して取り逃してしまう。
2001年 アメリカ同時多発テロで株価が暴落し、世の中が総悲観に包まれていたものの、逆に投資をするチャンスと捉えて本格的に投資の勉強を開始。
2002年 ジョン・トレインの「マネーマスターズ列伝※5」を読み、本格的にバリュー株投資※6をスタート。
2002年~2005年 割安ながら成長していた明光ネットワークジャパン(4668)への集中投資。その結果、株価は8倍になり資産1億円を突破。専業投資家へ転身。
2005年 謎のトレーダー「しん」の株バリュー投資法―3年間で20倍!!」を出版。
2008年 リーマンショックによる影響で、資産が40%マイナスになる。
2011年 東日本大震災による影響を受けたものの、コメ兵ホールディングス(2780)アークランドサービス(3085)などに買い向かっていく。
2012年 イー・アクセス※4が株価の3倍ほどでソフトバンクグループ(9984)に買収されて、短期間で利益を得る。
2013~2018年 三精テクノロジーズ(6357)を主力株として買い向かい、アベノミクスで5倍強まで株価が上昇して、大きな利益を得る。
2019年 シクリカル株※7だが割安だと感じた昭和電工(4004)を購入するものの、失敗に終わる。
2020年 新型コロナウイルスの影響を受けたものの、ウィズコロナ系の会社を買い向かうことで年間パフォーマンスはプラスで終える。
2021年 現在は主にプライム市場に残りたいような会社を探して、投資をおこなっている。

※4 現在は上場廃止です。
※5 「マネーマスターズ列伝」とは、伝説の大投資家たちの技法、相場観、人間性を鮮やかに描いた名著のことです。
※6 バリュー株投資とは、「資産や業績などから評価して、株価が割安で放置されている株を狙い、適正な価格になるのを待つ投資法」のことです。
※7 シクリカル株とは、景気の変動に影響を受けて、株価が上がったり下がったりする銘柄のことです。

明光ネットワークジャパンへの投資が大成功!!専業投資家になる

ゆうと : 株式投資をはじめたきっかけは何ですか?

しんさん : もともと小学生のころから新聞の経済欄を読んだり、中学・高校の社会科の授業でも出てきたりしたため、経済に強い興味を持っていたことが大きいと思います。

ゆうと : そこからどのように投資をはじめましたか?

しんさん : 実は高校生のころから、銀行で「円」を「ドル」などに替えて、お小遣い稼ぎをしていましたね(笑)。株式投資は大学生になってから、アルバイトやお年玉などで貯めた100万円ではじめました

ゆうと : はじめからバリュー投資でしたか?

しんさん : いいえ。バリュー投資の考え方に出会ったのは、投資をはじめて10年目の2002年です。それまではファンダメンタルズ※8に基づいて投資をおこなっていたものの、あまり成果が出ていませんでした。

※8 ファンダメンタルズとは、経済成長率、物価上昇率、財政収支など、国や企業の経済状況を表す指標のことです。

きっかけとなったのは、2001年のアメリカ同時多発テロです。株価が暴落して世の中も総悲観に包まれてましたが、逆に投資のチャンスが訪れていると感じました。そこでたくさんの投資本を読み、そのなかでも特にジョン・トレインの「マネーマスターズ列伝」に感銘を受けて、本格的にバリュー投資をはじめることにしました。

ゆうと : 専業投資家になってから、投資手法に変化はありましたか?

しんさん : 大きく変わったのは、カタリスト(株価を動かすきっかけとなるイベント)を重視するようになったことです。バリュー投資をはじめたばかりのころは、会社の割安さばかりを見ていましたが、こういった会社は見直されるまで時間がかかってしまうというデメリットがありました。

そのため、より早く結果が出やすくするにはどうしたら良いか考えた結果、カタリストを重視したスタイルになりました。現在では、市場再編でプライム市場に残りたいけど、基準が満たせていないような会社に注目しています。

ゆうと : しんさんはアメリカ同時多発テロをチャンスに捉えて、バリュー投資をスタートしたのですね!このように多くの投資家がピンチと感じる場面を、むしろチャンスと捉えるところがしんさんの強みのように感じました。投資家の真価が試されるのは、このようなきびしい局面でもいつもどおりの投資を貫けるかだと思いますので、しんさんのメンタルを見習っていきたいですね。

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