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【IRTV 2412】ベネフィット・ワン/中期経営計画策定のお知らせ【前編】

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2023年8月18日

ベネフィット・ワン(2412)の白石社長が、2023年5月11日に開示された「中期経営計画策定のお知らせ」について「IRTV※1」で解説しています。

※1 IRTVとは、IR Robotics社が運営する“投資家と企業をつなぐ上場企業のIR動画メディア”です。決算情報から事業モデル・経営戦略・成長可能性まで、トップ自らがわかりやすく、かつタイムリーに解説しています。

この記事では、IRTVの動画の書き起こしと、動画の内容を受けて当サイトの管理人ひっきーによるコメントを紹介しています。動画の内容を文字で確認したいときに、ぜひご活用ください!

(出典:IRTV for YouTube

中期経営計画策定の背景

IRTV : 本日は2023年5月11日に発表された「中期経営計画策定のお知らせ」についてお話を聞かせてください。2026年3月期(2025年度)までの3年間の計画で、売上高709億円営業利益225億円という目標を設定しています。これは現在の予想の約2倍ですね。

<新・中期経営計画>

新・中期経営計画

(出典:ベネフィット・ワン 中期経営計画策定のお知らせ[PDF])

白石様 : おっしゃるとおり、3年で営業利益を2倍にする計画です。実は、2年前に同じ計画を作ったのですが、残念ながら達成できませんでした。理由は、新型コロナウイルスの感染拡大が1年で収束するという予想のもとで作成したためです。

実際のところ、新型コロナウイルスの収束には3年かかってしまったので、計画との間には2年の開きがあります。

中期経営計画策定の背景

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : そういう理由があったのですね。

白石様 : 今回はこの“2年間の差”をリセットし、新たに3年間の中期経営計画を作りました。このため、中期経営計画の数字は、2年前に作成した中期経営計画とほとんど変わりません。私たちは「中期経営計画の達成が2年後ろ倒しになった」と認識しています。もちろん、私たちのビジョンや戦略は変わっていません。

たまたまパンデミックが3年続いたので、いま起きている現象は2年前に起きているはずだったものです。大体想像していたとおりの外部環境になっており、営業も順調に進捗しています

営業の進捗状況

(出典:IRTV for YouTube

白石様 : 新型コロナウイルスが収束し、5類感染症への移行を機に、企業の対応が大きく変わりました。アポイントメントが取りやすくなり、商談が早く進むようになりました。

弊社のサービスの場合、基本的に顧客は毎年4月1日に入会します。私たちはそれに向けて営業活動を進めていきますが、今期は期中スタートを検討する企業が多く出てきています。

また、来年4月の入会を前提に、すでに導入を決める企業も増えている状況です。このため、4~6月の第1四半期時点で受注残高が積み上がっています。いままでは第1四半期でこれほど受注残高が積み上がることはありませんでした。

IRTV : 長いご経験の中でもはじめてだったのですね。

白石様 : そうなのです。見込み顧客がこれほど増えたことはありませんでした。また、アポイントメントの取りやすさも変わってきています。

今期の具体的な環境変化

白石様 : 先ほどもご説明したように、アポイントメントの取りやすさに変化が出てきています。以前は福利厚生の営業活動をおこなっても、門前払いされてしまうことがほとんどでした。

しかし、いまは企業規模を問わず話を聞いてくれるようになったのです。経験年数の長い営業担当者からは「営業しやすくなった」という声が上がっています。

アポイントメントが取りやすい環境

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 大きな変化ですね。

白石様 : そうですね。新型コロナウイルスの感染が広がっている時には、旅行に出かけることがむずかしかったため、そもそも福利厚生を導入しようと考える企業が減っていました。

IRTV : 経営者であれば、そう考えますよね。

白石様 : 新型コロナウイルスの感染拡大前についても、中小企業は人手が余っていた関係で、経営者の中に「福利厚生を導入しよう」という動機付けがほとんどなかったのです。

アメリカでは福利厚生ブームが起きていたため、一部のスタートアップやIT系の企業には導入が進みました。一方で、一般的な中小企業への導入は進まず、“営業しても無駄”な状況だったのです。大手企業に絞り込んで、営業活動を進めていました。

また、大手企業の中でも、パートやアルバイトを多く抱える労働集約型の飲食業や宿泊業、小売業などには、営業をしても門前払いになると考え、積極的に営業をしていませんでした。しかし、最近はこういった企業への導入が進んでいます。

理由は、大手サービス業のパート・アルバイト領域の人手不足深刻化しているためです。新型コロナウイルスの感染拡大前では、パートやアルバイトは人手余りの状態でしたが、環境が大きく変わって人手不足になっています。

パート・アルバイトの人手不足が深刻

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 大きな波が来ているということですね。

現在のポジション

白石様 : 弊社は創業から26年が経過し、業界全体で普及率が25%を超えてきました。マーケティングの一種の法則で「サービスの普及率が30%を超えると、利用者が一気に増える」というものがあります。いわゆる「クリティカルマス」と呼ばれるもので、いまは爆発的に普及する直前にあると言えるでしょう。

クリティカルマス

(出典:IRTV for YouTube

白石様 : これまでは人手が余っている状況だったため、短期間で急激に会員が増えることはありませんでした。会員数を少しずつ積み上げた結果、就業人口の25%、つまり4人に1人が福利厚生を利用している状態となったのです。

また、新型コロナウイルスの感染拡大が収束して深刻化した「人手不足問題」が、普及率の拡大とタイミングよく重なったため、強気の中期経営計画発表につながりました。

私たちとしては、対外的に会社が成長することを示したい以上に、社内に向けて「いまのうちからシステム対応などを準備しないと間に合わない」ことを示す目的があります。

2005年の上場直後のことでした。会員が急増してコールセンターがパンクした苦い経験があります。こういった反省を生かして、今後の会員増加に備えようと過去2年間で先行投資をおこないました。具体的には、システムの導入や地方のオペレーションセンター開設、CMの準備などです。

昨年はパンデミックが1年続いてしまったため、投資のタイミングとしては少し早すぎたとも感じています。しかし、今年の5月のゴールデンウィーク明けから現在までの状況を見ると、弊社のスケジュールは大きくは狂っていなかったと思います。

IRTV : 福利厚生領域の業績が、幾何級数的に増えていくイメージでしょうか?

白石様 : そのとおりです。先ほどお話した「クリティカルマス(業界全体の普及率が30%を超えること)」は、今年から来年にかけて迎えると予想しています。

IRTV : もう間もなくですね!

今後の福利厚生の立ち位置

白石様 : 現在の日本には、人手不足円安という2つの問題があります。特に円安の影響で外国人観光客が増えている点を踏まえると、日本のサービス業における人手不足は改善がむずかしいのではないでしょうか。

円安で外国人観光客が増えているとはいえ、もともとインバウンド全体の60~70%を占めていた中国人観光客はまだ来ていません。この状態で人手不足が問題になっているので、中国人観光客が戻ってくると考えると、人手不足の改善はかなり厳しいと予想できます。

IRTV : 人手不足を解消するための人材定着については、賃上げが一番わかりやすいですよね。

白石様 : 賃上げはすでに実施しています。しかし、それだけでは十分ではありません。賃上げより費用対効果が高く税制上のメリットもある福利厚生が有効です。

福利厚生は費用対効果が高い

(出典:IRTV for YouTube

白石様 : 賃金を上げると所得税が上がりますが、福利厚生は所得税の課税対象外です。福利厚生を充実させても税金は増えません。また、費用対効果の観点でも、福利厚生に軍配が上がります

賃上げの場合、それなりの金額を引き上げないと従業員は納得してくれません。しかし、福利厚生は1人あたり数百円、高くても1,000円程度です。このため、企業の費用対効果としては、賃金を上げるよりも福利厚生を充実させるほうが良いと言えます。

福利厚生は「企業が最低限取り組むもの」なのです。その上で余裕のある企業は、社員食堂を整備したり、カフェテリアプランの補助金を増やしたり、年金制度を導入したりするべきでしょう。ちなみに、バブル経済以前の日本企業は、大手では年間100万円以上の福利厚生を提供していました。

過去35年間を振り返ると、人手余りが続き、福利厚生が後回しにされてきました。一方でバブル経済が崩壊するまでを振り返ると、日本の企業は福利厚生に多額の投資をしていました。その理由は、節税効果があったからなのです。

IRTV : 福利厚生は外部環境などから見ても有利ですね。

白石様 : そのとおりです。グローバルに見ても企業は福利厚生を重視しています。理由は節税効果があるからです。例えば社宅や社員食堂などは、現金に換算すると従業員にとって大きなメリットがありますが、これが非課税になります。これがポイントです。

IRTV : なるほど。ありがとうございます。

ひっきー's Eye

指さしひっきー

ベネフィット・ワン社の白石代表との対談書き起こし記事、いかがでしたか?日本企業で福利厚生が後回しにされてきた理由と、今後福利厚生の充実を目指す企業が増えると考えられる理由が解説されていましたね!後編では、ヘルスケア領域やペイメント事業の中期経営計画について学んでいきましょう。

当サイトでは、ベネフィット・ワン社の白石社長が登壇された『IRTV interviews』の書き起こし記事(後編)も公開しています。下にリンクを貼っておきますので、後編も合わせてご覧ください。

IRTVでは、このほかにも上場企業の経営者との対談動画をアップしています。企業の事業内容はもちろん、今後の成長戦略を読み解くヒントがたくさん散りばめられているので、個人投資家のみなさまにぜひご覧いただきたいメディアです!

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ディスクレーマー

当記事では、筆者独自の見解を述べることがありますが、証券およびその他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的ではなく証券およびその他の金融商品に関する助言や推奨をするものではありません。また、個別企業の業績予想や株価予想、投資推奨を提供する予定はありません。投資判断等は、自己責任でお願いいたします。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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