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【業界を深掘り】マーケットエンタープライズ/リユース事業の拡大

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2024年1月15日

マーケットエンタープライズ(3135)社長の小林様が、リユース業界についてIRTV※1で解説しています。

※1 IRTVとは、IR Robotics社が運営する“投資家と企業をつなぐ上場企業のIR動画メディア”です。決算情報から事業モデル・経営戦略・成長可能性まで、トップ自らがわかりやすく、かつタイムリーに解説しています。

この記事は、IRTVの動画内容を書き起こししたものです。動画の内容を文字で確認したいときに、ぜひご活用ください!

(出典:IRTV for YouTube

リユース事業

IRTV : 本日は、マーケットエンタープライズ(3135)より小林社長にお越しいただきました。よろしくお願いします。

小林様 : よろしくお願いします。

IRTV : 前回の対談に続き、今回は「Industry Insights(インダストリー・インサイツ)」という、業界全体を広く聞いていく番組です。今日は「リユースマーケット」についてお聞きしたいと考えています。

リユース事業のはじまり

IRTV : 現在、リユース業界全体は大きく伸びている印象を持ちますが、業界全体の動向を小林社長からご説明していただけますでしょうか。

小林様 : 振り返ると、リユースのマーケットは、日本でいうと鎌倉時代ぐらいから存在していたと言われています。特に江戸時代のときに、着物のリユースが大きく広がっていったと言われています。鎖国していた背景もあり、物がないのでもったいないということでリユースする文化が根付いていったと、そのぐらいから言われています。

リユース事業の広がり

小林様 : 近年大きくリユース市場が動き出したタイミングとしては、当時チェーンのブックオフ様など大型化がはじまっていったり、フランチャイズで店舗が増えていったり、その後専門店が増えていったりと、オイルショックの後にリユースが盛り上がっていくシーンがありました。

<リユース事業の広がり①>

リユース事業の広がり①

(出典:IRTV for YouTube

小林様 : 第2次の盛り上がりは、インターネットが出てからです。価格を比較する文化が一般ユーザーに広がっていったタイミングなので、当時はネットオークションで「Yahoo!オークション」がすごい勢いで伸びていきましたし、情報の変化、スマートフォン等情報端末の変化で、CtoC※2もさらに拡大していきました。

※2 CtoC(シートゥーシー)とは、個人間取引の意味であり、消費者が消費者に対してモノやサービスを販売する形態のビジネスを指します。

そのようななかで、ネットオークションが出てから、店舗のマーケットサイズが小さくなったのかというと、そのようなことはありませんでした。その結果、リユースのマーケットは広がり、ネットオークションも広がり、この後フリマアプリも広がりました。また、これらの広がりで旧来型のリユース市場が小さくなったかというと、今度はリユース市場への参加者が非常に増えてきて、リユースではリアルの世界もネットの世界もどんどん広がっている構造になっています。

IRTV : みなさんが中古品を買うことに抵抗がなくなってきているのでしょうか。

小林様 : そうですね。以前は、「中古で買う」とか「中古なの」という言われ方でしたが、リユース品を購入することが完全に根付いてきたといいますか、「そちらのほうがサステナブルだよね」ということもあります。

<リユース事業の広がり②>

リユース事業の広がり②

(出典:IRTV for YouTube

小林様 : あとは、実際にお得感があるのだと思います。リユース品の方が安価に購入できますし、自分が使わなくなったらまたリユースして売却をすれば良いということで、差額いくらで使えるという概念が、若い層から浸透しているのだと思います。

かくれ資産約44兆円

IRTV : かくれ資産市場は44兆円というお話ですが、この市場についても詳しくお聞かせください。

小林様 : 日本にはかくれ資産が44兆円と、非常に大きなマーケットがあると言われています。長らく経済大国で、ご家庭に眠っている不用品が大量にあるということです。その金額が44兆円と言われているのですが、例えばここに農機具が含まれているのかというと、含まれていません。ここに入っているのはあくまでご家庭の不用品ですので、車が入っていないとか、当然住宅も入っていない状況です。ある意味リユースというのは、新品・新築・新車も買った瞬間からそれ以降は全部リユース品だと考えれば、とても大きなマーケットがあるというのがおわかりいただけると思います。

<かくれ資産約44兆円>

かくれ資産約44兆円

(出典:IRTV for YouTube

小林様 : 一説によると、日本ほど結婚する度にダイヤモンドを買い続けた国はないみたいでして、ダイヤモンドだけでも10兆円眠っているのではないかという話もあったりします。こうした文化的背景が日本に大きなかくれ資産と言われているようなマーケットが潜在している理由だと思っています。

また、消費者の方は毎年新品も購入されますので、新たに購入された新品の量だけでも毎年7兆円ほど新たにリユースのマーケットに追加されていくという形になります。リユース市場に流通する品物の量は枯渇するわけではなくて、どんどん循環します。

以前は長年使って、もう使わなくなる最後1回のタイミングでしか売却シーンがなかったものが、使用しながら2~3回売却してまた、違うものを購入するといういわゆる買い替えの消費サイクルに入っている人たちも増えてきていますので、そういった意味でもまだ市場は大きくなるかなと思いますね。

リユース市場のニーズ

IRTV : リユース市場で不用品を売却するというと、ネット経由、出張見積り、宅配便で物を送っての査定と、いろいろな形式があるなかで御社はどのように差別化していくのでしょうか。

小林様 : そうですね。消費者の方のニーズだったりとか売却シーンはまちまちでして、例えばネット経由で売るといっても、ご自身で売却するというのも非常に根付いてきた一方で、自分で売る際には、大きなものは梱包して配送するのが非常に大変だなということがあって、実際にはネットで売ろうとしても送料のほうが高くなってしまうこともあります。

パソコンにしろスマートフォンにしろ、個人情報が入っているものは、きちんとデータ消去できているかだとか、個人で売買する際には不安になってくることもあると思います。低単価のものであれば、ご自身でやるのも手間なので、お店に持ち込んでしまおうとか、そういうこともあります。

消費者の方のニーズだったりだとか、商材・売却を決心されるシーンによって、結構状況が異なってくるのかなと思います。特にかくれ資産の場合は、売却しようと思って売却するよりは、「あ、これも売れるの?」という形で気づかれるシーンが多いと思っていますので、そういうものは何かのきっかけだったり、タイミングで売却が進んでいくのかなと思います。

<リユース市場のニーズ>

リユース市場のニーズ

(出典:IRTV for YouTube

リユース市場の特徴

IRTV : 商材が高単価であるほど、CtoCの商流は成り立ちづらいのでしょうか。

小林様 : そうですね。高額なものほど、より安心して買いたいというニーズは大きいかなと思いますね。高額なものは通常めったに買わないものですので、これは車とか不動産もそうだと思いますが、高額なものほど安心できる事業者に間に入ってもらったほうが、信頼できるというのは多いかもしれないですね。

<リユース市場の特徴>

リユース市場の特徴

(出典:IRTV for YouTube

小林様 : 例えば、フリマアプリだったりネットオークションの個人間取引の平均単価はだいたい1,500円~2,000円ぐらいで、洋服だったり雑貨を中心に売買されることが非常に多いです。弊社の個人向けリユースの1品あたりの単価は、だいたい3万円を超えているくらいです。どちらかというと、低価格帯のものというよりは、少し高価なものだとか、個人では出品がむずかしいだとか、配送が事業者との個別契約がないとむずかしいとか、このようなものが非常に多くなってきています。

農機具のリユースも

小林様 : 弊社もその延長線上で、農機具のマシナリーの事業をスタートしていったという背景がありました。元々はネット型リユースをやっていくなかで、農機具買取のご依頼があって、大型のトラクターを売りたいといったお話をいただきました。当時は物が大きくて取扱いがむずかしいということで、また農家の方は地方にいらっしゃることが多いので、商品の移動が非常にむずかしく、最初はお断りをしていました。

しかし、何件も依頼をいただいていくなかで、取り扱いをスタートしまして、結果としては年間1万2,000件もの農機具の買取のご依頼をいただいて、現在では商品を仕入れて国内で販売するパターンと、海外に売るパターンとに広がってきています。

<農機具のリユースも>

農機具のリユースも

(出典:IRTV for YouTube

自治体との連携も強化

IRTV : 自治体とも積極的に提携されていますね。

小林様 : 弊社は「おいくら」というリユースのマッチングプラットフォームを展開させていただいているのですが、最近はおかげさまで自治体との連携協定がどんどん進んでいるような状況です。

<自治体との連携も強化>

自治体との連携も強化

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 今後も自治体との連携を強化していく方針でしょうか。

小林様 : そうですね。自治体との連携協定も累計で80を超える形まで広がってまいりました。ここ2年ぐらいなのですが、自治体の皆様の、ゴミを減らしたい、持続可能な施策を取り入れたい、そのようなニーズと、弊社の「おいくら」でできることがマッチングしまして、これらがどんどん広がっていく形になっています。

リユース業界のこれから

IRTV : 今お話を聞くだけでもリユース業界はとても好調だなと感じますが、これから先、市場はさらに拡大していくのでしょうか。

小林様 : そうですね。リユースのマーケットはこれからもまだ拡大していきます。かくれ資産のデータも昨年まで44兆円でしたが、最近ではいろいろな試算をされて、66兆円を超えるとのデータも出てまいりました。これは中古車のマーケットも入っていない、先ほど言ったような農機具のマーケットも入っていない、住宅等も入っていない、リユースというものが一般流通に限定されている形でだと思います。

新品・新築・新車ではないですが、購入した後はすべてリユースのアフターマーケットに入ってくるという概念がもう少し進むと、新品や中古だという概念がなくなってくるのではないかと私は思っています。そういった意味では、消費者の流通意識というものが大きく変化しているタイミングだなと思いますね。

<リユース業界のこれから>

リユース業界のこれから

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : おそらく今後も物価が上がっていくなかで、2次流通の市場はさらに盛り上がりを見せるという認識でよろしいでしょうか。

小林様 : おっしゃるとおりですね。リユースのマーケットに関しては、消費防衛からの需要もありまして、新品が高くなってくると、リユースで済まそうと、リユースの方がよりお得だよねという考えが働きやすくなりますよね。

リユース業界の可能性

IRTV : 最後に、貴社の2024年の展望をお聞かせください。

小林様 : 当時、2006年に創業してから、一貫してネット型リユースというのをやってまいりまして、当時でいうとEC化率もまだ1%を切っているような時代でした。ようやく物販におけるEC化率は、日本だと10%ぐらいに近づいてきているというところだと思いますが、いまはリユースもそうですし、デジタル化についても大きく広がっていっているタイミングになっています。

ここを起点に、さらに買取依頼も多くいただいておりますので、デジタルとリアルのところをより大きく結びつけていく、そこを力強く進めていく2024年にしたいなと思っています。

<リユース業界の可能性>

リユース業界の可能性

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 投資家のみなさんも、まずはリユース業界自体を見ていただき、さらにその中のマーケットエンタープライズ社の今後の伸びに注目していただければと思います。今日は小林社長にお越しいただきましてどうもありがとうございました。

小林様 : 本日はありがとうございました。

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ディスクレーマー

当記事では、筆者独自の見解を述べることがありますが、証券およびその他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的ではなく証券およびその他の金融商品に関する助言や推奨をするものではありません。また、個別企業の業績予想や株価予想、投資推奨を提供する予定はありません。投資判断等は、自己責任でお願いいたします。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

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