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【IRTV 7359】東京通信グループ/コングロマリット経営によって新事業を展開
東京通信グループ(7359)社長の古屋様が、各事業や今後の成長に向けたお話などについてIRTV※1で解説しています。
※1 IRTVとは、IR Robotics社が運営する“投資家と企業をつなぐ上場企業のIR動画メディア”です。決算情報から事業モデル・経営戦略・成長可能性まで、トップ自らがわかりやすく、かつタイムリーに解説しています。
この記事は、IRTVの動画内容を書き起こししたものです。動画の内容を文字で確認したいときに、ぜひご活用ください!
(出典:IRTV for YouTube)
沿革について
IRTV : 本日のゲストは、東京通信グループ(7359)代表の古屋様にお越しいただきました。本日は、先日発表された「事業計画及び成長可能性に関する事項」についてお話を聞かせてください。
古屋様 : よろしくお願いします。
IRTV : 本題に入る前に、会社の沿革を見ていきます。2015年に貴社を設立後、5年で上場されていますね。会社を作ったときから上場を視野に入れていたのでしょうか。
古屋様 : 創業当時から上場を目指していたわけではありません。上場を意識したのは上場準備に取り掛かったときです。
古屋様 : 創業時のエピソードをお話します。私はサラリーマン時代に新規事業開発などさまざまな事業を経験したあと、独立して1人でビジネスをしていました。そのときに、前職の社長で弊社の社長でもある外川と再会し、弊社を創業することになったのです。
会長は前職の社長を退任するにあたり、次の一手をどうするかを考えながら時間を過ごされていたようです。人脈がとても広く、さまざまな方と会っていたようで、そのうちの1人が私でした。
会長と再会した際に、私が1人で取り組んでいた事業について質問されたのですが、うまく説明することができませんでした。そのときに「自分の能力を正しく使え」とアドバイスをいただき、同時に「一緒にビジネスをやろう」と声をかけてくださいました。プラン策定の助言や壁打ち相手になってもらいながら創業した経緯があります。
弊社を創業したときは、オリンピックが東京で開催されることが決まっていました。東京が世界的に注目されるタイミングなので、社名に東京を入れたいと考えて「東京通信」としました。
社名には、“東京オリンピックが開催されるときに会社としての形が良いものにしたい”という思いも含まれています。東京オリンピックの開催は1年遅れましたが、会社は計画通りに進捗しています。
IRTV : 外川様にはたくさんの部下がいらっしゃったと思いますが、古屋様に時間を割くようになったのは、大きな魅力や可能性を感じたからでしょうか。
古屋様 : ありがたいことに、そう感じていただきタッグを組むことになりました。社内でも創業メンバーが会長に「なぜ古屋さんを選んだのですか?」と質問したのですが、そのときに会長が私とタッグを組んだ理由をいくつも挙げてくださいました。
メディア事業
IRTV : 貴社はスマートフォンアプリの開発からスタートし、カジュアルゲームアプリなどさまざまなプロダクトを展開されていますね。各事業について詳しくお話を聞かせてください。まず、上場前からの主力事業であるメディア事業について説明をお願いします。
古屋様 : メディア事業で提供しているカジュアルゲームアプリは、広告収益が主な収益源となっており、アプリ自体は無料で提供しています。皆様が想像するようなゲームやアプリとは違うニュアンスになるかもしれません。
カジュアルゲームアプリは今ではあたり前のジャンルとなっており、我々が着手したときは最後発でした。しかし、内容やプロモーションを工夫したり、製造体制で独自性のあるものを生み出したりしました。作った数も含めて、ご好評いただけるものを提供できていると考えています。
IRTV : 皆様が想像するアプリやゲームは、ヒットすればとてつもない金額が得られますよね。そちらの分野に手を広げようとは思わなかったのでしょうか。
古屋様 : 創業時はソーシャルゲームの全盛期であり、知的財産(IP)を活用するものや活用しないものを含め、それ以外はゲームやアプリと呼ばないような時代でした。
創業してまもない時期ということもあり、アプリやゲームをヒットさせられなかった場合、せっかく人材を集めて作った組織を解散させなければいけません。こういったリスクを懸念しました。
また、人員の経験値や次の打席につなげることが組織としては重要と考え、PDCA(計画・実行・評価・改善)が速いカジュアルゲームをあえて選んだのです。
IRTV : 基本的には広告収益がメインになりますか。
古屋様 : そうですね。プレイ中に広告を表示したり、画面と画面の間に短いショート動画と呼ばれる広告を差し込んだりして、ユーザー様がそれらに触れていただくことで我々の収益が上がる仕組みです。ダウンロードもプレイも無料で、アプリ内で何かアイテムを販売するようなことは基本的にありません。
IRTV : 最後発でありながら、これほど売上高が大きく伸びている要因として、何が1番大きかったのでしょうか。
古屋様 : ひとことで言うなら、「数を大事にしていた」ことが要因です。かなりの数を製造し、スピードも速く驚異的な数を作り出せる圧倒的な自信があります。これは国内というよりはグローバルで見ても相当数を作り、リリースしてきたという自負があり、そこが評価されているのではないでしょうか。
IRTV : とにかく打席に立ったのですね。先日リリースが出ていましたが、3年連続でゲームダウンロード数が日本一になったことは大きな実績になるのではないでしょうか。
古屋様 : 有名なゲームタイトルが世の中にたくさんある中で、弊社が総計で日本一を獲得したのはうれしいですね。
弊社の採用試験を受けてくださる方や友人からも「知っている」と言われる機会が多いです。メジャーなタイトルはないかもしれませんが、意外と目に入っていて、プレイしてくださっている方が多いのではないでしょうか。
IRTV : 他社とのダウンロード数の差は僅差なのかと思っていましたが、2位と大きな差をつけており、圧倒的な日本一ですね。
古屋様 : 弊社はゲーム数が多く、力強いプロモーションもおこなっています。ダウンロード数にこだわることがすべてではありませんが、ダウンロードしていただくことがビジネスモデルとしてはスタートなので、引き続きダウンロード数やリリース数に注力していきます。
プラットフォーム事業
IRTV : プラットフォーム事業は、上場後の取り組みですね。電話占い「カリス」などがメインとなっています。M&A(合併・買収)で参入されたと思いますが、勝ち筋は見えていたのでしょうか。その辺りも含め、事業の概要をお聞かせください。
古屋様 : M&Aしたサービスはよく知っているものでした。勝ち筋というよりも、内容や未来がある程度わかっていました。
それ以前に、弊社が上場したタイミングでは、広告収益が収益の中心でした。これに加えて、「課金」の事業をドメインとして加えたいと考え、M&Aしたのです。
古屋様 : 世の中には、生活のインフラや必需品としての価値を提供するものが充実しています。弊社では、アプリなどを通して生活の中で精神的に幸福感を与えるものや、悩みを解決できるものなど、気持ちに寄り添うものを提供したいと考えています。
ゲームやアプリはエンタメ性が高いものですが、電話占いや相談サービスは精神的な面や気分転換の面で世の中の役に立てると考えて事業選択したのです。
IRTV : この領域には自信があるのでしょうか。
古屋様 : M&Aしたサービスそのものは新しいものではないため、事業として安定しています。鑑定師様のマネジメントやサービスの質をうまくアレンジできる点が、自信につながっています。
ここで自信をつけたことで、同業種や相談という切り口での補完サービスへと横展開する際に有効だと考えています。そのような形で今後も成長、事業展開を図っていきます。
IRTV : 横展開、水平力、運営にも関わりますが、電話占い「SATORI(サトリ)」を買収したあともロールアップ※2的に買収して成長していますね。
※2 ロールアップとは、連続的に同じ業界の企業を買収することを指します。
古屋様 : そうですね。企業を買収したあとは少し業績が停滞する期間があるとよく聞きますが、弊社の場合はそのようなことがありませんでした。
新しい取り組みとして、占いではなく相談サービスの展開を進めています。順調に立ち上がっており、計画通りに進捗しています。
IRTV : M&Aを実施した場合、そのときまでの成長よりもさらに伸ばせる自信をお持ちでしょうか。
古屋様 : そうですね。弊社では、ゲーム会社やアプリ会社ではなく、マーケティング会社だと考えて事業に取り組んでいます。
M&Aで傘下に収めた会社についても、マーケティングやプロモーションの面で、サイズアップやロールアップができると考えています。
IRTV : 課金体系や収益構造にもこだわりがあるのでしょうか。
古屋様 : 「課金」とひとことに言っても、サブスクリプションモデル(以下、サブスクモデル)や従量課金など、さまざまな方法があります。弊社の電話占いでは、「1分あたり〇円」のように従量課金する仕組みで運営しています。
今度は月額課金のサブスクモデルを手に入れたいと考えており、新規事業として月額課金のヘルステックアプリや推し活メッセージアプリを運営しています。一部従量課金をミックスしていますが、月額課金のサブスクモデルを手に入れたいという思いで立ち上げました。
弊社は広告系からはじまりましたが、課金ビジネスを手に入れたいと考えてM&Aしました。新規事業で課金体系以外のマネタイズポイントを手に入れ、複数のマネタイズポイントを持ち、「ビジネスコングロマリット」を意識した経営を目指しています。
エンタメテック事業
IRTV : エンタメテック事業は次の一手になるのでしょうか。
古屋様 : そうですね。アイドルを中心に事業に取り組んでいます。
IRTV : エンタメテック事業の概要はある程度わかるのですが、貴社がその中で何をしているのか、もう少し詳しくお聞かせください。
古屋様 : エンタメテック事業では、エンタメ領域でWeb3※3を含めたさまざまなサービスを提供しています。
※3 Web3とは、次世代の分散型インターネットのことです。ブロックチェーンなどの技術を活用して、データを分散管理することにより、データはプラットフォーマーのサーバーを経由することなく、ユーザー自身の手で管理・運用できるようになるとされています。
その中で、アイドルや推し活ジャンルは、ブロックチェーンやデジタル資産のNFT(非代替性トークン)と相性が良いと言われています。しかし、まだそのようなサービスが少なかったのです。
古屋様 : そこで、王道かつど真ん中でサービスを提供したいと考え、秋元康様のプロデュースで新たにアイドルを組成しました。オーディション前からトークンを発行し、そのトークンを持っている方限定の企画も用意しました。
実際に生身のアイドルが結成し、デビューした段階です。我々としては、その企画に出資し、Web全般のお手伝いとアイドル活動の応援をしています。
IRTV : これがエンタメテック事業の1つの事例となり、今後もさまざまなアイドルの支援をおこなっていくのでしょうか。
古屋様 : そのような展開もあり得ます。アイドルが大活躍することを期待していますし、“アイドルの応援”に関する新しい形を提案できていると考えています。
このスキームを使ってお金を集めるというよりは、支援してくれる方が集まり、その方たちのお金が活動資金になるモデルを考えています。これをさらに展開していくことはあり得るでしょう。
IRTV : 今回がその第一弾ということですね。
今後の成長イメージ
IRTV : 今後の成長イメージについてもお聞かせください。図の通り、今後は売上高と利益が右肩上がりに伸びていくイメージでしょうか。
古屋様 : 図の通りに成長するというよりは、現在取り組んでいること、新たに取り組むことをイメージしていくことになります。弊社は上場前から事業と投資を両輪として取り組むことに決めており、上場後はそれにM&Aを加えました。
古屋様 : 自社の経営資源を中心としたオーガニックな成長に加えて、弊社ではできないことに対しては出資や投資の形で関わったり、M&Aで取り込んだりして、我々の良さや新しいシナジーを創出する方針です。
営業利益が落ち込むタイミングについては、成長が停滞しているわけではありません。それ以前の利益規模で留まっていることが我々にとって良いことではないので、事業スケールの拡大が必要と考えています。
IRTV : 資料にはM&Aについて明確に記載されていますね。ロールアップと書かれているので、今の事業に乗っかってくるものが中心になるのでしょうか。
古屋様 : 電話占いを新しい事業部として加えたように、飛び道具のような印象を受けるかもしれません。しかし、我々の強みはマーケティングなので、シナジーを生むと考えています。
既存事業は、売上高を伸ばす中で利益をいつ確保するのかが問題となります。我々はM&Aを積極的におこなって力を蓄えているため、EBITDA※4に注目していただきたいです。
※4 EBITDA(イービットダー)とは、企業価値評価の指標の一つです。日本語では「利払い前、税引き前、減価償却前」や「金利、税金、償却前利益」などの意味になります。
古屋様 : M&Aする会社のジャンルとしては、シナジーが必ずあるというよりも、我々が実施する意義があり、強みであるマーケティングを生かせるかどうかを重視しています。
事例として、電話占いはプラットフォーム事業に含まれますが、ロールアップできている良い例だと考えています。そのようなサイズ感だけでなく、それ以上のサイズ感を狙い、さまざまな展開をしていく方針です。
IRTV : 今後の東京通信グループ様に、投資家の皆様も引き続き注目していただければと思います。古屋社長、今日はどうもありがとうございました。
古屋様 : ありがとうございました。
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