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EBITDAとは?意味や企業分析での使い方をわかりやすく解説
EBITDA(イービットディーエー、イービットダー)とは、「Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization」の頭文字をとったものです。聞き慣れない指標ですが、営業利益に似た指標と覚えておいてください。
このコラムでは、EBITDAの意味や確認方法などを、株初心者向けにわかりやすく解説しています。
EBITDAとは?
EBITDAとは、法人税や利息、減価償却費の影響を排除した利益です。税引前利益に支払利息や減価償却費を足し戻して計算します。法人税や利息、減価償却費の影響を排除する理由は、国や会社によって差があるからです。これらの影響を排除したEBITDAを見れば、会社が持つ本来の収益力がわかります。
EBITDAの計算式はいろいろありますが、楽なのは、営業利益を起点に計算する方法です。こちらの計算式を覚えておけば十分でしょう。
EBITDAの計算式
EBITDA=営業利益+減価償却費
<損益計算書で見るEBITDAのイメージ>
会社が持つ正確な収益力を表すEBITDAは、下のような場面で使われます。
- 日本の会社と海外の会社の収益性を比べる
- 減価償却費が多い会社の収益性を分析する
- M&A時の価格を算定する
私たち個人投資家にとっては、①と②の使い方をマスターしておけば十分です。このコラムでは、①と②の使い方を中心にわかりやすく解説していきます。
EBITDAはどこで確認できる?
EBITDAの情報ソースを2つ紹介します。
会社四季報で確認する方法
まずは、四季報を使った確認方法の紹介です。SBI証券で個別銘柄を検索し、「四季報→財務状況」の順にクリックすると、下の画面が出てきます。
上の企業は、カツ丼チェーン『かつや』を運営するアークランドサービスホールディングス(3085)です。赤枠で囲んだように、2019年12月期の営業利益は44億円、減価償却は4億円でした。この2つの数値を足すと、EBITDAは48億円となります。このように、四季報を使うとかんたんに計算できます。
銘柄スカウターで確認する方法
続いて、銘柄スカウターを使った確認方法を紹介します。個別銘柄を検索し、『通期業績推移』を出します。右上にある「詳細」をクリックすると、EBITDAの数値を確認できます。
<アークランドサービスホールディングス(3085)の業績推移>
(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)
銘柄スカウターでは、2019年12月期のEBITDAが50億円と表示されていました。四季報を使って計算したEBITDAは48億円だったので、銘柄スカウターとの差が2億円あります。この原因は、四季報の数値を使った計算では「のれん償却費」を足していないことに加えて、銘柄スカウターがEBITDAを計算するときに起点とした利益が違うからだと考えられます。
銘柄スカウターを使うと、EBITDAのより正確な数字が手間なく確認できます。企業分析で無駄な時間を掛けなくてもよいので、ぜひ有効活用してくださいね。
EBITDAの活用法
私たち個人投資家が知っておくべきEBITDAの活用法を紹介します。
- 日本の会社と海外の会社の収益性を比べる
- 減価償却費が多い会社の収益性を分析する
日本の会社と海外の会社の収益性を比べる
トヨタ自動車(7203)と、アメリカの自動車メーカーであるゼネラル・モーターズ(GM)の収益性を、EBITDAを使って比べてみます。EBITDAを使って収益性を調べる場合は、営業利益率※1のようにEBITDAと売上高を比較するEBITDAマージンを使うとよいでしょう。計算式は下のようになっています。
※1 営業利益率について、「収益性とは?」で詳しく説明しています。
EBITDAマージンの計算式
EBITDAマージン=EBITDA÷売上高×100
見方は営業利益率と同じです。EBITDAマージンが高いほうが、収益力が高い会社だと判断します。この指標を使って2社を比較しましょう。
2社のEBITDAマージンを見ると、トヨタ自動車は13.53%、ゼネラル・モーターズは8.94%です。このことから、会社本来が持つ収益性はトヨタ自動車のほうが高いとわかります。
減価償却費が多い会社の収益性を分析する
先ほど登場した、トヨタ自動車(7203)を例に考えてみましょう。ここでは、営業利益率とEBITDAマージンを比較してみます。
営業利益率は8.16%ですが、EBITDAマージンは13.53%となっており、かなり差があるのがわかります。この差は、減価償却費によって生まれています。トヨタ自動車のようなメーカーは巨大な工場設備が必要なので、どうしても減価償却費が多くなってしまうのです。
その分、営業利益率が押し下げられてしまうので、本来の収益力を知りたいときはEBITDAマージンを使いましょう。
まとめ
EBITDAは、税金や利息、減価償却の影響をなくした利益です。営業利益よりも正確に収益力を測れる指標なので、企業分析の際に営業利益と合わせて使うと効果的です!EBITDAはSBI証券の四季報の数字を使ってかんたんに計算できますし、マネックス証券の銘柄スカウターで数字が確認できるので、ぜひ使ってみてくださいね。
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