収益性とは?意味や指標などをわかりやすく解説します

担当:やさしい株のはじめ方編集部

担当・やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2021年7月26日

収益性は、会社の稼ぐ能力のことです。会社の稼ぐ能力が高いほど、その会社の価値が高くなります。そのため、株式投資では収益性の高い会社に投資すると良いでしょう。

このコラムでは、収益性の意味や指標などを、株初心者向けにわかりやすく解説します。

1.収益性とは?

収益性とは、「会社の稼ぐ能力」のことです。収益性が高いほど、少ない資産で大きな利益を上げたり売上高に対して大きな利益を上げたりすることができます。

収益性を身近なものでたとえるなら、「車の燃費」です。100万円で売っている車が2種類あるとして、片方はガソリン1リットルで1km走ることができ、もう片方はガソリン1リットルで2km走ることができます。この場合、後者は燃費が良く人気が集まることになります。

株式投資でも、まったく同じ原理がはたらきます。たとえば、100万円を使って10万円の利益を出す会社と、100万円で20万円の利益を出す会社があったとすると、後者のほうが人気が集まります。株価は人気が高くなると上がるため、収益性の高い会社に投資すれば株価の値上がり益が手に入る可能性が高いのです。

2.収益性の指標

収益性の高い会社を見分けるための指標のうち、代表的なものを下にまとめました。

この4種類すべてを使いこなせる状態が理想ですが、株初心者の方ははじめから全部覚える必要はありません。まずは、営業利益率とROE(自己資本利益率)の2つを使えるようにしましょう。「収益性」を調べるだけなので、わざわざ2つも指標を使う必要はないように思えますが、実は営業利益率とROEからは得られる情報が違います。

得られる情報
営業利益率 ビジネスモデルの強さ
ROE 株主の資産を使ってどれだけ利益を出せているか

投資先を選ぶときには、ビジネスモデルの強さも、株主の資産の使い方も両方大事です。だからこそ、最低限「営業利益率」と「ROE」はチェックしましょう。それでは、両方の指標について概要と計算式を紹介します。

2-1.売上高営業利益率

ビジネスモデルの強さを表す指標です。売上高に対して、どれだけの営業利益を稼いだかを表しています。営業利益率が高い会社は、何らかの競争優位性を持っている、ビジネスモデルが強い会社と言えるでしょう。計算式は、下のとおりです。

売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100

なお、当サイトでは「営業利益率10%以上※1」を、収益性が高い会社の目安として紹介しています。基本的には、この数値よりも高ければ、投資先として考えても良さそうです。ただし、「営業利益率10%以上」だけで判断するのは少し危険です。理由は、業界によって営業利益率の水準が違うからです。

※1 「実戦投資法を考える-成長株(グロース株)投資法-」で詳しく紹介しています。

例えば、業界平均の営業利益率が10%を超えている場合、営業利益率10%以上で区切ってしまうと、業界内ではあまり収益性の高くない会社も、投資先リストに挙がってしまいます。これでは意味がないので、必ず同業他社と比べて判断しましょう。

2-2.ROE(自己資本利益率)

株主のお金(自己資本)を使って、会社がどれだけの利益を生み出したのかを表します。ROEが高い会社は、株主のお金を効率よく使って、高い利益を出せている会社と言えるでしょう。収益性と効率性の両方を調べられる、優れものの指標です。計算式は、下のようになっています。

ROE(%)=純利益÷自己資本×100

営業利益率と同様、「ROE10%以上」が収益性の高い会社の目安となります。ただし、自己資本比率が低く負債を多く抱えている会社のROEが10%以上の場合、収益性は高いのですが、その分だけ財務健全性が低くなっています。ROEを使う際には、借金の多さも気にしてあげましょう。ROEの使い方は、「ROEとは?」で詳しく解説しています。

ポイント!

営業利益率とROEの計算式で、使っている利益の種類が違うのにお気づきですか?実は、これには理由があります。営業利益率は、ビジネスモデルの強さを表す指標です。そのため、本業の売上高と本業の利益を比べないと意味がありません。もしここで純利益を使ってしまうと、会社の副業で稼いだ利益が含まれてしまうので、使っている数字の整合性が取れなくなってしまいます。そのため、「営業利益」を使っているのです。

一方でROEは、株主のお金をどれだけ効率よく使えているかを表す指標です。そのため、株主のお金である純資産と、株主の取り分となる純利益を比べています。どの利益を使うべきか迷った場合は、各指標がどういった収益性を表しているのかを考えると、自然と答えが出てきます。

3.優秀な無料ツールで、収益性の高い企業を見つけよう!

収益性の指標は、有価証券報告書や決算短信といった、会社が発表している決算資料を使って計算できます。しかし、自分で計算するのは面倒ですよね。そこで、マネックス証券の『銘柄スカウター』がおすすめです!銘柄スカウターを使えば、計算の手間なく一発で数値がわかります。このツールは高機能なうえ、証券会社に口座開設するだけで、無料で使える優れものです。

それでは、銘柄スカウターを使って、営業利益率とROEを調べる方法を紹介します。

3-1.売上高営業利益率

売上高営業利益率は、マネックス証券銘柄スカウターでかんたんにチェックできます。今回は、例として日本を代表する計測器メーカーのキーエンス(6861)を例に見ていきましょう。

キーエンス(6861)の営業利益率>

売上高営業利益率

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

キーエンスの営業利益率は、直近決算の数字で51.43%です。当サイトでは、営業利益率10%以上※2の会社を優良企業としているので、キーエンスの営業利益率は驚異的な高さと言えます。

※2 「実戦投資法を考える-成長株(グロース株)投資法-」で詳しく紹介しています。

続いて、競合企業と比べてみましょう。SBI証券で提供されている会社四季報の比較対象企業であるオムロン(6645)を使います。

比較対象 営業利益率
キーエンス
(6861)
51.43%
オムロン
(6645)
9.53%

比較対象企業と比べても、キーエンスの営業利益率の高さが目立ちますね。

キーエンスの営業利益率が高い理由は、メーカー直販のビジネスモデルを採用したからです。通常、メーカーは販売代理店などを経由して顧客に商品を販売するので、中間マージンが発生します。しかし、直販モデルであれば、販売代理店を介さずに直接顧客に販売できるので、中間マージンが発生しません。この仕組みが営業利益率の高さに表れているのです。

このほかにも、直販モデルを採用しているがゆえに、顧客の細かなニーズを把握できるので、「世界初」の商品をたくさん生み出せます。世界初で、顧客ニーズにぴったりと合った商品であれば、多少値段が高くても買ってもらえます。このことも、営業利益率が高い理由のひとつです。

3-2.ROE(自己資本利益率)

株主の資本を効率よく使って利益を稼いでいるかをチェックする指標です。日本語に直すと、「自己資本利益率」や「株主資本利益率」となります。投資家が重視したい指標のひとつで、10%以上あると良いと言われています。

ROEの計算式は、下のとおりです。

ROE(%)=純利益÷自己資本×100

こちらも自分で計算する必要はなく、マネックス証券銘柄スカウターでかんたんに入手できます。

キーエンス(6861)のROE>

PBR

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

キーエンスのROE10.75%でした。先ほど、ROEは10%以上が望ましいとお伝えしました。キーエンスはこの水準をギリギリ上回っています。株主の資本から見た収益性は高いと言えますね。ここで、先ほどの営業利益率51.43%と比べると、ROE10.75%は低いように感じますよね。どちらも同じように収益性を調べる指標なのに、どうしてここまで差が出ているのでしょうか?

その答えは、貸借対照表にあります。下は、キーエンスの2020年3月期と2021年3月期の貸借対照表です。

キーエンス(6861)の貸借対照表>

PBR

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

ROEの計算では、純利益を自己資本で割っています。そのため、自己資本が多い場合は、どうしてもROEが小さく計算されてしまうのです。上の貸借対照表を見ると明らかですが、総資産に対する自己資本の割合(自己資本比率)がとても高いので、ROEが小さくなってしまいます。

その一方で、ROEが高くなるにつれて、自己資本比率は下落していきます。つまり、異常にROEが高い会社は、財務健全性が低い可能性があるということです。多くの借金を抱えているため、自己資本比率が下がっていると考えられます。

借金は悪いものではありませんが、借金が多くなると、金融機関に支払う利息が増え、負担が大きくなります。さらに、万が一事業がうまくいかなくなった場合、株主が借金の返済義務を負うことになります。上場企業なので倒産することは考えにくいですが、ROEが高いときは財務健全性のチェックもするとよいでしょう。

4.まとめ

以上、株式投資で大事な収益性について解説してきました。今回ご紹介した「売上高営業利益率」と「ROE」を使って、稼ぐ能力が高い企業に投資しましょう!また、これらの指標はマネックス証券銘柄スカウターでチェックできます。無料で使えるので、口座開設しておくのがおすすめです。

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この記事の執筆者

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