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ヤフーとLINE(ライン)の経営統合を発表!株主や株価への影響はどうなる?
2019年11月14日、ヤフー※1とLINE(3938)の経営統合のニュースが出ました。経営統合をかんたんに説明すると、「2つの以上の会社が共同で持株会社※2をつくって、その傘下に入ること」です。
※1 ヤフーは、持株会社に変わり、社名も「Zホールディングス(4689)」に変更しています。
※2 持株会社とは…他の株式会社を支配する目的で、その会社の株式を保有する会社を持株会社と言います。社名にホールディングス(HD)が付く会社は、いわゆる持株会社です。
今回の経営統合では、ネットショッピングやPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)などを持つヤフーと、対話アプリやLINE Payを展開するLINEが、1つの会社の傘下に入ります。ヤフーとLINEのサービス利用者は、合わせて1億人規模のサービス基盤になるため、ネット界の勢力図が大きく変わります。巨大なサービス基盤をつくることで、競合のアマゾンや楽天などに対抗しようという目的です。
両者の経営統合は、Zホールディングスの親会社のソフトバンクグループ(9984)と、LINEの親会社のネイバーが交渉しています。
<新しい持株会社の未来予想図>
統合案として、次の方法が採られる予定です。
- ソフトバンクとネイバーが、50%ずつ出資する共同持株会社をつくる
- Zホールディングスは上場を維持して、共同持株会社が筆頭株主になる(約7割)
- ヤフーと、LINE(上場廃止予定)が100%子会社として、Zホールディングスの傘下に入る
この方法では、現在のZホールディングスは上場を維持して、LINEが上場廃止になります。
Zホールディングスの株主への影響は?
Zホールディングスは上場が維持されるので、経営統合が発表になっても、引き続き市場で自由に売買ができます。LINEと経営統合で企業価値が上がる可能性があり、理論株価も上がり現在の株価に割安感が出ます。結果として、株価が上がると予想されます。
ただし、企業価値が上がるという思惑で株価が上がっているだけなので、経営統合がうまくいかなかった場合は、株価が下がるかもしれません。
(出典:SBI証券)
LINEの株主への影響は?
LINEは経営統合が発表されると、Zホールディングスの100%子会社になるため、上場廃止になります。LINEを子会社化するために、TOBによる株式公開買い付けけになる可能性があります。TOBの場合、買付価格は株価にプレミアムを乗せた価格となるため、株価は上がると考えられます。
TOBの一般的なプレミアムは、基準日の株価に30%乗せた価格です。LINEの場合、2019年11月13日の終値4,585円に1.3を掛けた、約6,000円がTOB価格と想定されます。
ただし、TOBによるプレミアを乗せた価格になるという思惑で、株価が上がっているだけなので、経営統合が破談になれば、株価が下がるかもしれません。
(出典:SBI証券)
その他、LINEを完全子会社する方法として、Zホールディングスの株との株式交換※をおこなう可能性もあります。
※株式交換とは、買い手(親会社)が売り手(子会社)の株主に対して、子会社の株と親会社の株を一定の割合で交換することです。買い手(親会社)5株に対して、売り手(子会社)1株など、あらかじめ株式交換比率が決められます。
1株5,380円でTOBをおこなうと発表(2020年8月3日追記)
ソフトバンクとネイバーが共同で、LINEの株主から1株5,380円でTOB(株式公開買付け)をおこなうと発表しました。現在LINEの株を持っている方は、以下の3つの対応方法があります。
- 市場で売却する
- 指定された証券会社でTOBに申し込む
- そのまま保有して強制買取を待つ
この中でおすすめの方法は、「①市場で売却する」です。理由は、すぐに現金化でき、②や③と比べて手間がかからないからです。売却時に手数料が発生してしまいますが、すぐに現金化できてTOB価格に近い株価で売れる①の方が、投資家にとっては効率がよいと言えます。
LINEの上場廃止が決定(2020年12月16日追記)
ソフトバンクとネイバーによるTOBは順調に進み、2020年9月15日に公開買い付け期間が終了しました。両社による公開買い付けの結果、LINEの上場廃止が決定しました。LINEは東証以外にもニューヨーク証券取引所(NYSE)にも株式を上場しており、それぞれ最終売買日と上場廃止日が異なるため注意が必要です。
最終売買日 | 上場廃止日 | |
---|---|---|
東証の場合 | 2020年12月28日(月) | 2020年12月29日(火) |
ニューヨーク証券 取引所の場合 |
2020年12月24日(木) | 2020年12月29日(火) |
株をそのまま保有して強制買取を待っていると、現金化できるのは数か月先となるため、早めに売却しましょう。
まとめ
ソフトバンクとネイバーが共同でLINEのTOBを進めた結果、LINEの上場廃止が決定しました。そのため、ヤフーとLINEがスムーズに経営統合に進めることができるようになりました。今後両社の強みを生かして、ライバルのアマゾンや楽天との競争に打ち勝てるかがカギとなります。