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清算価値と時価総額の比較

ゆうと担当:ゆうと

最終更新日:2019年11月25日

資産バリュー投資のステップ2として、“清算価値と時価総額の比較”をします。これは、「資産バリュー投資を学ぼう!」で例に出した、「②財布の中身と値札を比較」する部分で、割安かどうかを見極めます。

はじめに、「清算価値」と「時価総額」のおさらいをしておきましょう。清算価値は、“会社の持っている資産をすべて売ったお金で、負債を返したときに残る価値”です(財布の中身)。別名、解散価値とも言います。時価総額は、“その会社を丸ごと買うときの値段”です(値札)。つまり、清算価値よりも時価総額のほうが安ければ、割安となります。

財布の中身と値札の比較

前回の「清算価値を確認する」ページで、清算価値は1,143億円だとわかりました。もし時価総額が1,143億円より安ければ、割安と判断できます。時価総額は、SBI証券で提供されている「会社四季報」から、かんたんに確認できます(会社四季報の閲覧は、SBI証券に口座開設すれば、誰でも無料でできます)。

下の画像は、片倉工業(3001)の会社四季報です。赤枠部分を見ると、片倉工業の時価総額は428億円です。

SBI証券の四季報

(出典:SBI証券

片倉工業(3001)の清算価値と時価総額
清算価値 時価総額
1,143億円 428億円

清算価値と時価総額を比較してみると…

清算価値1,143億円>時価総額428億円

上記のとおり、清算価値よりも時価総額が安いことがわかりました。

実際に、この金額が“割安”かどうかを判断する基準の1つとして、「10,000円の財布が6,600円以下(10,000円の3分の2以下)で売られているか」を参考にすると良いでしょう。これは、バリュー投資家として世界的に有名なベンジャミン・グレアムが作った基準です。つまり、「時価総額÷清算価値=0.66」を下回っていれば、割安と判断できます。

実際に、片倉工業がグレアムの基準を満たしているか確認してみましょう。

時価総額428億円÷清算価値1,143億円=0.37

0.66を下回っているので、片倉工業は割安と判断できました。

次のページでは、割安株の株価が見直されるきっかけとなる、“カタリスト”を探していきます。

ゆうと

この記事の執筆者

ゆうと 

投資歴8年の資産バリュー投資家です。いつも四季報を持ち歩き、1年の半分は株のことを考えている株オタク。若手投資家同士の交流を目的とした「名古屋若手投資家交流会」を主催しています。

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