カタリストを探す

ゆうと担当:ゆうと

最終更新日:2019年11月25日

資産バリュー投資のステップ3として、“カタリスト”を探す方法を見ていきます。これは、「資産バリュー投資を学ぼう!」で例に出した、「③財布の価値が見直される材料(きっかけ)を探す」部分です。

清算価値と時価総額の比較」で、その会社が割安だとわかりました。しかし、その会社が割安であることは、他の誰でも知ることができます。つまり、投資家は「その企業が割安である」とわかって取引しているので、株価にはその魅力がすでに反映されています。これを、織り込み済みと言います。

ですので、割安だからといって、必ず株価が上がるわけではないのです。他に、株価が上がる要素が必要です。カタリストとは、この「株価が上がる要素」のことです。この場合、カタリストになり得るのは「会社の今起こっている変化」や、「今後起こる可能性のある変化」です。つまり、会社の変化に注目するのが大切です。

それでは、“何がカタリスト”で“どうやって見つけるのか”を、片倉工業(3001)明和産業(8103)を例に説明します。カタリストを確認するのに便利なのは、SBI証券で提供されている「会社四季報」です。会社四季報は、SBI証券に口座開設すれば、誰でも無料で使えます。

カタリストを探す

片倉工業(3001)

下の画像は、片倉工業(3001)の会社四季報です。カタリストは、四季報のコメント欄に書かれている場合が多いため、必ず読みましょう。

片倉工業の会社四季報

(出典:SBI証券

片倉工業のカタリストは、「不採算事業からの撤退・縮小」です。赤字の事業から撤退したり縮小したりすると業績が良くなるため、投資家から価値が見直されるきっかけになります。

明和産業(8103)

片倉工業と同じように、会社四季報のコメント欄を読みましょう。

明和産業の四季報

(出典:SBI証券

明和産業のカタリストは、「余剰資産の売却」です。余剰資産を売って株主に還元することで、株主にとって利益になります。そのため、投資家から価値が見直されるきっかけになります。

また、カタリストとして以下のような変化が考えられます。注目している銘柄があれば、チェックしてみましょう。

  • 株主構成の変化
  • 買収防衛策の廃止
  • 増配、自社株買いなどの株主還元策の強化
  • 保有している株や不動産の価値向上(値上がりや再開発など)
  • 経営陣の交代
  • 業績の向上(売上・利益の増加、利益率の改善)

このような変化をきっかけに“財布の価値”が見直されると、会社の時価総額も財布の価値に近づいていきます。

まとめ

資産バリュー投資の考え方について、3ページにわたり学んできました。資産バリュー投資は、価値が明確でわかりやすい投資手法です。まずは、会社四季報や証券会社のスクリーニングなどを使って、資産バリュー株の候補を探し出し、個別の財務諸表を読み込んでいきましょう!

ゆうと

この記事の執筆者

ゆうと 

投資歴8年の資産バリュー投資家です。いつも四季報を持ち歩き、1年の半分は株のことを考えている株オタク。若手投資家同士の交流を目的とした「名古屋若手投資家交流会」を主催しています。

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