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株の配当金も確定申告すればお得!?
株の「配当金」にも、株を売って利益が出たときと同じように税金がかかります。基本的には源泉徴収されるので、確定申告をする必要はありません。しかし、確定申告をすると配当控除の適用を受けられたり、株や投資信託の損失と損益通算ができるようになります。
配当控除か損益通算のどちらか1つだけ選べるので、配当控除の適用を受けた場合、損益通算はできませんし、逆に損益通算をした場合、配当控除の適用は受けられません。これは、配当金を確定申告をするときに、【総合課税】として申告するか、【申告分離課税】として申告するかで決まります。
配当金の税金の支払い方法は3つ
- 配当金に対して20%の源泉徴収で終了。
- 確定申告をして、配当控除の適用を受ける(※総合課税を選ぶ)。
- 確定申告をして、株などと損益通算をする(※申告分離課税を選ぶ)。
確定申告するとどうなる?
確定申告をして得をする人を、「総合課税」と「申告分離課税」で比較してみました。ご自身の状況に当てはまるかどうかチェックしてください。
「総合課税」で得をする人
配当を含めた課税所得が695万円以下↓の人
「申告分離課税」で得をする人
- 株やETF、株式投資信託による売却損がある人
- 配当を含めた課税所得が695万円超↑の人
続いて、それぞれをくわしく解説します。ご自身が当てはまる方を読み進めてください。
総合課税を選んだ場合
- 税率 … 15%~55%の累進課税(所得が多いほど、税率も高くなる)
- 配当控除を受けることができる
「総合課税」で得をする人
配当を含めた課税所得が695万円以下↓の人
「総合課税」で損をする人
配当を含めた課税所得が695万円超↑の人
配当金を受け取るときには、配当金の20%(所得税15%+住民税5%)がすでに差し引かれています。例えば、10万円の配当が出ていたら、そのうちの2万円が税金で引かれているわけです。この「支払う税金を軽くしましょう」という措置が『配当控除』です。
具体的に説明すると、「給与」と「配当」を合わせた所得金額が695万円以下の人は、配当の税率が下がります(確定申告しないと20%のままです)。逆に、所得金額が695万円超の人が確定申告をすると、源泉徴収される20%より多くの税金を払うことになります。注意してください。(※下の一覧表を参照)
また、「配偶者控除や扶養控除の対象者(主婦や学生など)で、配当以外に所得がなく、株の利益や配当所得などの合計が38万円以下の人」も、総合課税を選ぶことでお得に納税ができます。
課税される所得金額 | 所得税 | 住民税 | 最終的にかかる税率 | 源泉徴収率 |
---|---|---|---|---|
合計 (税率-配当控除) |
合計 (税率-配当控除) |
|||
195万円以下 お得! |
0% (5%-10%) |
7.2% (10%-2.8%) |
7.2%※ | 一律 20.315% |
195万円超~ 330万円以下 お得! |
0% (10%-10%) |
7.2% (10%-2.8%) |
7.2% | |
330万円超~ 695万円以下 お得! |
10% (20%-10%) |
7.2% (10%-2.8%) |
17.2% | |
695万円超~ 900万円以下 |
13% (23%-10%) |
7.2% (10%-2.8%) |
20.2% | |
900万円超~ 1,000万円以下 |
23% (33%-10%) |
7.2% (10%-2.8%) |
30.2% | |
1,000万円超~ 1,800万円以下 |
28% (33%-5%) |
8.6% (10%-1.4%) |
36.6% | |
1,000万円超~ 4,000万円以下 |
35% (40%-5%) |
8.6% (10%-1.4%) |
43.6% | |
4,000万円超 | 40% (45%-5%) |
8.6% (10%-1.4%) |
48.6% |
※所得税の配当控除率(10%)のうち、所得税率(5%)を超える部分(5%)が還付されるわけではないので、7.2%(10%-2.8%)が最終的にかかる税率となります。
配当控除率は、納税者の課税される総所得金額によって変わります。
所得税に対する配当控除
- 課税総所得金額が1,000万円以下 … 控除率 10%
- 課税総所得金額が1,000万円超 … 控除率 5%
住民税に対する配当控除
- 課税総所得金額が1,000万円以下 … 控除率 2.8%
- 課税総所得金額が1,000万円超 … 控除率 1.4%
申告分離課税を選んだ場合
- 税率 … 一律20%
- 株などと損益通算ができる
「申告分離課税」で得をする人
- 株やETF、株式投信による売却損がある人
- 配当を含めた課税所得が695万円超↑の人
「申告分離課税」で損をする人
配当を含めた課税所得が695万円以下↓の人
申告分離課税を選んで得をすることは、株や投資信託などの譲渡損失(売却してでた損失)と損益通算ができることです!(損益通算の解説)。つまり、株などで損失を出している場合には節税ができるのです。
さらに平成22年より、「源泉徴収ありの特定口座」に上場株式等の配当を組み入れることによって、その口座内で生じた譲渡損失と確定申告をせずに通算することができるようになりました。※申告分離課税を選ぶと配当控除の適用はありません。
※記事の内容が古くなっていたり、間違っている可能性がございますので、税務署やお住まいの自治体などにて最新の情報をご確認の上、ご判断をお願いいたします。