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マッコーリーによるエージーピー(AGP)株のTOB・買収はいつ?なぜ?日本航空(JAL)による非公開化提案についても解説
オーストラリアの金融大手「マッコーリー・グループ(以下、マッコーリー)」が、日本航空[JAL](9201)の持分法適用会社であるエージーピー(9377)に対するTOB(株式公開買付)を実施し、1株当たり2,015円での全株式取得を目指す意向があると発表しました。2025年6月19日終値1,530円を基準にすると、プレミアムは31.7%です。
今回のTOBは、日本航空がエージーピーに対して提案していた、株式併合による非公開化に対する対抗TOBとなります。この記事では、マッコーリーがエージーピーへのTOBを実施する理由や、日本航空による非公開化提案について解説しています。
マッコーリーがエージーピーをTOBする理由
オーストラリアの金融大手マッコーリーがエージーピー(9377)をTOBする理由は、開示資料では明らかにされていません。
やさ株編集部としては、マッコーリーが手がけるファンド「MAIF(Macquarie Asia Infrastructure Fund)」に関連しているのではないかと予想しています。
このファンドでは、日本を含むアジア太平洋地域のインフラ案件に投資しているようです。エージーピーは空港設備サポートを提供しており、航空機向けの動力供給や空港設備の整備などを手がけています。「空港」というインフラに関連した企業であるため、TOBを検討したと予想できるのです。
正式にTOBの目的が明らかになったら、こちらの記事でお知らせします。
エージーピーの事業内容
エージーピー(9377)は、日本航空[JAL](9201)の持分法適用会社です。日本国内の空港で、航空機への電力供給や空港設備の整備などを担当しています。具体的には、下記3つの事業があります。
事業名 | 内容 |
---|---|
動力供給事業 | 日本国内の10空港(新千歳・成田・羽田・中部・伊丹・関西・神戸・広島・福岡・那覇)で、航空機に対して電力などを供給 |
エンジニアリング事業 | 空港にある旅客搭乗橋や手荷物搬送装置、航空機の格納庫、貨物ターミナルなどの保守管理サービスを提供 |
商品販売事業 | 食事の保冷・加熱カートなどの製作・販売や、航空機地上支援機材(航空機を移動させるための車両など)の輸入販売などを提供 |
セグメント構成は下記のとおりです。エンジニアリング事業が主力で売上高の50%程度を、次いで動力供給事業が40%程度を占めています。
日本航空(JAL)による株式非公開化提案
2025年4月28日(月)、日本航空(9201)がエージーピー(9377)に対して「株式併合による非公開化」に関する株主提案を送付しました。非公開化を提案した背景には、下記2つの理由があります。
日本航空がエージーピーの非公開化を提案した理由
- 大株主と少数株主との間にある利益相反をなくすため
- 航空・空港関連事業者と密に連携し、空港や航空業界全体の中期的な戦略投資を推進することで、企業価値を高めるため
日本航空が提案した株式併合では、普通株式1株につき1,550円が交付される見込みです。
なお、エージーピーは日本航空の株主提案に対して「反対」意見を表明しています。
エージーピーのTOB【公開買付価格・期間・応募方法など】
マッコーリーのエージーピーに対するTOBの概要を、下の表に整理しました。
公開買付者 | Macquarie Asia-Pacific Infrastructure Investments 4 Pte. Ltd. |
---|---|
被買収企業 | エージーピー(9377) |
公開買付価格 | 2,015円※1 |
プレミアム | 31.70%※2 |
公開買付期間 | 未定 |
買付株数 | 未定 |
買付予定株数の下限 | 未定 |
買付予定株数の上限 | 未定 |
公開買付代理人 | 未定 |
公開買付復代理人 | - |
上場 | 廃止 |
目的 | 不明 |
※1 普通株式1株あたりの買付価格です。
※2 2025年6月19日終値に対して、何%の上乗せがあったかを表しています。