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株式投資型クラウドファンディングとは?メリット・デメリットやおすすめ事業者を比較
株式投資型クラウドファンディング(ECF)とは、広く投資家からお金を集めて、未上場の株に出資をするサービスです。プラットフォーマーと言われる仲介業者(クラウドファンディング事業者)が、「投資家」と「起業家(未上場企業)」を仲介して、起業家に必要な資金を融通します。
このコラムでは、株式投資型クラウドファンディングのメリット・デメリットや、おすすめ事業者の比較、実績・リターンをわかりやすく解説します。
株式投資型クラウドファンディングのメリット
出資される側(起業家)からのメリットは、広くたくさんの投資家から資金を融通できることです。さらに、投資家が多いことから、サービスや製品の認知が広がりやすく、ファンの獲得にもつながります。
一方、投資家からのメリットは、出資した資金が大化けする可能性があることです。出資を受けた企業は会社が成長した場合、M&Aによる買収を受ける、もしくは、IPOによる新規株式上場が期待されます。うまくいけば、IPOして10倍以上になってもおかしくありません。さらに、中には、株主優待を設定している会社もあるので、会社の成長を見守りながら、一定の恩恵を受けられる形になります。
株式投資型クラウドファンディングのデメリット
出資される側(起業家)からのデメリットは、投資家が多くなることで、身元のしれない株主が含まれる可能性があることです。仮に、上場の準備ができたとしても、反社(暴力団、暴力団関係企業など)の投資家が含まれている場合は、上場することができません。また、株主総会なども手続きが増えて煩雑になるため、投資家が増えることは必ずしもメリットばかりとは言えません(ただし、このあたりのデメリットについては、各社が工夫して手を打っています)。
投資家側から見たデメリットは、何と言っても流動性が低いことです。定期預金のように、満期という概念はないので、一度出資したら、会社が買収されたり、IPOしたりするまでは基本的に引き出すことができません。最悪、倒産することも十分にあり得ます。成果が出るまでに、5年~10年くらいかかることもあるので、生活費ではなく、余裕資金でおこなうことが大切です。
おすすめ事業者の比較
株式投資型クラウドファンディングを仲介する、おすすめの事業者を紹介します。各社それぞれに特色があるので、ご自身の投資方針にあった会社を選んでください。起業家がどのプラットフォームを選ぶかはわからないので、基本的にはすべてに口座を開いて準備しておき、投資したい会社が出てきたときに、出資する方法がよいかと思います。
おすすめの株式投資型クラウドファンディング事業者
①イークラウド
イークラウドは、XTech社の子会社、イークラウド社が運営するサービスです。 2020年6月にサービスがスタートしました。「プロが厳選したベンチャー企業に投資できる」ことをサイト上でもうたっていて、案件として採用されるにはかなり狭き門になっています。裏を返せば、投資家は安心して投資ができると言えるでしょう。
株式型クラウドファンディングは、目標金額に届かなかった場合は無効となりますが、現状では7件中7件、すべて成立しています。いずれの案件も目標を大きく超えた申込金額となっているので、投資家の期待が表れていますね。また、大和証券と連携して事業運営しているため、上場時は大和証券の主幹事が期待されています。
②FUNDDINO(ファンディーノ)
FUNDINNO(ファンディーノ)は、日本クラウドキャピタル社が運営する業界最大手のサービスです。さらに、「全員一致で案件として決定する」というきびしい基準で審査をおこなっていて、持ち込まれた案件の5%未満しか審査に合格していません。
また、投資家側にも審査が設けられていて、①1年以上の投資経験、②300万円以上の金融資産を保有し生活費や借入金ではないこと、③20歳~80歳などがおもな条件です。実績としては、取り扱いが多い分、イグジット案件も出始めています。現在野村HDと資本業務提携しているので、IPOの際は野村證券が主幹事となることが期待されています。
③CAMPFIRE Angels(キャンプファイヤーエンジェルス)
CAMPFIRE Angels(キャンプファイヤーエンジェルス)は、CAMPFIRE子会社、CAMPFIRE Startups社が運営するサービスです。2020年8月にサービスがスタートしたばかりなので、まだ取り扱いは少ないですが、クラウドファンディング大手CAMPFIREの知名度を生かして、今後取り扱いが爆発的に増えてくる可能性あります。
サービスの詳細は、「CAMPFIRE Angels(キャンプファイヤーエンジェルス)の評判は?」という記事で紹介していますので、興味があれば合わせてご覧ください。
④Unicorn(ユニコーン)
Unicorn(ユニコーン)は、上場企業ZUUのグループ会社、ユニコーン社が運営するサービスです。2019年3月にサービスがスタートしました。投資先企業から、株主優待を受けられることに強みがあります。
起業家の業種は、AIやIoT、EdTech※1が多く、投資家に人気となりやすい案件が多いです。投資家側には審査が設けられていて、おもに、①200万円以上の金融資産を保有し生活費や借入金ではないこと、②20歳~75歳などが条件となっています。
※1 EdTechとは、「Education(教育)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた造語」のことです。
実績・リターンの紹介
株式投資型クラウドファンディングは「2017年スタート」と歴史が浅く、起業家もまだ出資を受けたばかりのフェーズですので、結果が出てくるのはこれからでしょう。そんな中でも、ファンディーノからイグジット(出口戦略)の成果が出ているので紹介します。
会社名 (事業内容) |
株価推移 | 運用期間 | 出口戦略 |
---|---|---|---|
漢方生薬研究所 (医薬品販売) |
500円 →750円 (1.5倍) |
1年6か月 | 相対取引※2 |
nommoc (無料タクシー) |
50円 →75円 (1.5倍) |
2年 | 相対取引※2 |
琉球アスティーダ (スポーツクラブ) |
非開示 | 1年2か月 | IPO |
※2 相対取引(あいたいとりひき)とは、「証券取引所などの市場をとおさずに、売りたい人と買いたい人が価格や売買数量などを決めておこなう取引」のことです。
管理人ひっきーの運用実績
私は、ユニコーン社経由で「ヴァズ」という、カメラアプリ「SnapDish(スナップディッシュ) 料理カメラ」を運営する会社に投資をしました。2020年8月20日に10万円の出資です。私としても、「株式投資型クラウドファンディングがどのようなものか」を知るために、試験的に出資しました。この投資が成功か失敗かは、何年かたたないとわからないので、動きがあり次第共有します!
詳細は、「ユニコーンの第7号案件、「スナップディッシュ」が8月20日に投資家募集を開始!」で紹介していますので、興味があればご覧ください。
まとめ
株式投資型クラウドファンディングは10万円程度からはじめられますが、流動性がほとんどないため、出資した資金がいつ、どのような形で返ってくるかわかりません。当然、M&A(企業買収)やIPO(新規公開株)と言う形でイグジットした場合は、数倍~数十倍程度のリターンがありますが、仮に、倒産した場合、投資した資金は返ってきません。
それでも出資が集まる理由は、「自分の資金で起業家を応援したい」という純粋な気持ちの表れではないかと感じています。このように、株式投資型クラウドファンディングは、ハイリスク・ハイリターンの商品なので、何社かに分散投資をして、その中でうまく成長する会社が出てくるのをじっと見守るという投資になります。
スタートアップの会社には、なかなか資金が行き渡らないため、このしくみを使って資金が循環していけば、おもしろい社会になるだろうなぁと思っています。
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