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持株会社(ホールディングス)とは?わかりやすく解説します
持株会社とは、複数の株式会社を傘下に持っている会社を指します。英語では「ホールディングカンパニー」と呼ばれており、「○○ホールディングス」と社名に付いている会社が持株会社です。最近は持株会社の上場も増えています。「株を買った会社が持株会社だった」というのも珍しくはないので、持株会社について理解しておいて損はありません。
このコラムでは、持株会社に投資する際のポイントや持株会社の種類、持株会社が増えている理由ついて、株初心者向けにわかりやすく解説していきます。
持株会社とは?
持株会社とは、複数の株式会社を傘下に持っている会社を指します。英語では「ホールディングカンパニー」と呼ばれており、「○○ホールディングス」と社名に付いている会社が持株会社です。持株会社を図で表すと、下のようになります。
親会社(持株会社)が存在し、その下に子会社がぶら下がっている構造です。実際のビジネスは子会社がおこなう場合が多く、持株会社はグループ全体の取りまとめの役割を果たしています。
持株会社は、自分が持株会社であることをアピールするために、社名に「ホールディングス※」や「グループ」と付ける場合が多いです。しかし、会社によっては名前の付け方が異なります。どんな持株会社名があるのか、一例を見てみましょう。
※ホールディングスは、「HD」と略すときがあります。
銘柄名(銘柄コード) | 事業内容 |
---|---|
アサヒグループホールディングス(2502) | ビールなどの飲料を製造する、アサヒビールやカルピスの持株会社 |
ハウス食品グループ本社(2810) | カレールウなどを製造する、ハウス食品などの持株会社 |
吉野家ホールディングス(9861) | 牛丼店『吉野家』やうどん店『はなまる』などの持株会社 |
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306) | 三菱UFJ銀行などを持つ、国内最大の金融グループの持株会社 |
日本航空(9201) | 傘下に日本トランスオーシャン航空などを持つ持株会社 |
「グループホールディングス」、「グループ本社」、「ホールディングス」、「フィナンシャル・グループ」など、持株会社とひとくちに言っても名前の付け方はさまざまです。また、日本航空のように何も付かない場合もあります。国内の上場企業は約3,800社ありますが、そのうち13%にあたる約500社が持株会社となっています(2021年1月現在)。
持株会社に投資する際のポイント
持株会社(ホールディングス)に投資する場合、グループ全体でおこなっている事業の把握が大切です。なぜなら、持株会社の業績や株価には、グループ全体の業績が反映されるからです。このため、2つの事業を展開している持株会社があった場合、片方の業績が良くても、もう片方の業績が悪ければ、株価が下がるかもしれないのです。
グループ全体の事業を把握するおすすめの方法は、以下の2つです。
それぞれ、順番に見ていきましょう。
SBI証券が提供している会社四季報を使う
SBI証券が提供している会社四季報では、【企業概要】の中にある【連結事業】で、グループがおこなっている事業がわかります。例えば、吉野家ホールディングス(9861)の場合は、下の画像のようになっています。
(出典:SBI証券)
吉野家ホールディングスの連結事業は、「吉野家51(5)、はなまる14(4)、アークミール9(-2)、京樽13(2)、海外10(4)、他2(2) 」となっています。セグメントの右隣に書かれている数字を見ると、売上高に占める割合もわかります。吉野家が51%、はなまるが14%という具合です。
このことから、吉野家ホールディングスの主力事業は吉野家ですが、はなまるや京樽の影響もそれなりに受ける、と言えるでしょう。投資判断や、投資した後の決算チェックなどでは、これら3つの事業に注目したほうが良さそうですね。
マネックス証券の銘柄スカウターを使う
マネックス証券の銘柄スカウターでは、【セグメント業績】の中にある【セグメント構成】で、グループがおこなっている事業が確認できます。こちらのメリットは、円グラフが載っているので、視覚的に把握しやすい点です。
(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)
証券会社のツールを使えば、持株会社がどんな事業をおこなっているか、かんたんに調べられます。どちらのツールも、口座開設すれば誰でも無料で使えます。まだ口座を持っていない方は、この機会に口座開設をしておきましょう。当サイト限定のお得なキャンペーン実施中です。
口座開設の方法は、以下のページで実際の画像を使って、詳しくまとめています。ぜひご覧ください。
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持株会社の種類
持株会社には、「純粋持株会社」と「事業持株会社」の2種類があります。かんたんに言うと、純粋持株会社は子会社の管理のみをおこなっているのに対し、事業持株会社は、持株会社自身も事業をおこなっています。
持株会社の種類 | 共通点 | 相違点 |
---|---|---|
純粋持株会社 | 複数の子会社を管理 | 持株会社は子会社の管理に特化 |
事業持株会社 | 持株会社自身も事業を展開 |
それぞれ、実際の企業例を出して説明します。
純粋持株会社の例 (吉野家ホールディングス)
純粋持株会社の例に、吉野家ホールディングス(9861)があります。元々は、牛丼店を運営する「株式会社吉野家」だったのですが、子会社を作ったり会社を買収したりして、規模が大きくなりました。
牛丼店を運営しながら買収した会社を管理するのが大変だったので、経営管理のみをおこなう会社として、2007年に純粋持株会社「吉野家ホールディングス」を設立したのです。
そのため、吉野家ホールディングス単体の売上は、持っている子会社株式の配当金収入で成り立っています。この説明を聞くと、「吉野家ホールディングスは純粋持株会社だから、牛丼店の業績は関係ないのでは?」と思う方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、それは違います。理由は、持株会社はグループ全体の業績を表す「連結業績」を発表しなければならないからです。当然、そこにはグループ全体の業績が反映されています。
詳しい説明は省きますが、吉野家ホールディングスの業績には、牛丼店の吉野家はもちろん、はなまるや京樽の業績が反映されます。つまり、吉野家ホールディングスの株を買えば、間接的に吉野家やはなまるに投資できるわけです。裏を返せば、投資する際にはグループ全体の業績に配慮する必要があります。
事業持株会社の例 (日本航空)
事業持株会社の例に、日本航空(9201)があります。日本航空は、子会社に日本トランスオーシャン航空や琉球エアーコミューターなど、地域密着の航空会社を持っています。日本航空自身も、国際線と国内線の旅客機を運航しているので、事業持株会社にあたるのです。
事業持株会社単体の売上は、自ら展開している事業による収入と、子会社からの配当金で成り立っています。そして、純粋持株会社と同じように、連結業績にはグループ全体の業績が反映されます。投資する際には、グループ全体の業績を追いましょう。
持株会社が増えている理由
では、なぜ持株会社が増えているのかと言いますと、持株会社を設立すると、会社全体の意思決定がスムーズになるからです。経営戦略を考える頭の部分と、実際にビジネスをおこなう手先の部分を分ければ、それぞれ集中すべき仕事が明確になります。お互いに余計な考え事をしなくて済むので、意思決定のスピードを早くできるのです。
このような理由から、持株会社は“会社の成長過程”で生まれる場合がほとんどです。基本的に、会社は事業を拡大して成長を目指します。成長する途中で、事業を子会社として分割したり、他の会社を買収したりします。
親会社と子会社の関係性ができあがると、親会社は子会社を管理する必要が出てきます。しかし、子会社の数が増えていくと、その管理は複雑で大変なものになってしまうのです。
すると、親会社は「自分の事業に集中したいのに、子会社の管理や会社全体の経営戦略の立案が忙しい」状態になります。これでは本業に集中できないので、子会社の管理や経営戦略の立案のみをおこなう専門の会社として、持株会社を作るようになりました。
このように、経営と実際の事業運営を分けると、会社全体の意思決定がスムーズにできるようになります。会社が大きくなればなるほど、持株会社を作るメリットが大きくなるので、持株会社制を選ぶ会社が増えているのです。
まとめ
以上、持株会社の意味や投資する際のポイント、持株会社が増えている理由を解説してきました。持株会社に投資する際には、グループ全体の業績を追う必要があります。証券会社のツールを使って、全体像を把握してから投資しましょう。
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