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LBOとは?意味やメリット、具体的な例をわかりやすく解説

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2023年11月30日

LBOとは「Leveraged Buyout(レバレッジド・バイアウト)」の略で、借金をしたお金で会社を買収することをいいます。しかし、普通の買収と異なるのは、借金をするときに、自社の資産を担保にするわけではなく、買収先企業の資産を担保にする点です。これにより、保有している資産にレバレッジ(てこの原理)を効かせて、自社よりも大きな会社を買収することも可能です。

少しわかりにくいので、身近な例で考えてみます。
例えば、住宅を買うときに自然とLBOは行われています。多くの方が、住宅を買うときに住宅ローンを組みます。少ない自己資金で買えるのは、住宅そのものに価値があり、一定の担保価値があるからです。もちろん、基本的に住宅の価値は劣化するものですし、ローンの返済能力は重要ですが、住宅ローンが払えなくなった場合は、住宅という担保を手放すことで清算することになります。銀行としても、担保がある分、低金利で貸し出すことができるのです。

話が少しそれてしまいましたが、ここからは、LBOの具体的な流れやメリット、事例を見ていきましょう!

LBOの具体的な流れ

LBOの具体的な流れを整理すると、下のようになっています。

LBOの具体的な流れ
  1. SPC(特別目的会社)を作る
  2. 金融機関から買収資金を借りる
  3. 買収先から株式を取得
  4. 自社がSPCと合併し、LBO完了

SPC(特別目的会社)と出てきただけで、とてもむずかしそうに感じますが、LBOの流れを見てみると意外とシンプルで、上で説明した4つの手順で完了します。

第一段階で「SPC(特別目的会社)」という謎の会社を作っていますが、これは買収資金を集めるのに必要だからです。個人でも銀行からお金を借りられますが、会社を買収しようと思うと多額の資金が必要です。お金をたくさん借りるには会社を作ったほうが効率的なので、仮の会社としてSPCを作っています。「銀行からお金を借りるために作った」と理解しておけばOKです。

LBOのメリット

LBOという選択をする最大のメリットは、何と言っても、「小が大を食べてしまう」でしょう。小さな会社の資本力では、到底買収できない会社に対しても、被買収先の資本力を使って買収ができるというのが最大のメリットです。初めてこのスキームを知ったときには、「こんなのアリ?」と思いましたが、合法的なんですねえ。

過去の事例は?

日本で最大のLBOと言えば、2006年のソフトバンク(9984)(現 ソフトバンクグループ)による、ボーダフォン日本法人の買収です。当時のボーダフォンは、NTTドコモ、auと並ぶ三大キャリアの一角でしたが、ソフトバンクがLBOを使って買収しました。買収金額は約1兆7500億円。このうち1兆円はLBOで調達した資金と言われています。

買収後、多額の借金を背負うことになりましたが、その後のソフトバンクの成長は、みなさんご存知の通りです。この買収は思い切った経営ですが、大きな成功と言えますね。

チャート画面

(出典:SBI証券

まとめ

LBOとは、相手の資本力をうまく活かした買収方法です。日本ではTOBMBOに比べると実例が少ないM&Aですが、成功すれば、非常に強力な一手です。当時はまだ株をはじめたばかりで株のことはよくわかりませんでしたが、ソフトバンクがボーダフォンを買収するニュースを聞いたときは、本当に驚きました!

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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