棚卸資産とは?意味や事例をわかりやすく解説します

担当:やさしい株のはじめ方編集部

担当・やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2021年7月21日

棚卸資産(たなおろししさん)とは、顧客に販売するための資産で、いわゆる「在庫」です。棚卸資産は、会社の営業活動で発生する資産なので、流動資産に分類されます※1棚卸資産には、販売する目的で持っている「商品や製品」、作りかけの「仕掛品」、製品を作るための「原材料」などが含まれます。

※1 会計のルールで、会社の営業活動で発生する資産を流動資産に分類しています。このルールを「正常営業循環基準」といいます。

このコラムでは、棚卸資産の意味や特徴、分析方法などを株初心者向けにわかりやすく解説しています。

1.棚卸資産とは?

棚卸資産とは、販売するための資産です。いわゆる「在庫」ですね。棚卸資産は、会社の営業活動で発生する資産なので、会計のルールに則り、流動資産に分類されます。棚卸資産の中身には、下の4種類があります。

  • ①購入した「商品」や、自社で製造した「製品
  • ②作りかけの「仕掛品
  • ③製品を作るための「原材料
  • ④梱包材などの「消耗品

例えば、ケーキ屋さんで考えると、以下のようなイメージです。

①商品や製品 ショーケースの中に並んでいるケーキ
②仕掛品 作りかけのスポンジケーキ
③原材料 小麦粉や砂糖、イチゴなど
④消耗品 ケーキを入れる箱

棚卸資産は、「貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)」に載っています。例として、『バーモンドカレー』や『フルーチェ』で有名な、大手食品メーカーハウス食品グループ本社(2810)の貸借対照表を見てみましょう。赤枠部分が棚卸資産です。

ハウス食品グループ本社(2810)の貸借対照表>

ハウス食品グループ本社の貸借対照表

(出典:ハウス食品グループ本社の貸借対照表)

2.棚卸資産の特徴

棚卸資産の特徴は、現金や有価証券などと比べて、現金化までに時間がかかる点です。万が一、棚卸資産の販売予定が遅れると、資金回収の予定も遅れてしまいます。

また、食品など腐りやすい商品を扱っていたり、時間の経過とともに劣化しやすい商品を販売していたりする場合、棚卸資産が販売できないと、不良在庫になるリスクがあります。不良在庫になると、値引き販売しないと売れなかったり、廃棄になったりするので、会社にとっては損失です。

このように、棚卸資産は会社の売上につながる分、販売できないと損失をもたらすリスクがあります。

3.優秀な無料ツールで、棚卸資産を分析しよう!

棚卸資産の分析をおこなう上で、貸借対照表のチェックは欠かせません。しかし、実際に見てみると、文字と数字が並んでいるだけで、初心者にはむずかしく感じます。そこで、貸借対照表の中身をビジュアルで把握できる、GMOクリック証券の『財務分析ツール※2』がおすすめです。今回は、こちらの財務分析ツールを使って、棚卸資産の分析方法を見ていきます。

※2 財務分析ツールは、GMOクリック証券に口座開設するだけで、誰でも無料で使えます。

棚卸資産に注目すると、会社の経営状態がわかります。ただし、棚卸資産の金額だけを追いかけてもあまり意味はありません。理由は、棚卸資産は会社の規模が大きくなるにつれて増えていくからです。そこで、棚卸資産回転日数と呼ばれる指標を使って分析します。棚卸資産回転日数の計算式は、下のとおりです。

棚卸資産回転日数=棚卸資産÷(売上高※3÷365)

※3 厳密には「売上原価」を使いますが、売上高を使って計算する場合もあります。GMOクリック証券の財務分析ツールでは「売上高」を使っているので、このページでの計算式も売上高に合わせています。

棚卸資産回転日数は、棚卸資産が何日分あるのかを表す指標です。事業内容によって日数が違い、飲食業は短く、製造業は長い傾向にあります。そのため、会社どうしを比べるときは、必ず同業他社で比べなければいけません。

過去との比較も大切です。棚卸資産回転日数が過去と比べて長くなっている場合、商品が売れなくなっていると考えられます。これは、業績悪化のサインだと考えられるので、注意が必要です。

棚卸資産回転日数の意味を理解したところで、実際の会社を使って分析してみましょう!今回は、紳士服を製造・販売するコナカ(7494)を例に、GMOクリック証券の財務分析ツールを使って棚卸資産回転日数を分析してみます。

コナカ(7494)の棚卸資産回転日数>

コナカ(7494)の棚卸資産回転日数

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

注目ポイントは、「過去と比べて日数が伸びているか」です。上の画像を見ると、左端の2016年は116.39日であり、その後2019年ごろまでは110日程度で推移していましたが、右端の2020年になると突然157.28日まで長期化しています。なぜ、このような変化が起きたのでしょうか?

ここで、コナカの売上高がどう変化したのかを確認してみましょう。

コナカ(7494)の業績推移>

コナカ(7494)の業績推移

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

水色の売上高に注目すると、過去5年間ずっと減少傾向にあります。この背景には、クールビズのカジュアル化など紳士服が売れなくなっている事情があります。そして、2020年には過去5年間で最も大きな落ち込みを見せています。コロナ禍で臨時休業や時短営業を強いられたこと、在宅勤務によってスーツ需要が縮小したことが原因です。

先ほどの棚卸資産回転日数と合わせて考えると、2020年に棚卸資産回転日数が長期化したのは、コロナ禍の休業やスーツ需要縮小が原因と言えます。棚卸資産は、顧客に販売しない限り現金として回収できません。そのため、スーツが売れなくなったコナカにとっては、2020年はきびしい1年だったのではないでしょうか。

このように、棚卸資産回転日数を使って分析すると、会社の経営状態がわかります。GMOクリック証券財務分析ツールを使えば、自動で棚卸資産回転日数を計算してくれるので、手間をかけずに分析できます。投資先を決める際の分析に、ぜひ取り入れてみてくださいね。

4.まとめ

棚卸資産は、顧客に販売するための資産で、いわゆる「在庫」です。顧客に販売するまで現金化できないので、棚卸資産を持ちすぎている会社は資金繰りがうまくいかなくなるかもしれません。そのような会社を見つけるためには、棚卸資産回転日数を使うのがおすすめです。GMOクリック証券財務分析ツールを使えば自動で計算してくれるので、普段の分析にぜひ取り入れてみてください。

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この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部
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