DCMホールディングスが島忠のTOBを検討!?株価はどうなる?

DCMホールディングスが島忠のTOBを検討!?株価はどうなる?

担当・ゆうと

最終更新日:2020年10月21日

(2020年10月21日追記)
2020年10月20日、ニトリホールディングス(9843)島忠(8184)に対して買収を検討していると日経新聞が報道しました。現在、DCMホールディングス(3050)が島忠に対してTOB(株式公開買い付け)を実施しており、島忠もDCMホールディングスによるTOBに賛同しています。そのため、ニトリホールディングスによる島忠へのTOBは、敵対的TOBに発展する可能性があります。詳しくは、こちらで解説しています。

2020年9月18日、DCMホールディングス(3050)が、島忠(8184)に対してTOB(株式公開買い付け)をおこなう予定であると、NHKが報道※1しました。TOBには、株式を全部買い取る「全部買付」と、一部だけを買い取る「一部買付」がありますが、今回は一部買付となるようです。そのため、TOBが成立しても、島忠は上場を維持することになります。

※1 参考:ホーマック展開のDCM 島忠を傘下に | NHKニュース

今回のTOBの目的は?

ホームセンター業界では、2020年6月にも、アークランドサカモト(9842)による・LIXILビバ(3564)のTOB※1がおこなわれており、業界の再編が進んでいます。

※1 LIXILビバは、アークランドサカモトによるTOBで完全子会社化。2020年10月20日上場廃止予定です。

<ホームセンター業界の売上高ランキング(2020年9月22日現在)>
順位 社名 売上高
(億円)※2
1 カインズ(非上場) 4,410
2 DCMホールディングス(3050) 4,374
3 コーナン商事(7516) 3,746
4 コメリ(8218) 3,486
5 アークランドサカモト(9842)LIXILビバ(3564) 3,012
6 ナフコ(2790) 2,178
7 島忠(8184) 1,464
8 ジョイフル本田(3191) 1,249
9 ケーヨー(8168) 1,076

※2 各社の売上高は、前期末の決算情報から引用しています。カインズは非上場であるため、同社Webサイトで公表されている情報から引用しています。

今回のTOBの目的は、全国に店舗を持つDCMホールディングスと、家具に強みのある島忠が協業することで、競争の激しいホームセンター業界のなかで生き残るためです。DCMホールディングスにとっては、家具などの商品ラインナップが充実することになり、島忠にとっては自社の家具を多くの店舗で販売できるようになります。

そのようなことから、今回のTOBは“友好的なTOB”になると思われます。

今後の株価への影響

9月18日のTOB報道を受けて、PTS取引(夜間取引)では、終値2,878円より500円高い3,378円まで株価が上昇しています。ただ、今回のTOBは、まだ正式に発表されていないため、TOB価格はわかりません。また、株価はTOB価格まで上がらない可能性もあるので注意が必要です。

島忠(8184)の株価推移>

島忠(8184)の株価チャート

(出典:SBI証券

なぜなら、今回のTOBは一部買付に当たるため、島忠の株主全員が株式を買い取ってもらえる訳ではないからです。 そのため、一部買付の場合はTOBに応募しても、当選しなければ利益を得られないのです。

1株4,200円でTOBをおこない、完全子会社化すると発表(2020年10月2日追記)

2020年10月2日の取引時間終了後にTOB価格(4,200円)が発表されたことで、株価はTOB価格とほぼ同じ価格まで上昇すると思われます。 なぜなら、DCMホールディングスはTOBに応募したすべての株主から島忠の株式を買い取るためです。そのため、TOBが成立するのであれば、島忠の株主は、市場で株式を売却しても、TOBに応募しても、ほぼ同じ利益を手にすることができます。

島忠のTOBが成立するためには、最低でも株式50.00%の応募が必要です。また、DCMホールディングスは、パッシブ・インデックス運用のファンド※3が島忠の株式の25%程度を保有していると推定しており、これらのファンドが原則としてTOBに応募しない※4ものと考えています。

※3 日経平均やTOPIXの値動きに連動する運用を目指すファンドのことです。

※4 原則としてTOBに応募しないのは、応募することでファンドの資産構成が日経平均やTOPIXの値動きと連動しなくなる恐れがあるためです。

そのため、実質的にはその他の一般株主から2/3程度の株式が集まるかがカギになります。 今回のTOB価格は、長期チャートでみても高値圏なります。多くの株主にとって利益を手にすることができる価格であるため、TOBに納得して応募する株主が多くなるのではないでしょうか。

ニトリホールディングスが島忠に対してTOBを検討(2020年10月21日追記)

2020年10月20日の引け後に、ニトリホールディングスによる島忠の買収が報じられたことで、2020年10月21日12時32分現在、4,770円まで株価が上昇しています。

島忠(8184)の株価推移>

島忠(8184)の株価チャート

(出典:SBI証券

その理由は、ニトリホールディングスが、DCMホールディングスによるTOB価格(4,200円)より高い価格で、TOBをおこなうのではないかという思惑からです。 ニトリホールディングスは、家具に強みのある島忠を買収することで、「店舗網の拡充」や「商品開発力の向上」などの狙いがあると思われます。

正式な発表はありませんが、ニトリホールディングスが島忠に対してTOBを実施する可能性は十分に考えられます。島忠はすでにDCMホールディングスのTOBに賛同を表明しているため、ニトリホールディングスがTOBを実施する場合、事前に島忠による賛同が得られる可能性は低いです。

そのため、ニトリホールディングスの島忠へのTOBは、敵対的TOB※5に発展する可能性があります。一方で、DCMホールディングスによる島忠のTOBも、現在の株価がTOB価格(4,200円)を大幅に上回って推移しているため、成立する可能性は低いと言えます。

※5 敵対的TOBについては、敵対的TOBとは?で詳しく説明しています。

まとめ

島忠をめぐるTOBについて解説しました。ニトリホールディングスが島忠への買収を実施した場合、敵対的TOBに発展する可能性があります。一方で、DCMホールディングスによる島忠へのTOBも、現在の株価がTOB価格(4,200円)を上回っているため、成立はきびしい状況です。 そのため、ニトリホールディングスによるTOBが実施されれば、DCMホールディングスもさらに対抗してTOB価格を引き上げる可能性も考えられます。

このコラムを見た人は、こちらも読んでいます

ゆうとのプロフィール

・投資歴6年、資産バリュー投資家
・オフ会を主催、年間100回近くオフ会に参加
・いつも四季報を持ち歩き、1年の半分は株のことを考えている株オタク

Twitter「@hyouka1995」でも情報発信中です!