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「差金決済取引に該当する可能性があります」と出た場合の対処法

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2023年11月30日

株取引をしているときに「差金決済取引に該当する可能性があります」と表示された経験がありませんか?突然警告が出て取引できなくなるので、どうしたらいいかわからない方も多いはずです。しかし、この場合は追加入金すれば問題なく取引できますし、警告文が出たからといって罰則はありません。このコラムでは、警告文が表示される理由や対処法を説明していきます。

警告文が表示される理由

この表示が出た方は、同じ日に同じ銘柄を下のような流れで取引しようとしたのではないでしょうか。

差金決済取引

実は、このような取引は法令で禁止されている差金決済取引に該当してしまいます。そのため、取引できないように、証券会社が警告を出しているのです。

この警告が出たからといって、何か罰則があるわけではありません。あくまで“差金決済取引に該当する”とお知らせしているだけです。

また、下のような取引も同じです。

  • 夜間にPTS※1で買付→翌日に売却→翌日に買付
  • 夜間にPTSで売却→翌日に買付→翌日に売却

※1 PTSとは、日本語で「私設取引システム」といいます。証券会社が独自に作った取引システムで、証券取引所が閉まっている時間でも株式の売買ができます。くわしくは、夜間取引(ジャパンネクストPTS) 証券会社の選び方をご覧ください。

こちらの取引でも警告文が表示されます。理由は、PTSでの取引は翌日の取引としてカウントされるからです。同じ日に同じ銘柄を2度買付・売却する差金決済取引に該当してしまいます。

どうしても2度目の買付や売却をしたい場合

どちらの場合も取引しようとしている銘柄の「買付代金」を追加で入金すれば、問題なく取引できます。

ここで、十分な買付余力があるにもかかわらず、警告文が出る場合があります。これは、差金決済取引とみなされる条件のひとつに「同一銘柄の、同一資金での購入」があるからです。

たとえば、ある銘柄を同じ日に「買付→売却」して、口座に10万円残っているとします。同じ日に改めて同じ銘柄を10万円で買おうとした場合、差金決済取引の警告文が出ます。なぜなら、同じ日に同じ資金(1回目の買付に使ったお金)で同じ銘柄を買おうとしているからです。

この場合は、追加で10万円入金すれば、同じ資金で買い注文を出すとは見なされないので、無事にその銘柄を買付できます。

差金決済取引とは?

ここまで警告文の正体を説明してきましたが、そもそも差金決済取引とは何かを説明します。理解しなくても問題ないむずかしい部分なので、読み飛ばしていただいてもかまいません。余力がある方、詳しく知りたい方のみ読んでください。

差金決済取引とは、かんたんに説明すると次のような取引です。

  1. ある銘柄を100株買う
  2. ①と同じ日に、同じ銘柄を100株売る
  3. 株券の受渡日(買い注文を出した日から2営業日後)に、①の買付代金と②の売却代金を相殺する

多くの証券会社では、買い注文を出した時点で買付代金が口座から引き落されるので、問題なく取引できます。しかし、買い注文を出したときに代金が拘束されない証券会社では、買い注文を出してから2営業日後の「受渡日」に代金を支払えばよいのです。

つまり、買い注文の時点でお金がなくても、同じ日に同じ銘柄を売っておけば、受渡日に受け取る売却代金を使って支払いができてしまうのです。

このしくみだと、同じ日に買った銘柄の株価が上がれば、元手がないのに利益だけを手に入れられてしまいます。公正な取引に反するため、差金決済取引は法令で禁止されているのです。

ネット証券であれば、先ほど説明したとおり、買い注文を出した時点で買付代金が口座から引き落とされるので、知らないうちに差金決済取引をしてしまうことはありません。

まとめ

同じ日に同じ銘柄を同じ資金で「買付→売却→買付」、または「売却→買付→売却」しようとした場合に、差金決済取引の警告が出ます。どうしても取引したい場合は、追加で買付金額を入金しましょう。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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