買った株はその日のうちに売却できますか?(差金決済取引)
現物買いの場合、その日に買った株はその日には売れないとは本当ですか?
結論から申し上げて、基本的には買った株をその日のうちに売却することはできます。ただし、このページで紹介するような条件下では、買った株を売却することはできません。
『差金決済取引(さきんけっさいとりひき)』に該当する場合は、株の売買が限されます。差金決済取引とは、「株券の受け渡しを行わずに、売りと買いの差額を相殺する取引」のことです。言葉だけではわかりにくいので、具体例を見ながら、順を追って見ていきましょう。
まず、A銘柄があったとします。株価100円、100株で1万円です。投資資金は1万円もっているとします(税金や手数料は無視します)。同じ日に同じ資金で同じ銘柄を取引する場合、複数回の取引はできません。
〇 A銘柄(購入) → A銘柄(売却)
✖ A銘柄(購入) → A銘柄(売却) → A銘柄(購入)
(再度、A銘柄を購入することはできません)
同じように、前日に買ったA銘柄を当日に売却して、購入まではできますが、さらに売却はできません。
〇 A銘柄(売却) → A銘柄(購入)
✖ A銘柄(売却) → A銘柄(購入) → A銘柄(売却)
(再度、A銘柄を売却することはできません)
次にBという別の銘柄があったとします。これもA銘柄と同じく株価100円、100株で1万円です。A銘柄を売買した後に、B銘柄を売買することはできますが、再度A銘柄を売買することはできません。
〇 A銘柄(購入) → A 銘柄(売却) → B銘柄(購入) → B 銘柄(売却)
✖ A銘柄(購入) → A 銘柄(売却) → B銘柄(購入) → B 銘柄(売却) → A銘柄(購入)
(再度、A銘柄やB銘柄を購入することはできません)
これらの状態を回避するためには、資金をより多く用意する必要があります。 仮に1万円ではなく、倍の2万円持っていて、100株ずつの取引であれば、「A銘柄(購入)→A 銘柄(売却)」、「A銘柄(購入)→A 銘柄(売却)」と2往復することができます。これは、同一資金での取引ではないからです。
ちなみに、ネット証券で差金決済取引に関わるような取引をしようとすると、「差金決済取引に該当する可能性があります」という警告文が出たり、そもそも注文が出せないような作りになったりしているので、個人的には、そこまでナーバスになる必要はないのかなと思います。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。