デイトレード向け ネット証券会社の選び方
2005年頃からデイトレード(デイトレ)ブームが起こり、個人投資家のネット取引人口が急速に増えました。その頃から私あてにも、『デイトレードを始めたいのですが、どの証券会社がおすすめですか?』といったメールをいただくことが多くなりました。そこで、ここでは、デイトレード向けの証券会社の選び方という切り口で、使える証券会社を分析しました。
デイトレードをする際に重視しなければならないことは、大きく考えて2つあると思います。
1つ目は、「取引手数料」です。1日に何十回~何百回もトレードをしますから、手数料は安くしなければ利益を出すことはむずかしいでしょう。もう1つは、「リアルタイムに株価チェックできる便利ツール」があるか、です。デイトレードは、秒単位で株価が変動する世界なので、これも絶対に欠かせない要素です。
1.デイトレード向け証券会社<手数料チェック>
まず手数料からチェックしていきましょう!
株の手数料体系には、「①1回取引ごとに手数料がかかる」タイプと「②1日の取引合計に手数料がかかるタイプ(1日定額制)」の2種類があります。デイトレードに向いている方は、後者の②1日定額制です。理由はかんたんで、こまめに取引をする場合は、1日定額制のほうが手数料が安く済むからです。
例えば、SBI証券を例に出して、確認してみましょう。
10万円の株を5往復(10回取引)したとします。合計で100万円分の取引になります。SBI証券の場合、10万円までの取引は、1回ごとに99円(税込)です。一方、1日定額の場合、100万円分の取引は0円です。 両者を比較すると…
△ 【1回ごと】 990円(=99円×10回分)
◎ 【1日定額】 0円(100万円分の取引) ←1日定額制がデイトレにおすすめ!
差し引きすると、990円(=990円 -0円)1日定額のほうが安くなります。
このような手数料設計になっているので、デイトレードには1日定額が向いているのです。
それでは、1日定額の手数料を比較してみましょう!
順位 | 証券会社名 | 株式売買手数料(税込) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
~10万円 | ~20万円 | ~50万円 | ~100万円 | ~300万円 | ||
SBIネオトレード証券 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 1,540円 | |
SBI証券 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 1,691円 | |
GMOクリック証券 | ||||||
岡三オンライン | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 1,980円 | |
楽天証券 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 3,300円 | |
auカブコム証券 | ||||||
マネックス証券 | 550円 | 550円 | 550円 | 550円 | 2,750円 |
SBIネオトレード証券、SBI証券、GMOクリック証券、岡三オンライン、楽天証券、auカブコム証券の6社が、1日合計約定代金100万円まで手数料無料です。続いて、松井証券が1日合計約定代金50万円まで手数料無料です。単純に手数料を比較すると上表のようになりますが、デイトレーダーはほとんどの場合、上記の「現物取引」ではなく、「信用取引」を利用します(→信用取引向けネット証券)。なぜなら、①資金効率がよく、場合によっては②手数料が劇的に下がるからです。
資金効率がよいというのは、仮に「現金100万円持っていたら、300万円までの株取引ができるようになる」ように、金額面で取引枠が広がることと、もう一つは2013年の規制緩和によって、無制限に回転売買ができるようになったことです。この2点のメリットがあるので、ほとんどのデイトレーダーは信用取引を利用しています。
手数料は、下の表(信用取引の手数料)をご覧ください。特におすすめなのはSBI証券です。当日中に反対売買をおこなう「日計り信用」を使えば、約定金額にかかわらず、売買手数料・買建金利・貸株料がすべて無料になります。
証券会社名 | 信用取引手数料(税込) | 買建金利 (制度) |
貸株料 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
~20万円 | ~50万円 | ~100万円 | ~300万円 | |||
楽天証券 ★デイトレは 完全無料 |
無料 | 無料 | 無料 | 3,300円 (無料)※2 |
0%※2 | 0%※2 |
松井証券 ★デイトレは 完全無料 |
無料 | 無料 | 1,100円 (無料)※3 |
3,300円 (無料)※3 |
3.1% (0~1.8%)※4 |
1.15% (0~1.8%)※4 |
SBIネオトレード証券 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 2.30% | 1.10% |
マネックス証券 | 550円 | 550円 | 550円 | 2,750円 | 2.80%※5 | 1.15%※5 |
注)買い建ての金利、売り建て(空売り)の貸株料は、いずれも制度信用取引(6か月)の数値です。
信用取引自体は、持っているお金以上の取引ができてしまうのでリスクが高いイメージがあるかもしれませんが、株式市場が開いているうちに手仕舞えば(反対売買をする)、リスク管理もしやすいと思います。
2.デイトレード向け証券会社<ツールチェック>
次に取引ツールのチェックです。先ほども少し触れましたが、デイトレードは1秒を争う取引です。リアルタイムの株価の動きを把握できなければ、話になりませんので、手数料と同様に大変重要な要素です。それでは、ツールのチェックをしていきます!
・リアルタイムでの株価チェック(口座開設していれば無料で利用できます。)
HYPER SBI (提供:SBI証券) ![]() ![]() ![]() ![]() |
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SBI証券のHYPER SBIは、たくさんのデイトレーダーが利用しているツールです。Ver.2.0がリリースされ、ますます使いやすくなりました。 HYPER SBIは毎月550円(税込)の有料ツールですが、前月に1回以上取引をするなど、一定の条件を満たした場合は無料で利用できます。 |
マネックストレーダー (提供:マネックス証券) ![]() ![]() ![]() ![]() |
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マネックス証券のマネックストレーダーは、初心者でも使いやすいトレーディングツールです。(利用料は無料) 各フォルダに30銘柄ずつ登録できるので、一画面でたくさんの銘柄をチェックできます。また、板情報を見ながら「ダブルクリック注文」を使うことで、感覚的にスピーディーな取引ができるのも魅力です。その他、チャートの形で絞り込みができる「チャートフォリオ」が人気です。 |
ネット証券の取引ツールは、提供会社によってまちまちでで、1回説明文を読んだくらいでは、よくわからないと思います。実際にいろいろと試してみて、使い心地のよさを確認するのが、実は近道だと思います。自分のトレードにしっくりくるツールと、長くお付き合いしていきましょう。