1. ホーム
  2. テーマ株・関連株まとめ
  3. 【iPhone関連株・銘柄まとめ】日本のアップルサプライヤー企業はどこ?今後の見通しなどを解説(2024年版)

【iPhone関連株・銘柄まとめ】日本のアップルサプライヤー企業はどこ?今後の見通しなどを解説(2024年版)

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2024年9月26日

iPhone関連株は、「米アップル社製のスマートフォン『iPhone』の部品を提供する会社の株」です。

iPhone16が新たに発売(2024年9月20日)されて、気になっている方も多いのではないでしょうか。この記事では、iPhone関連株の今後の見通しや、関連銘柄10社をピックアップしてご紹介します。

iPhone関連株(アップルサプライヤー)と業績について

アップル社は優れた部品を世界中から選んでiPhoneやiPad(タブレット)を作っています。日本からは毎年数十社が部品調達先として指定されており、電子部品メーカーの村田製作所(6981)ソニーグループ(6758)などが代表的なサプライヤー(供給者)です。

iPhone関連株の業績は、中長期的には半導体(電子部品の一種)のサイクル※1に左右されます。短期的には、アップルの株価や業績、新作発表などがiPhone関連銘柄の株価に影響しています。

※1 半導体のサイクル(シリコンサイクル)は、3~4年ごとに半導体の好景気不景気が繰り返される現象のことです。2023年を底に回復が続いています。

新型iPhoneが発売されると、新しく加わった機能などが話題にのぼり、iPhone関連銘柄の注目度も高まるからです。2022年発売のiPhone14は「衛星通信」が、2023年のiPhone15は「 USB-Cコネクタ」などが、2024年のiPhone16は「生成AI(人工知能)」の新機能が関心を集めました。

生成AI機能『Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)』がそなわったiPhone16の登場で、アップル株は活気を取り戻しています。日本のiPhone関連株にも大いに期待したいですね。

iPhone関連株関連株・銘柄一覧

iPhone関連株をアップルサプライヤーリスト※2(2023)から業績の良い銘柄を中心に分野別にピックアップしました。

※2 アップルサプライヤーリストは、iPhoneやiPadの部品を提供する約200社の一覧です。アップル社が作り毎年更新しています。

コンデンサ

iPhoneに使われている積層セラミックコンデンサ※3を提供する村田製作所(6981)太陽誘電(6976)をご紹介します。

※3 積層セラミックコンデンサは、電気の流れをせき止めたり放出したする電子部品です。

半導体

スマートフォンのカメラ用センサーで知られるソニーグループ(6758)、半導体を作るルネサスエレクトロニクス(6723)ローム(6963)を取りあげました。アップルに半導体を供給する英アーム社の株価は、親会社のソフトバンクグループ(9984)の株価に大きな影響を与えています。

電池

スマートフォン向けのリチウムイオン蓄電池で世界首位のTDK(6762)をピックアップ。

そのほかの部品

デクセリアルズ(4980)はスマートフォンやカーナビのディスプレイ用の反射防止フィルムや樹脂を提供しています。フィルムタッチセンサー(タッチパネルの部品)はNISSHA(7915)の主力製品です。フジクラ(5803)はスマートフォンや車に使われるフレキシブル基板(やわらかい配線板)で世界屈指のシェアを誇ります。

銘柄名
クリックタップで最新株価)
事業内容
デクセリアルズ(4980) 電子材料部品と光学材料部品を製造・販売している。元ソニーグループ。スマートフォンを中心に、ノート型PC、タブレットや自動車向けに反射防止フィルムなどを提供する。
フジクラ(5803) 電線メーカー大手3社の一角。スマートフォンなどの電子機器向け小型フレキシブル基板がiPhoneにも使われている。AI・データセンター関連株としても注目を集める。
ルネサスエレクトロニクス(6723) 大手半導体メーカー。車載向けのマイコン(電気機器を制御する部品)で世界トップシェア。iPhoneに電源管理チップの納入実績を持つ英半導体大手のダイアログ社を2021年に買収した。
ソニーグループ(6758) 大手総合電機メーカー。ゲーム、音楽、音楽に強み、スマートフォンや車に使われるイメージセンサーで世界首位。iPhoneのカメラ用の画像センサーをグループ会社が供給している。
TDK(6762) 電子部品メーカー大手。子会社が携帯電話用リチウムイオン電池で世界トップシェア。iPhoneへの供給でも知られる。生成AI機能付きスマートフォンの本格普及を前に、大容量の小型蓄電池の開発を加速。
ローム(6963) 電子部品メーカー大手。SiC(炭化ケイ素)パワー半導体で国内トップシェア。スマートフォンなど小型機器向けのオペアンプと呼ばれるアナログ半導体の小型化(50%サイズダウン)に成功した。
太陽誘電(6976) 電子部品メーカー。積層セラミックコンデンサを車、通信機器、産業機器などに供給。スマートフォンには、電圧をコントロールするパワーインダクタや通信用部品も提供している。
村田製作所(6981) 電子部品メーカー大手。積層セラミックコンデンサで世界首位。スマートフォン向けに強み。iPhoneには極小タイプの先端品を提供している。アップルが進める脱炭素化のための基金に最大3,000万ドルを投資する方針。
NISSHA(7915) 産業用資材・部品、医療機器事業を展開。旧日本写真印刷。タブレットやスマートフォン向けのフィルムタッチセンサーが稼ぎ頭。今後は収益性の高い医療機器や自動車向けに力を入れる方針。
ソフトバンクグループ(9984) 投資事業を中心に携帯電話などの事業を展開する企業グループ。iPhoneに半導体を供給しているグループ傘下の英半導体設計会社のアーム社が、アップルと2040年以降まで技術提携を続ける契約を結んでいる。

iPhone関連株関連株・銘柄の見通し

iPhone関連株の見通しを「良い・普通・悪い」で表すと、「良い」と言えます。iPhoneは再び勢いを取りもどしつつあるからです。2023年にはスマートフォンの出荷台数の約2割を占め、世界首位に立ちました※4。AIの登場は、電子部品を手がけるiPhone関連銘柄の追い風となっています。

※4 参考:Apple Grabs the Top Spot in the Smartphone Market in 2023(IDC)

それでは、iPhone関連株のプラスとマイナス材料を見ていきましょう。

プラス材料

プラス材料を3つ紹介します。

①アップル社のサプライヤーとしてのメリット

売上が増えるだけでなく、会社や製品の信用力が高まります。海外にも社名が知られるので株価にもプラスです。

②生成AI機能の登場

生成AI機能付き端末への買替えが進み、iPhoneの出荷台数は改善される見込みです。AIの普及は、データセンターの特需をもたらすなど、フジクラ(5803)などのiPhone関連銘柄のそのほかの事業にもプラスです。

③世界のスマートフォン市場の回復

生成AI機能に対応する端末への買替えや新興国での購入が増え、世界市場は増加に転じる見込みです。特にアンドロイドOS※5を搭載した低価格のスマートフォンが台数を伸ばしています。

※5 OS(オペレーションシステム)は、スマートフォンを動かす基本システムです。世界のシェアはiOS(アップル社製)が3割弱、アンドロイド(グーグル社製)が約7割を占めています。

マイナス材料

マイナス材料も、3つ紹介します。

①製品の仕様変更や環境基準の強化

アップルは全サプライヤーに再生エネルギーを100%利用して部品を作るよう求めており、期限の2030年までに各社は対応を迫られます※6

※6 参考:Apple and global suppliers expand renewable energy to 13.7 gigawatts(Apple)

また、iPhoneのすべての製品に有機ELパネル(有機ELと呼ばれる発光体を使ったディスプレイ)を採用する方針が出ており、液晶パネルを提供してきたシャープ(6753)には打撃です。

②買い替え需要の読み方がむずかしい

世界の景気が減速しつつあるなか、生成AIだけではiPhoneを購入する理由として不十分との見方もあります。

③中国でのシェアが落ちている

米国に次ぐ最大のマーケットである中国の売上が伸び悩んでいます。iOSのライバルであるアンドロイドOSや中国製のOSを搭載したメーカーのシェアが増えているからです。AI搭載でiPhoneがどこまで巻き返せるか要注目です。

テーマ株・関連株の投資に役立つ、おすすめ証券会社

まとめ

iPhone関連株の業績は中長期的には半導体をはじめとする電子部品の景気に左右され、株価は短期的にはアップルの株価や業績、新作発表などのニュースに影響を受けます。

中国市場で苦戦が続くiPhoneですが、AIの登場で先行きは明るくなってきたと言えそうです。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

ページ上部へ移動