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【スマートデバイス関連株・銘柄まとめ】部品・製造メーカーや関連サービスの銘柄、今後の見通しなどを解説
スマートデバイス関連株は、「スマートデバイスと呼ばれるさまざまな形状の電子端末を作る会社や、関連サービスを提供する会社の株」です。
この記事では、スマートデバイス関連株の人気銘柄10社や今後の見通しなどを解説しています。
スマートデバイスとは
一般的には、通信機能を持ったPC(パソコン)以外の端末がスマートデバイスと呼ばれています。
スマートフォンやタブレットのほか、スマートウォッチ(腕時計型)やスマートグラス(メガネ型)などのウェアラブル端末※1、スマート家電などが代表的なスマートデバイスです。このほかドローンやスマートカー(自動運転車)、ネットワークでつないだ産業用機器やスマート工場などもスマートデバイスの仲間と言えます。
※1 ウェアラブル端末(ウェアラブルデバイス)は、ヒトが身に着けるために作られた電子機器です。
これらはまとめて IoT(Internet of Things:モノのインターネット)と称され、政府が目指す「超スマート社会※2」を構成するアイテムとしても話題を呼びました。
※2 超スマート社会は、IoTやAI(人工知能)の活用によって、すべての人にとって便利で快適な暮らしを実現する社会を意味します。政府が5年ごとに策定している科学技術基本計画(第5期:2016-2020年)で提唱された未来の社会のあるべき姿です。
スマートデバイス関連株・銘柄一覧
スマートデバイス関連株の多くは、IT(情報技術)などのテクノロジーを得意とする会社であり、主にグロース株(成長株)に分類されます。
平均を大きく上回るスピードで成長していくグロース株には、スマートデバイスの部品にも使われる半導体や精密機器などの業種の株が当てはまります。
その多くは、将来性が高いぶん株価が割高で配当が少ない(配当利回りが0~1%台)銘柄です。グロース株であるスマートデバイス関連株は配当よりも値上がり益をねらうべき銘柄と言えるでしょう。
スマートデバイスを作る会社
医療機器のテルモ(4543)、PC国内首位の日本電気(6701)、OA周辺機器メーカーのエレコム(6750)、ウェアラブル端末の開発をリードするソニーグループ(6758)、半導体設計のメガチップス(6875)、スマートフォン首位の米アップルの部品を作る村田製作所(6981)、電子端末の製造受託で国内トップのシークス(7613)をご紹介します。
関連サービスを提供する会社
通信会社のインターネットイニシアティブ(3774)とソフトバンク(9434)、モバイルバッテリー(携帯用充電器)サービスを展開するINFORICH(9338)をピックアップしました。日本電気(6701)にはスマートデバイスをネットワークでつなぐソフトウェアメーカーとしての活躍にも期待できます。
銘柄名 (クリックタップで最新株価) |
事業内容 |
---|---|
インターネットイニシアティブ(3774) | インターネット接続サービスを軸に、データセンターやIoTプラットフォームを提供する会社。PCやスマートデバイスをまとめて管理・制御できるサービスを会社向けに提供している。 |
テルモ(4543) | 医療機器メーカー大手。カテーテルや薬剤投与など医療用製品・サービスを幅広く提供する。スマートフォンで血糖値を管理できる測定器などの医療用スマートデバイスの商用化に実績を持つ。 |
日本電気(NEC)(6701) | 大手総合電機メーカー。ITサービスを中心に通信などのインフラ事業も手がける。PC国内トップシェア。PCやタブレットなどのスマートデバイスをまとめて管理できるシステムを提供。 |
エレコム(6750) | デジタル関連機器メーカー大手。2万点以上の製品をあつかう。各メーカーのタブレットやスマートウォッチに対応したアクセサリなども提供している。PC・モバイル関連の売上が5割弱。充電機器が好調。米国進出に意欲。累進的配当。 |
ソニーグループ(6758) | 大手総合電機メーカー。ゲーム、映画、音楽に強い。イメージセンサー世界首位。スマートフォンやタブレットのほか、次世代スマートグラスなどのウェアラブル端末を開発・販売している。 |
メガチップス(6875) | 半導体設計会社。高機能LSI(大規模集積回路)を中心とした設計をおこなうファブレスメーカー(自社工場を持たない)。データ収集・通信用のシステムLSIを中心にスマートフォン用センサーも手がける。 |
村田製作所(6981) | 電子部品大手。iPhoneなどのスマートフォン向けの部品を提供。無線通信モジュール、センサー、コンデンサの開発を通じてウェアラブルデバイスの小型・低消費電力化に貢献。 |
シークス(7613) | 国内最大手の電子機器の受託メーカー。EVや自動運転向けなどの車載用部品をメインに、デジタル家電や医療機器まで受託製造を広く手がける。顔認証端末などのIoT関連にも実績。高配当銘柄。 |
INFORICH(9338) | スマートフォン向けのモバイルバッテリーの貸出しが主な事業。充電できるスポットをコンビニやイベント会場、鉄道などに設置を広げている。香港、豪州に続きヨーロッパ、ベトナムにも進出計画。 |
ソフトバンク(9434) | 大手通信会社。スマートデバイスの職場への導入支援が事業のひとつ。スマートウォッチの利用者向けに『ウェアラブルデバイスモバイル通信サービス』を低価格で提供している。高配当銘柄。 |
スマートデバイス関連株・銘柄の見通し
スマートデバイス関連株の見通しを「良い・普通・悪い」で表すと、「良い」と言えます。
スマートデバイスは数、機能、種類が増え、超スマート社会の実現に向けて高い成長が見込まれているからです。スマートフォンのシェア縮小や撤退が続く日本のメーカーにとっては、挽回のチャンスです。
① 短期・中期の見通し(~2030年代)
スマートデバイスの短期・中期の見通しについて解説します。
1.スマートウェアラブルデバイス
スマートウェアラブルデバイス市場は2023年の649億米ドルから年率19.7%で拡大し、2036年末までに5,287億米ドル※3に達する見込みです。
※3 参考:スマートウェアラブルデバイス市場調査、規模、傾向のハイライト(Research Nester)
スマートウォッチなどの各種端末の普及が進み、日本では特に医療・介護向けが有望と見られています。テルモ(4543)などに期待がかかります。
2.スマート家電
スマート家電市場は2023年の372億米ドルから年率17.2%のペースで成長し、2032年までに965億米ドル※4となる見込みです。
※4 参考:Smart Appliances Market Research Report Information(Market Research Future)
3.スマートフォン
スマートフォン市場は2023年の5,092億米ドルから年率6.23%で成長し、2030年までに7,775億万米ドル※5に達します。
※5 参考:Global Smartphone Market(Renub Research)
AI(人工知能)機能付きの端末への買い替え需要は、シャープ(6753)とソニーグループ(6758)の国内メーカー2社にもプラスです。
② 長期の見通し(2030年~2050年代)
スマートデバイスの長期の見通しについて解説します。
スマートデバイスの数や種類が増えていくと、最終的には会社や工場、家、街、交通、運輸など社会全体をインターネットを通じて管理し、エコで最適な環境を作ることが可能になります。
このような超スマート社会を作る『スマートシティプロジェクト※6』に日立製作所(6501)や日本電気(6701)、ハウスメーカーなどが参加しています。
※6 スマートシティプロジェクトとは、スマートシティの構築や展開に向けて、都市の魅力を5つの層で定義し、参加企業のソリューションを活用して「都市の魅力をパッケージ化」した提案をおこなうプロジェクトです。
超スマート社会の実現が近づくにつれて、スマートデバイスをネットワークでつないで動かすソフトウェアの役割がますます重要となります。米中対立を背景に自国や同盟国から製品やサービスを調達するここ数年の傾向は、NTTデータグループ(9613)、富士通(6702)といったソフトウェア開発を手がける各社に追い風です。
スマートデバイスは、やがて関連銘柄のビジネスを超えて社会全体を支える存在となっていくでしょう。超スマート社会の到来を楽しみに待ちたいですね。
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まとめ
高い成長が期待されているスマートデバイス関連株は将来有望と言えます。
ただし、大きな会社にとってはスマートデバイスは数ある製品や事業のひとつです。経営効率の向上などを理由にスマートフォンの製造から国内メーカーの撤退が相次いでいる点を頭に入れておきましょう。
スマートデバイス関連は、超スマート社会の実現につながる息の長い壮大なテーマです。スマートデバイスの充実と、それらをつなぐソフトウェア技術の進展に日本の会社の活躍を期待したいですね。