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【アウトドア関連株・銘柄まとめ】登山ブームとインバウンド好調で再注目!モンベルなど人気ブランドの見通しも解説
アウトドア関連株とは、アウトドア(屋外)で楽しむレジャーやスポーツにかかわる会社の株です。具体的には、米国のアウトドアブランド『ザ・ノース・フェイス』の衣料をライセンス生産するゴールドウイン(8111)などが挙げられます。
そのほか、有名どころとして『モンベル』や『スノーピーク』が挙げられますが、『モンベル』の運営企業は非上場、『スノーピーク』は2024年に株式が非公開化されました。
ここでは、アウトドア・スポーツ用品メーカーからゴルフ・スキー場を運営する銘柄まで、幅広くご紹介しています。今後の見通しもわかりやすく解説していますので、ぜひ銘柄探しの参考にしてください。
アウトドア関連株が再注目されている理由
コロナ禍では、人込みを避けられるとしてキャンプなどの野外活動が人気となり、関連銘柄も注目を集めました。そして今、再びアウトドア関連株に関心が寄せられています。
インバウンド(外国人観光客)
円安を追い風にインバウンドが好調です。地方の自然やスキー・雪を楽しむ外国人観光客が増えています。外国人観光客に『ザ・ノース・フェイス』の衣料が人気です。
日本人選手が海外で活躍
米メジャーリーグの大谷選手などの活躍は、関連銘柄にもプラスです。野球用品のゼット(8135)は、海外の日本人選手の影響で国内の売上が伸びていると報告しています。
アスレジャー志向
アウトドア・スポーツウェアを街着として取り入れるライフスタイル「アスレジャー」が若い世代に広がっています。期待の成長分野です。
トレッキング・登山ブーム
登山は中高年層や外国人観光客からの人気が続いています。
下のチャートは、「出生年別「登山・ハイキング」の行動者率(平成8年、23年)」を表したものです。平成23年のデータを確認すると、登山・ハイキングに出かけている人のうち、60~64歳と65~69歳の割合が高いことが読み取れます。
出典:統計局 | 統計トピックスNo.96/登山・ハイキングを行った人の状況
アウトドア関連株・銘柄一覧
アウトドア関連株には、今後も安定的な成長が期待できそうです。中高年の体力づくり・健康志向に加えて、インバウンドやスポーツブームが関連会社の業績を支えるでしょう。
『ザ・ノース・フェイス』や『マーモット』などの海外の有名アウトドアブランドには、日本の会社は主に輸入やライセンス生産で関わっています。国内アウトドア大手のモンベルは非上場です。スノーピークはかつて上場していましたが、2024年に株式非公開化しました。
ここでは、アウトドア・スポーツ用品の上場メーカーを中心に取り上げました。
シューズ(靴)
競技用シューズのアシックス(7936)と、インバウンドに人気のエービーシー・マート(2670)をご紹介します。
ウェア
ゴールドウイン(8111)は、『ザ・ノース・フェイス』や『マックパック』など海外ブランドの衣料やキャンプ用品を販売しています。作業用品チェーンのワークマン(7564)は、アウトドアレジャー向けの機能性ウェアやキャンプ用品を扱っています。
スポーツ専門用品
バドミントン用品で知られるヨネックス(7906)、釣り具メーカー世界的大手のグローブライド(7990)、野球用品のゼット(8135)、自転車部品のシマノ(7309)、ゴルフ・アウトドア用品のアルペン(3028)を取りあげました。
リゾート
日本スキー場開発(6040)は、インバウンド人気が続く白馬村(長野県)などでスキー場を運営しています。
| 銘柄名 (クリックタップで最新株価) |
事業内容 |
|---|---|
| アシックス (7936) |
シューズメーカー大手。ランニング、テニスなどの競技用シューズを中心に、スポーツウェアも展開。海外売上比率は約8割。欧州と中国で約4割、北米2割。米国の関税には出荷の前倒しで対応済。アジアで知名度が高い『オニツカタイガー』ブランドがインバウンドに人気。 |
| エービーシー・マート (2670) |
シューズ販売会社。シューズ店『ABC-MART SPORTS』などを全国に展開。海外売上比率は約3割。韓国を中心に台湾、米国にも進出。インバウンド需要が好調を維持。 |
| ゴールドウイン (8111) |
アウトドア・スポーツウェアメーカー。『ザ・ノース・フェイス』のライセンス生産品が売上の約8割を占める。自社ブランドも展開。インバウンドの売上比率は25.5%(2025年3月期)。 |
| ワークマン (7564) |
作業服・作業関連用品の大型専門店チェーン。全国に1,000店舗以上をチェーン展開。作業用が売上の約6割を占める。アウトドア・スポーツ・カジュアルウェアに特化した店舗の出店・転換を加速する方針。 |
| ヨネックス (7906) |
スポーツ用品メーカー。世界トップシェアのバトミントン用品を中心に、テニス、ゴルフ、スノーボード用品などを提供している。海外売上比率は約6割。米国、欧州は各1割未満でアジア地域が約4割強を占める。 |
| グローブライド (7990) |
『DAIWA(ダイワ)』で知られる大手釣り具メーカー。ゴルフ、テニス、サイクルスポーツ用品などの製造・販売もおこなう。海外売上比率は5割弱。米国、欧州は各1割。アジア・オセアニアが約2割。 |
| ゼット (8135) |
スポーツ用品メーカー。野球用品で知名度の高い『ZETT(ゼット)』ブランドを中心に、『コンバース』のバスケットボールシューズやウェアなどを展開。アウトドア用品に強いミヤコ・スポーツと資本業務提携について合意した。 |
| シマノ (7309) |
自転車部品メーカー大手。釣り具、ロウイング(ボート競技)関連用品も手がける。海外売上比率は約9割。米国は約1割で、アジア、欧州市場に強い。自転車通勤が増えたコロナ禍に注目を集めた銘柄。 |
| アルペン (3028) |
スポーツ・アウトドア用品店チェーン。全国に約400店舗のスポーツ、アウトドア、ゴルフ専門店を展開。『IGNIO(イグニオ)』などの自社ブランドを確立。ゴルフ場やスキー場、宿泊施設、スポーツジムの運営もおこなう。 |
| 日本スキー場開発 (6040) |
スキー場運営会社。菅平高原(長野県) や白馬村(長野県)などにスキー場を展開している。日本駐車場開発(2353)の子会社であり、親子上場※1銘柄。インバウンドが追い風。 |
※1 親会社と子会社が両方上場している状態。親子上場の解消が発表されると子会社の株が値上がりすることが多い。
アウトドア関連株・銘柄の見通し
アウトドア関連株の見通しを「良い・普通・悪い」で表すと、「良い」と考えられます。矢野経済研究所によれば、2025年のスポーツ用品市場は前年比で4.2%拡大し、1兆7,442億円に達する予想です。このうちアウトドア用品は全体の約2割を占める3,579億円で、前年比で5.8%増える見込みです。
それでは、一覧に挙げていない銘柄を交えつつ、アウトドア・スポーツ関連の成長の背景を少し探ってみましょう。
① アウトドア・スポーツ用品
アウトドア・スポーツ用品関連株は、下記2点から注目されています。
アウトドア・スポーツ用品関連株の注目ポイント
- ファッション化・アスレジャー志向
- 海外進出
それぞれ見ていきましょう。
ファッション化・アスレジャー志向
アウトドア・スポーツ用衣料は、着やすく軽く丈夫な製品が多く、流行に左右されにくいので、中高年が日常着として活用してきました。その習慣を若者が取り入れ、新しいライフスタイル「アスレジャー」として広がっています。
たとえば、作業服チェーンのワークマン(7564)は、ファッション衣料店『ワークマンプラス』や『ワークマン女子』を積極展開しています。
ゴールドウイン(8111)は、『ザ・ノース・フェイス』のインバウンド向けカジュアル衣料に力を入れています。ただし、2026年11月からの免税制度の見直し(「リファンド方式」への変更)※2は、インバウンドの売上にマイナスです。
※2 免税制度が見直され、出国時に観光客に商品を渡す「リファンド方式」に変わります。出国前の転売を防ぐためです。
出典:財務省 | 3 消費課税 外国人旅行者向け免税制度の見直し
アウトドア・スポーツブランド衣料は中古品でも価値が落ちにくく、多くの量が流通しています。中古販売チェーンのトレジャー・ファクトリー(3093)やゲオホールディングス(2681)でも、アウトドア・スポーツブランド衣料はアスレジャー志向の若い世代に人気のアイテムです。
海外進出
少子化を背景に、競技用スポーツ用品メーカーは大手を中心に海外展開に積極的です。代表格の美津濃[ミズノ](8022)は、海外売上比率を2024年度の39%から引き上げ、2027年度までに45%を目指す方針です。
② リゾート
平和(6412)は、パチンコ機器メーカーでありながら、世界最多のゴルフ場を保有しています。リソルホールディングス(5261)は、ホテルやゴルフ場を運営しています。野外体験活動と宿泊、スポーツを組み合わせたアウトドアツーリズムがインバウンドにも人気です。
新しいところでは、手ぶらで行ける豪華なキャンプ「グランピング」が注目されています。2025年2月に上場したブッキングリゾート(324A)は、グランピング施設の予約サイトの運営会社です。
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まとめ
中高年層の健康志向や登山ブームに始まったアウトドア人気は、関連銘柄の業績を支えてきました。
コロナ禍のアウトドアブームを経て、アウトドア関連株がいま改めて見直されています。外国人観光客の買い物パワー(購買力)に加えて、アウトドア・スポーツブランドを普段着に取り入れるライフスタイル「アスレジャー」が若者を中心に広がっているからです。
野球の大谷選手やサッカーの三苫(みとま)選手などの日本人アスリートの活躍も、「アスレジャー」の明るいイメージを後押ししていると言えるでしょう。
アウトドア・スポーツ関連会社の新しい商品開発や海外展開、そして日本人選手の活躍に、これからも注目していきたいですね。







