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【Individual Investors1on1】ブロードエンタープライズ/BRO-ROOMのブルーオーシャン戦略とは?(後編)
ブロードエンタープライズ(4415)の中西社長と、個人投資家まことん様の質疑応答をIRTV※1で公開しています。
※1 IRTVとは、IR Robotics社が運営する“投資家と企業をつなぐ上場企業のIR動画メディア”です。決算情報から事業モデル・経営戦略・成長可能性まで、トップ自らがわかりやすく、かつタイムリーに解説しています。
この記事は、IRTVの動画内容を書き起こししたものです。動画の内容を文字で確認したいときに、ぜひご活用ください!なお、今回はブロードエンタープライズの中西社長と個人投資家まことん様の対談動画の後編です。前編では会社概要や中期経営計画について話しているので、前編の記事もセットでご覧ください。
(出典:IRTV for YouTube)
BRO-ROOMの概要
まことん様 : BRO-ROOMについて質問です。BRO-ROOMでは“IoTに関わるリノベーションをおこなう”という点は認識しているのですが、具体的にどのようなことをやるのかはイメージがつきません。インターホンはイメージしやすいのですが、それ以外にどのような設備をリノベーションするのでしょうか。
また、BRO-ROOMはB-CUBIC Nextよりもお金の幅が広がるイメージですが、具体的にどのような設備投資をおこなわれるのかを教えてください。
中西様 : BRO-ROOMのサービス概要についてお話しします。例えば、築20年~50年といった古いお部屋で、3点ユニットと呼ばれる不人気設備(お風呂・トイレ・洗面器が一緒になった設備)が付いている場合、なかなか入居者付け※2できないため、リノベーションをおこなうことになります。
※2 入居者付けとは、マンションなどの空室に入居者を入れることを指します。
そもそも我々は、インターネットサービスを提供している会社です。弊社サービスを導入していただいている部屋には、Wi-Fiの電波が飛んでいます。このため、ホームIoTを導入し、遠隔操作で電気を点けたり消したり、調光したりできます。また、エアコンなどもWi-Fiとつながっているので、夏であれば駅から降りた際にクーラーを入れて、自宅に着いたときには部屋が涼しくなっているということも可能です。
このように、ホームIoTによって物件の付加価値を上げることができます。しかし、先ほどの3点ユニットが付いている部屋にホームIoTを入れても、そもそも部屋自体の人気がありません。そこで「ホームIoT+リノベーション」を提供するために、BRO-ROOMができました。
具体的には、例えば3点ユニットのお風呂とトイレを別にしたり、システムキッチンに変えたり、デザインクロスへの張り替え、フローリングの張り替え、ドアの造作などです。このほかにも、16平米の小さい部屋が2つ付いている物件がありました。1つの部屋が小さいために、入居する人が少なかったので、部屋をぶち抜いて30平米の1LDKにするなど、間取り変更を含めたリノベーションもおこなっています。
<BRO-ROOMの概要①>
(出典:IRTV for YouTube)
まことん様 : ホームIoTの部分だけは貴社が支払って、それ以外のリノベーションは、他の建築会社が取っていくようなイメージでいましたが、IoTを含めたリノベーション全体でかかった費用を0円プランとして売り出すイメージでしょうか。
<BRO-ROOMの概要②>
(出典:IRTV for YouTube)
中西様 : おっしゃるとおりですね。冒頭で申し上げたように、BRO-ROOMがなぜブルーオーシャンなのかという話をします。例えば、賃貸マンションの空室対策をどうするかというときに、リノベーションはあたり前の話ですよね。
ホームIoTも今はAmazonで手軽に買えます。その中で、1円の家賃収入も生み出していない空室部屋をリノベーションするとなると、1室あたり数百万円かかります。その費用を誰が出すのかという話になりますが、当然、マンションのオーナー様です。
例えば、ワンルームマンションで300万円のリノベーション工事をします。3点ユニットの間取りなら、マンションの場合、他の部屋も同じような間取りなので、1部屋空いていれば10部屋空いていることも普通にあるわけですね。
そうなると、300万円×10室=3,000万円のリノベーション費用がかかります。この3,000万円をキャッシュで用意しなければなりませんが、マンション経営がうまくいっていないと、アパートローンが通りにくいのです。そのため、手つかずの空室状態が続くという問題がありました。
ブルーオーシャンの部分とは、リノベーション費用を我々が立て替えるところですね。ここが世の中にないサービスという意味で、ブルーオーシャンという話をさせてもらいました。
まことん様 : 言っている意味がようやく理解できました。それだったら、ブルーオーシャンという気がします。
まことん氏が考えるBRO-ROOMの懸念点
まことん様 : BRO-ROOMのコスト回収はどうなさるのでしょうか。初期費用導入0円プランの中で、B-CUBIC Nextの場合は6年間で回収することがわかりますが、BRO-ROOMの場合、何年でコストを回収するイメージなのでしょうか。
中西様 : 基本的に10年ですね。
まことん様 : 10年で按分する形で、今後進んでいくイメージでしょうか。
中西様 : そのとおりです。
まことん様 : 気になるのは、B-CUBIC Nextの場合、「お金を支払わないとインターネットを止める」という強い権利がありますよね。それに対して、BRO-ROOMの場合、仮にお金が返ってこなかったらどうしますか。
中西様 : 基本的にBRO-ROOMは「IoT+リノベーション」の事業であり、IoTを動かすのはインターネットです。つまり、BRO-ROOMはB-CUBIC Nextとセットで販売します。
<まことん氏が考えるBRO-ROOMの懸念点>
(出典:IRTV for YouTube)
中西様 : 我々としても投資資金の回収がすべてなので、1つはB-CUBIC Nextを同時に導入して、支払いが滞った場合、インターネットを止めさせていただきます。そうすれば、入居者様がインターネットを使えなくなるので、クレームが起こってすぐに払ってもらえる流れができるのです。
もう1つは、もし家賃の支払いが止まった場合、当社指定のサブリース会社に入ってもらえるので、サブリース会社が入居者様の家賃を直接抑えて我々に入金するスキームとなります。
あとは、サブリース会社が入らない場合も、賃貸の管理会社が入居者様の家賃を回収して、我々に支払っていただく契約になっているので、「この手がダメならこの手」と対策しています。
まことん様 : よくわかりました。では、B-CUBIC Nextのサービスを利用しているお客さんの中から、「BRO-ROOMもいかがですか」という営業手法になるのでしょうか。
中西様 : それに加えて、新規顧客にもB-CUBIC NextとBRO-ROOMのセットで販売しています。
BRO-ROOMの営業見込み
まことん様 : BRO-ROOMの営業見込みはどれくらいあるのでしょうか。今のB-CUBICシリーズを使っているお客さんの中で、BRO-ROOMも導入したいお客さんの割合といいますか、手応えはどうでしょうか。
中西様 : 最近の営業の現場の受注の報告を聞いていると、ありがたいことに「B-CUBIC Nextを導入して満室になった」、「空室がない」などのお声があります。一方、人気のないお部屋になると、先ほど申し上げたとおり、10室~20室が空室のまま放置されている物件もあるので、現在受注している状況です。
なぜBRO-ROOMに振り切っていきたいかというと、B-CUBIC Nextの平均売上単価は大体100万円です。一方、BRO-ROOMの場合は300万×10室=3,000万円です。
受注の母数自体がまだ少ないので、必ず3,000万円の売上になるわけではないですが、複数のお部屋から受注になるパターンが圧倒的に多いため、例えば、1契約あたり2,000万円~3,000万円となります。我々も限られたリソース・人員で営業しているので、リソースを効率よく分配するには、トップライン※3として、実はB-CUBIC NextよりもBRO-ROOMのほうが伸びやすいのです。
※3 トップラインとは、売上高のことを指します
<BRO-ROOMの営業見込み>
(出典:IRTV for YouTube)
まことん様 : うまくいくとおもしろそうだというイメージがつきました。次に、債権流動化については、やはりBRO-ROOMも対象ですよね。
中西様 : そのとおりです。我々の事業自体は、すべての債権の流動化を前提にしているので、オーナー様にも「初期費用0円でさまざまなサービス導入できますよ」というのが、当社の売りとなります。
まことん様 : 流動化が止まると、次の成長に行けませんからね。このあたりのスピード感が重要です。
中西様 : 我々も銀行との折衝※4の数を増やして、リスクヘッジも考えながら動いています。
※4 銀行折衝とは、企業と銀行のやり取り、または取引行為を指します。
まことん様 : わかりました。
株式分割の意図
まことん様 : 株式分割の判断について質問します。2023年10月に株式分割をされましたが、賛否が分かれるところですよね。今回のように流動性を増やしたい会社にとってはかなり強い行動になりますが、逆に、半分売って利益確定をする投資家が増える傾向です。
コロナ禍で流動性がだんだんなくなり、株価が下がっていく状況を結構見てきたので、この辺りの判断はどのようにされましたか。
中西様 : 当社では、流動性向上や出来高もそうですが、分割して買いやすくし、株式数も多いほうが良いと判断しました。おっしゃるとおり、100株が200株になるので、半分を売却する方もいらっしゃいます。
加えて、株主優待の内容を変更し、100株と200株の株主優待(株式分割後)を新設しました。また、株式分割前は200株以上保有の株主様に株主優待を用意しており、継続して保有していただいている場合、株式分割後は400株に増えます。以前から投資していただいている株主様のことも考慮し、400株の株主優待も用意しています。ちなみに、宝くじは人気がなかったのでやめて、QUOカードに変更しました。
まことん様 : 人気ではQUOカードに勝てませんからね。
中西様 : 具体的には、100株で1,500円相当、200株で2,000円相当、400株で3,000円相当のQUOカードとなります。
100株 | 1,500円相当 |
---|---|
200株 | 2,000円相当 |
400株 | 3,000円相当 |
まことん様 : ちょうど良い感じなので、注目されるでしょう。
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- ブロードエンタープライズ(4415)の株主優待&配当(グループサイト 楽しい株主優待&配当)
中西代表のYouTube発信について
まことん様 : 続いて、中西社長のYouTubeチャンネルについて質問します。なぜ開設したのでしょうか。
中西様 : BtoB※5のためという理由もあるのですが、とにかく地味な会社と社長であり、世間に知ってもらえず、出来高もなかなか作れていない状態です。なんとか表に出て、露出を増やすという涙ぐましい努力です。
※5 BtoB(ビートゥービー)とは、Business to Businessの略で、一般消費者ではなく企業向けのアプローチを指します。
<中西代表のYouTube発信について>
(出典:IRTV for YouTube)
まことん様 : 宝くじの企画なども、見てもらうために動画を撮ったのかなと推察しています。知恵を絞って動画を企画されているのがとてもおもしろいです。興味を持っている方は、ぜひ中西社長のYouTubeチャンネルをフォローしてみてください。私もフォローしました。
中西様 : 切に願っております。ぜひよろしくお願いします。
まことん様 : YouTubeチャンネルを持っている社長は多くありません。前の動画で、他の社長とコラボしたいというお話がありましたが、どのような感じの社長とコラボしたいのでしょうか。
中西様 : 上場してちょうど2年経つので、上場企業の社長の知り合いも結構増えています。いろいろな上場企業の社長とコラボしてもおもしろいのではないでしょうか。
まことん様 : IRの活動は、投資家だけが見ているものではなくて、社員や関連会社の人もよく見ていきます。そういうところで、社長が会社の話をするのはすごく重要なことなので、ぜひ他の会社も中西社長の活動を見習ってほしいところです。
中西様 : 最近はTikTokなどでショート動画もはじめました。「私の美声シリーズ」というショート動画があるので、ぜひ聞いてみてください。
まことん様 : ぜひフォローして、みなさんにも聞いていただきたいところです。
人的資本の開示について
まことん様 : 社長のYouTubeは和気あいあいとした感じがある中、女性が入ってきているなと感じました。貴社の男女比率はどうでしょうか。
中西様 : 現状、男性社員86人、女性社員46人で、女性比率は大体35%です。
<人的資本の開示について>
(出典:IRTV for YouTube)
まことん様 : 割と女性が多い印象で良いですね。人的資本の開示をされないのでしょうか。利益に直接関係なくても開示したほうが良い資料もあり、中でも人的資本の開示は今風で良いのではないかと思います。
中西様 : 現在、準備を進めています。
まことん様 : 開示したほうがウケはよくなるので、よろしくお願いします。
中西様 : はい、ありがとうございます。
最後に
IRTV : 中西社長、まことん様、ありがとうございました。
中西様 : ありがとうございました。
まことん様 : ありがとうございました。
IRTV : 1on1対談として、私も楽しく、興味深く聞かせていただきました。まことん様もかみ砕いて質問され、中西社長にもわかりやすく回答してもらいました。視聴者である投資家の方にとっても、会社をより深く理解してもらえるコンテンツになりました。ありがとうございます。まことんから全体を通してご感想はありますか。
まことん様 : ブロードエンタープライズ(4415)はIRTVをはじめ、積極的にIR活動をおこなっている企業ですよね。先ほども言いましたけど、中西社長のYouTubeチャンネルはぜひ見てみてください。
私自身も中計などを見て判断したいと考えていますが、今後3カ年でこの企業がどのように成長していくかを一番最初から見られるのは、とても貴重です。もし仮に経営状態が悪くなっても、説明会などを開いたときに「こういうことがあって、やはりこうでした」のように、失敗談や成功談や聞ける機会になるので、投資家としても良い体験になります。特に来年からの3カ年は注目して良いのではと感じました。
IRTV : ありがとうございます。個人投資家との1on1はあまりない機会でしたが、中西社長はいかがでしょうか。
中西様 : まことん様、ありがとうございました。今回は、よくあるご質問ではなく、本当に弊社のことをよく調べた上で、すごく向き合ってくれている質問内容ばかりでした。
<最後に>
(出典:IRTV for YouTube)
中西様 : ご覧いただいている投資家のみなさまにも、「まさにそれを知りたかった」のように、刺さる質問をしてもらえたのではないでしょうか。我々としても、普段なら気づかない部分をご質問いただき、とても勉強になりました。
IRTV : ありがとうございます。では、投資家のみなさんもブロードエンタープライズにぜひ注目してみてください。高評価、質問コメントなどがあればお待ちしております。では、中西社長、まことん様、ありがとうございました。
中西様 : ありがとうございました。
まことん様 : ありがとうございました。
IRTVをチェック!
IRTVでは、このほかにも上場企業の経営者との対談動画をアップしています。企業の事業内容はもちろん、今後の成長戦略を読み解くヒントがたくさん散りばめられているので、個人投資家のみなさまにぜひご覧いただきたいメディアです!
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