【うるる】2023年3月期通期決算を取締役の近藤様に取材!投資の手応えや株主優待の設定理由などをお聞きしました
(うるる 2023年3月期決算説明資料)
やさしい株のはじめ方編集部の“にしけい”が、入札※1情報速報サービス「NJSS(エヌジェス)」などのSaaSサービスを提供するうるる(3979)(以下、うるる社)に突撃取材しました!
※1 入札とは、国や地方自治体などの公的機関が民間企業に向けて業務を発注する際の制度です。公的機関が業務を発注する場合、その財源は税金によってまかなわれます。したがって、より良いものをより安く調達する必要があるのです。このため、不特定多数の参加者を募り、公的機関にとって最も有利な条件を提示した企業と契約を結びます。
今回も、同社の取締役CFOを務め、Twitterを活用した積極的なIR活動に取り組まれている近藤様に、2023年3月期通期決算の内容や広告宣伝投資の手応え、株主優待の設定理由をお聞きしました。
この記事では、株初心者の方がうるる社の最新決算への理解を深められるよう、わかりやすい言葉でていねいに解説します。ぜひ最後まで読んでくださいね。
2023年3月期通期決算の概要をわかりやすく解説
うるる(3979)の最新決算(2023年3月期通期決算)の概要を解説していきます。最新決算をチェックする際の参考にしてくださいね。
2023年3月期通期決算の注目ポイント
2023年3月期通期決算の注目ポイントは、下記の2つです。
注目ポイント
- 通期業績は予想どおり着地した
- NJSS(エヌジェス)※2が大きく成長した
※2 「NJSS(エヌジェス)」は、全国の官公庁・自治体・外郭団体の入札情報を一括検索・管理できるサービスです。
それぞれ説明していきます。
通期業績は予想どおり着地
予想どおりの着地になりました。下のスライドをご覧ください。
近藤様
売上高は予想どおりで、EBITDA※3は0.5億円の予想に対して1.0億円となりました。第4四半期に広告宣伝等を積極的におこないましたが、その他の費用が想定よりも掛からなかったためです。このため、営業利益もプラスで着地しています。
近藤様
※3 EBITDA(イービットディーエー、イービットダー、イービッター)とは、「Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization」の略で、「法人税や利息、減価償却費の影響を排除した利益」です。このような費用を排除する理由は、国や会社によって差があるためです。会社が持つ本来の収益力を見るために、このような指標が用意されています。
また、営業利益の増減分析のスライドでは、事業別の内訳を開示しています。下のスライドをご覧ください。
近藤様
弊社のメイン事業であるNJSSの売上増加が、営業利益の増加に最も寄与しました。
近藤様
にしけい
ご説明ありがとうございます!費用についてはどうでしょうか?
費用項目のうち、弊社でコントロールできるのが「広告宣伝費」です。積極的に投資をおこなった関係で、前年比で1.63億円増加しました。一方、システム関連委託費は前年比で0.83億円減少しています。システム関連の投資は一巡したため、前期(2023年3月期)から削っている状況です。
近藤様
にしけい
一時費用には何が含まれていますか?
ここには、徳島や大分のセンター設立の費用と数百万円程度のM&A関連費用が含まれています。
近藤様
にしけい
ありがとうございます!御社の費用について理解が深まりました。
NJSSが大きく成長
にしけい
2023年3月期決算では、NJSSの有料契約件数が大きく伸びていますよね!
ありがとうございます。前年同期比+21.6%と高い成長率を維持できています。増加件数ベースは前年同期比+1,018件と、過去最高を記録しました。
近藤様
| 有料契約件数の増加件数 | 有料契約件数の増加率 | |
|---|---|---|
| 2020年3月期 | +254件 | +8.39% |
| 2021年3月期 | +678件 | +20.66% |
| 2022年3月期 | +744件 | +18.79% |
| 2023年3月期 | +1,018件 | +21.64% |
にしけい
2023年3月期は、増加件数と増加率のどちらも大きく成長しました。今後もこのペースで成長させられるかに注目ですね。
そうですね。なお、足もとではNJSSだけでなくBPOも好調です。これは、電子帳簿保存法改正やインボイス制度に対応するためのSaaSプロダクトを各企業が提供していますが、そのプロダクト利用の過程で生じるスキャン需要が高まっているためです。このため、2024年3月期の売上高予想を60億円に引き上げました。
近藤様
最新決算で気になったこと
2023年3月期決算で気になったことは、下の2点です。
最新決算で気になったこと
- 新サービス「GoSTEP(ゴーステップ)」の概要
- 第4四半期に実施した「fondesk(フォンデスク)※4」の広告宣伝投資の手応え
※4 「fondesk(フォンデスク)」とは、月額1万円から使える電話代行サービスです。
それぞれ近藤様にお聞きしました。
新サービス「GoSTEP」の概要
2023年3月から、NJSSに関連するサービスとして「GoSTEP(ゴーステップ)」がリリースされました。
にしけい
GoSTEPのサービスについて、かんたんにご説明をお願いします!
わかりました。GoSTEPは「自治体・官公庁の予算の情報」を集めて、データベースとして提供するサービスです。
近藤様
にしけい
NJSSが扱う入札情報のひとつ前の段階の情報を集めているわけですね!
そうなります。このため、基本的にはNJSSの顧客がGoSTEPの対象顧客です。例えば、規模の大きな企業や自治体の予算の情報を見て提案をおこなうコンサルティング企業やSIer(エスアイヤー)※5などがメインの顧客となりえます。
※5 SIer(エスアイヤー)とは、「System Integrator(システムインテグレーター)」の略語です。顧客の要望に合わせて、システムの設計と運用、コンサルティングなどを請け負う企業を指します。
近藤様
にしけい
3月にリリースしたばかりですが、顧客の反応はいかがですか?
初月で数件の契約が取れました。これが徐々に増えていけば、NJSSのARPU※6を引き上げる要因になっていきそうです。
近藤様
※6 ARPUとは、「Average Revenue Per User」の略です。日本語では「1ユーザーあたりの平均売上」となります。
にしけい
なるほど!アップセル商材として、今後が楽しみですね!ところで…GoSTEPもNJSSと同じく自治体や官公庁の情報プラットフォームです。情報収集は、人力でやられているのでしょうか?
そのとおりです。NJSSと同じく、人力とウェブクローラーを使って情報を集めています。
近藤様
にしけい
御社の強みが活きますね!NJSSの場合は買収したnSearchが競合だったかと思いますが、GoSTEPにも競合はいるのでしょうか?
小さいところで類似サービスを展開している企業があるかもしれませんが…目立つところはありませんね。
近藤様
第4四半期に実施した「fondesk」の広告宣伝投資の手応え
fondeskでは、2023年3月期第4四半期にTVCMとタクシー広告を使った広告宣伝をおこないました。その結果、第4四半期のEBITDAは大きくマイナスとなっています。
にしけい
広告宣伝の手応えはいかがでしたか?
広告宣伝の成果としては、予想どおりにうまく行ったと捉えています。
近藤様
にしけい
第4四半期の売上高としては、前四半期比でそれほど伸びていない気がするのですが、どういう点で予想どおりだったのでしょうか?
今回の目的は、足もとの売上高を伸ばすためではなく、ブランディングや認知度向上が目的でした。fondeskはBtoB※7の商材であり、いままで世の中に知られていなかったサービスだからです。この点で、TVCMやタクシー広告に投資したことで、fondeskのブランド認知度が高まったと感じています。
近藤様
※7 BtoBとは、「Business to Business」の略です。企業が企業に対して、モノやサービスを提供するビジネスを指します。toを「2」で表し、「B2B」と書く場合もあります。
にしけい
そういうことでしたか!2024年3月期は投資を抑制されるとのことですが、広告宣伝投資は一旦落ち着くのでしょうか?
今期(2024年3月期)は広告宣伝投資を抑制する計画です。ただし、どこかのタイミングで継続的に投資していきたいと考えています。
近藤様
今期業績(2024年3月期)の見通し
にしけい
中計最終年度となる、2024年3月期の見通しについてご説明をお願いします。
下のスライドをご覧ください。
近藤様
今期は売上高60億円、EBITDA15億円、営業利益13億円を予想しています。セグメントごとの業績予想は下のスライドに載せています。
近藤様
各事業でトップライン(売上高)を伸ばしつつ、利益を出す計画です。2023年3月期までは、fondesk・えんフォト・OurPhotoは赤字でしたが、2024年3月期は黒字転換を予想しています。
近藤様
にしけい
ご説明ありがとうございます!全社の業績予想の部分で、営業利益が800万円から13億円に急増していますよね。具体的にどうやって利益を出すのでしょうか?
下のスライドをご覧ください。こちらは、EBITDAと営業利益の増減分析をしたものです。
近藤様
営業利益の大幅増加に最も寄与するのは、売上高の増加です。人件費は固定で発生するため、横ばいを見込んでいます。増益要因で大きいのは広告宣伝費とシステム関連費で、この2つの削減によって営業利益13億円を達成できる見込みです。
近藤様
にしけい
第3四半期時点の取材でも、2024年3月期は投資を抑制するとおっしゃっていましたね。利益を出していただけるのはありがたいことですが、投資を抑制した分だけ、将来の成長にマイナスの影響が出ませんか?
広告宣伝費には「成長に必要な投資額」と「ブランディングに必要な投資額」の2つがあります。このうち、2024年3月期は後者を減らす予定です。成長に必要な投資額は維持するので、この1年のトップライン(売上高)の成長にはそれほど影響しないと考えています。
近藤様
にしけい
なるほど!それなら安心ですね。システム関連費は、NJSSやえんフォトにおいての新機能開発に伴う投資が一巡したため、削っているという認識で合っていますか?
合っています!
近藤様
にしけい
2025年3月期以降について、何か新しく決まったことはありますか?
まだ何か話せるところまで議論は深まっていません。ただし、「継続的な成長を目指す」ことには変わりありません。来期以降の計画は、今期の進捗を見ながら考えていきます。今期のどこかで方針をお示ししたいと考えているので、それまでお待ちください!
近藤様
株主優待を設定した理由
にしけい
今回の決算発表と同時に、株主優待の新設を発表されました。「OurPhotoの3,000円割引券」がもらえるとのことで、御社のサービスを知ってもらうきっかけになりそうですね!
そうですね!OurPhotoは弊社が提供している数少ないBtoC※8ビジネスなので、株主優待との相性が良いと考えました。まだまだ認知されていないので、これを機に利用していただけるとうれしいです。
近藤様
※8 BtoCとは、「Business to Consumer」の略です。「B2C」と表記する場合もあります。企業が個人に対して、モノやサービスを提供するビジネスを指します。
にしけい
毎年優待をもらって、家族写真を撮り溜めて行くのも良さそうですね。ところで、このタイミングで株主優待を新設した理由はあるのですか?
投資家様や株主様から、株主還元を求める声が増えてきたためです。「株主還元を強化したい」とずっと考えていたので、投資家様や株主様のお声に応える形で優待を新設できて良かったです。
近藤様
うるる社の株主優待は、「楽しい株主優待&配当(グループサイト)」のこちらのページで詳しく解説しています。株主優待の内容はもちろん、権利付き最終日やおすすめ証券会社も紹介しているので、うるる社の優待が欲しい方はぜひご覧ください!
個人投資家へのメッセージ
にしけい
最後に、個人投資家へのメッセージをお願いいたします!
ここまで計画どおりに会社を成長させることができ、うれしく思っています。また、赤字を出している時期もありましたが、温かく見守ってくださった株主の方にも感謝しています。ようやく利益を出せる段階になったので、これからも引き続き見守っていただけますと幸いです。
近藤様
にしけい
今回も取材にご協力いただき、ありがとうございました!
まとめ
うるる社の取材は以上となります。2024年3月期は、投資を抑制しつつも売上高を伸ばして、利益を出す年です。また、来年以降の成長に向けて、新しいサービスも生み出しています。引き続き、今後の成長を見守っていきたいですね!
こちらの記事では、最新決算の状況のみを紹介していますが、当サイトではうるる社の事業内容や今後の成長戦略をわかりやすく解説した記事も作成しています。うるる社について理解を深めたい方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
また、今回の取材にご協力いただいた近藤様は、Twitterでの情報発信にも力を入れていらっしゃいます。ぜひ近藤様のTwitterをフォローして、最新情報を見逃さないようにしましょう!
ひっきー
当サイトでは、上場企業に取材させていただき、事業内容や成長戦略などを株初心者向けにわかりやすく解説した“企業紹介記事”を公開しています。こちらで記事の一覧を公開していますので、ぜひご覧ください。株初心者の方が企業を知るきっかけになれますと幸いです。
また、当サイトの取材を希望される上場企業の担当者様は、お問い合わせフォームからご連絡をお願いいたします。ご連絡をいただいた担当者様に、企業紹介記事の企画概要資料をご送付するほか、取材のご案内をいたします。
ディスクレーマー
当記事では、筆者独自の見解を述べることがありますが、証券およびその他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的ではなく、証券およびその他の金融商品に関する助言や推奨をするものではありません。また、個別企業の業績予想や株価予想、投資推奨を提供する予定はありません。投資判断等は、自己責任でお願いいたします。






















2023年3月期通期決算の総括をお願いいたします。