1. ホーム
  2. TOB・MBOの速報・スケジュール・発表銘柄の予定一覧(2025年版)
  3. ニデックによるオークマ株のTOB・買収はいつ?なぜ?ニデックの買収戦略とオークマの事業内容を基に解説

ニデックによるオークマ株のTOB・買収はいつ?なぜ?ニデックの買収戦略とオークマの事業内容を基に解説

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2025年7月1日

情報誌『選択』で、ニデック(6594)次の買収候補としてオークマ(6103)が紹介されました。この影響で、オークマ株に注目が集まっています。

オークマは、東海地方に拠点をおく大手工作機械メーカーです。部品の穴あけやフライス削り※1などの切削加工ができる「マシニングセンタ」などを製造・販売しています。工作機械事業の強化を目指すニデックにとって、オークマは魅力的な買収先といえるでしょう。

※1 フライス削りとは、刃物を高速で回転させて金属を削り、目的の形に仕上げる加工を指します。

この記事では、「なぜオークマがニデックの買収候補として注目されているのか」を解説します。現時点では正式にTOBが発表されたわけではなく、公開買付期間や公開買付価格はもちろん、そもそもTOBするかどうかも不明です。もしTOBが正式に発表された場合には、こちらの記事で詳しく紹介します。

オークマがニデックの買収候補として注目されている理由

オークマがニデックの買収候補として注目されている理由は、オークマの事業内容がニデックの買収戦略と合致しているためです。この理由について、ニデックの買収戦略オークマの事業内容の2つの視点から解説します。

ニデックの買収戦略

ニデックは「工作機械領域を拡大する」という目標を掲げ、工作機械領域の企業を買収しようとしています。2024年末には、工作機械大手である牧野フライス製作所のTOBを発表しました。このTOBは失敗に終わりましたが、ニデックの永守氏は2025年6月の株主総会で他社の買収に意欲を示しています。

絶対に買えたと思う。今回が駄目でも次がある

出典:選択 | ニデックの「次の獲物」はどこか

そもそも、なぜニデックは工作機械領域の拡大を目指しているのでしょうか。背景には、工作機械領域で中国企業が力をつけてきているからです。永守氏は工作機械領域について、次のように懸念しています。

他国企業の躍進的な成長と技術の向上により、戦って勝ち抜き続けなければ我々の相対的な競争力の低下を招きかねない

出典:日刊工業新聞 | 工作機械業界に強い危機感 ニデックの牧野フライスTOB

また、日刊工業新聞によると、大手工作機械メーカー幹部は次のように危惧しています。

米中対立で中国製の機械を米国や日本で買わないだけで、対立がなければ当社を含め多くの企業が5年で倒れている。トランプ米次期大統領が中国と競っている間に逃げ切らなければならない

出典:日刊工業新聞 | 工作機械業界に強い危機感 ニデックの牧野フライスTOB

工作機械業界を取り巻く環境を踏まえると、ニデックが有力企業の買収に乗り出すのも納得できますね。

買収する企業の条件が変わった

永守氏といえば、高い技術力を持っているものの、業績不振に陥っている中小企業を買収し再建する「再建型M&A」に強みを持っています。

しかし、買付代金約2,500億円といわれた牧野フライス製作所のTOBからも明らかなように、大型買収に戦略を転換しているのです。

なぜ買収の条件が変わったのでしょうか。ニュースイッチの記事によると、永守氏は買収戦略について次のように語っています。

つぶれかかった会社を安く買い、再建する方法は時間がかかる。これからは良い会社を買わないといけない

出典:ニュースイッチ | 牧野フライスTOBが試金石…工作機械揺さぶるニデック、「売上高1兆円」へ買収攻勢

やさ株編集部の推測になりますが、中国企業に対抗できる力をスピーディーにつけるには、経営再建が必要な企業ではなく、優良企業を買収したほうがよいと考えているのではないでしょうか。

この方針を基に「工作機械領域に強みを持つ優良企業」という条件で企業を絞り込んでいくと、今回話題になったオークマが浮上してきます。それでは、オークマがどのような事業を展開しているのかみていきましょう。

オークマの事業内容

オークマは、東海地方を地盤とする大手工作機械メーカーです。部品の穴あけやフライス削りなどの切削加工ができる「マシニングセンタ」などを製造・販売しています。

立形マシニングセンタMB-46V Ⅱ

出典:オークマ | 製品情報

オークマが取り扱っている製品を表に整理しました。

オークマの製品
製品分類 概要
マシニングセンタ 部品の穴あけやフライス削りなどの切削加工ができる機械
CNC旋盤
(しーえぬしーせんばん)
「旋盤」とは、材料を回転させ、刃物を押し当てて切削加工をおこなう機械。コンピュータで制御するものを「CNC旋盤」と呼ぶ
複合加工機 旋盤やフライス盤、研削機など、複数の機能をもつ高度な工作機械
研削盤 高速で回転する砥石(といし)を金属や木材、樹脂などに少しずつ接触させ、表面の仕上げをおこなう工作機械
IT/CNC・自動化 新世代知能化CNCやIoTソリューション、次世代ロボットシステムなどを推進

マネックス証券銘柄スカウターでオークマを調べてみましょう。製品別のセグメント構成は載っていませんが、国別の構成はグラフ化されています。

<オークマのセグメント構成>

オークマのセグメント構成

(出典:マネックス証券銘柄スカウター

売上高の6割が日本、残りの4割が海外です。グローバルに事業を展開していることが読み取れますね。

オークマのTOB【公開買付価格・期間・応募方法など】

ニデックのオークマに対するTOBの概要を、下の表に整理しました。

オークマのTOBに関する基礎情報
公開買付者 ニデック(6594)
被買収企業 オークマ(6103)
公開買付価格 未定
プレミアム 未定
公開買付期間 未定
買付株数 未定
買付予定株数の下限 未定
買付予定株数の上限 未定
公開買付代理人 未定
公開買付復代理人 -
上場 廃止
目的 工作機械領域を強化するため

TOBの公開買付代理人に選ばれやすい証券会社

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

ページ上部へ移動