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KKRが西友株の売却を検討!イオンやドンキが買収する理由や上場廃止になるかなどわかりやすく解説
2025年1月7日、アメリカの投資ファンドKKRが傘下に持つ総合スーパー「西友」の売却を検討していると、日本経済新聞が報道しました。KKRが保有する西友の全株式が売却対象で、イオンやドンキなどの小売企業などが買収に名乗りを挙げています。
このコラムでは、KKRが西友株の売却を検討している理由やイオンやドンキなどが買収に名乗りを挙げている理由、西友株の株価や上場廃止の経緯などについて、株初心者向けにわかりやすく解説します。
KKRが西友株の売却を検討!イオンやドンキなどが買収に名乗り
日本経済新聞によると、アメリカの投資ファンドであるKKRは、傘下の総合スーパー「西友」の全株式の売却を検討しているようです。
株式売却に向けて入札手続きを進めており、イオン(8267)や「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)、ディスカウント店大手のトライアルホールディングス(141A)などが名乗りを挙げています。
具体的な買収金額は不明です。決算公告に掲載されている純資産合計は1,888億円なので、ざっくりと考えて数千億円規模になるとみられます。
KKRによる売却時期についても不明ですが、日本経済新聞によると2月をめどに最終的な売却先が決定されるようです。
KKRが西友株を売却する理由
KKRが西友株を売却する理由としては、西友の経営再建に一定のめどが立ったためと考えられます。もともとKKRは2021年に西友株を取得して以降、経営再建に取り組んできた過去があります。その成果が花開いたことが、売却を検討するきっかけとなったようです。
具体的には、以下の3つの理由があると考えられます。
理由 | 詳しい説明 |
---|---|
① 西友の業績改善 | KKRは西友が2025年12月期までに売上高を9,000億円規模にし、営業利益率を5%以上にするという目標を立てていました。2024年12月期までは堅調な利益を上げており、再建による一定の成果が出たと判断されたようです。 |
② 構造改革の進展 | 小売チェーンの経営経験を持つ大久保恒夫氏が2021年に社長に就任して以降、西友は構造改革を進めてきました。北海道と九州からの撤退などの収益改善策も実行され、事業の再構築が進められました。 |
③ 投資回収のタイミング | 投資ファンドであるKKRは、投資した企業の価値を高めたあと、売却することで利益を得ることを目的としています。西友の再建が進み、買収に関心を示す企業が現れたため、KKRは投資回収のタイミングと判断したと考えられます。 |
西友の業績は以下のように推移しています。西友は上場企業ではないため、直近の業績は過去2年分しか確認できませんでした。
2022年 | 2023年 | |
---|---|---|
売上高 | 7,054億円 | 6,648億円 |
営業利益 | 208億円 | 260億円 |
営業利益率 | 2.95% | 3.91% |
売上高は2022年から2023年にかけて減少しているものの、営業利益率は2022年から2023年にかけて1pt近く上昇しています。同社が目標として掲げている営業利益率5%にはまだ距離がありますが、着実に近づいている状況です。
イオンやドンキなどが西友の買収に名乗りを挙げた理由
イオンやドンキなどが西友の買収に名乗りを挙げた理由として、以下の3つが考えられます。
理由 | 詳しい説明 |
---|---|
① 業界再編の動き | スーパーマーケット業界では再編の動きが活発化しており、イオンは「いなげや」を傘下に加えるなど規模を拡大しています。西友の買収は、この業界再編の流れの中で、更なる事業規模の拡大や競争力強化を目指す動きとみられます。 |
② 西友の事業基盤獲得 | 西友は本州に約240店舗を展開しており、一定の顧客基盤と店舗ネットワークを持っています。イオンやドンキにとって、既存事業とのシナジー効果を生み出す魅力的な要素となります。 |
③ 魅力的な買収対象 | KKRが西友の売却を決めた背景には、西友の再建に一定のめどが立ったという判断があります。これは買収を検討する企業にとって、西友が安定した収益を上げられる企業に成長したという印象を与え、買収の魅力を高める要因になった可能性があります。 |
スーパーマーケット業界の再編が進む中、経営再建にめどがついた西友の存在は、事業拡大に注力する小売各社にとって魅力的な買収対象だといえるでしょう。
西友は2008年に上場廃止!株価は見られない
西友は1979年に東証一部に上場したあと、2008年に上場廃止となっています。現在は上場していないため株式を買うことはできず、また株価を見ることもできません。
西友が上場廃止となった理由は、米小売大手ウォルマートの傘下で抜本的なてこ入れをおこない、経営再建を加速させるためでした。
西友の経営再建が必要になった理由
経営再建が必要になった理由は、バブル崩壊後に金融子会社である東京シティファイナンスが多額の不良債権を抱えたことがあります。これによって、西友の業績や財務の悪化が続いていました。
西友では、業績・財務の悪化に対応するため、1999年度から食品スーパーの出店に乗り出します。食品スーパーの出店を加速させた理由は、現金決済が多く、現金回収のスピードが速いためです。
1999年度には7店舗、2000年度上期には35店舗と順調に出店を加速させていましたが、2001年度下期に約30店舗の大量出店をおこなったことが裏目に出てしまい、2002年2月期第2四半期決算は大幅減益となったのです。
こうした事態を打開するため、2002年に米ウォルマートと包括的業務提携を締結し、ウォルマート流の経営戦略を導入します。しかし、経営再建がうまく進まず最終赤字が続いてしまい、株式を非公開化して抜本的なてこ入れを実施することになりました。
ウォルマートの完全子会社となった西友は、従来から根強い高級志向のイメージを払拭するため、「EDLP(Everyday Low Price:毎日低価格)戦略」を進めていきました。
2018年の上場観測
2018年7月、日本経済新聞が「ウォルマートが日本から撤退し、西友株の売却を考えている」と報道します。さらに、2019年6月には「西友か、その親会社のウォルマート・ジャパン・ホールディングスのどちらかが上場する」との報道もあり、西友の上場に注目が集まりました。
しかし、2020年11月にウォルマートが西友株の85%を米投資ファンドのKKRと楽天グループに売却すると発表し、上場観測は立ち消えとなりました。
関連記事
- 西友(ウォルマート・ジャパン・ホールディングス)の上場観測
(グループサイト『やさしいIPO株のはじめ方』の記事です)
KKRの下で経営再建
先ほどお伝えしたように、KKRの下でも経営再建が進められます。具体的な再建目標として、2025年12月期までに売上高を9,000億円規模にし、営業利益率5%以上を目指すことが掲げられました。
2024年12月期の業績を見ると、堅調な利益を上げており、経営再建の一定の成果が現れたといえます。西友の企業価値を高めることに成功したKKRは、投資の利益を確定するため、西友株の売却を検討していると予想できます。
なお、西友は未上場企業であるため、買収とはいってもTOBには該当しません。報道によるとイオンやドンキなど複数の小売企業が買収に名乗りを挙げているようなので、もし西友が上場企業だったらどこかの企業からTOBされているかもしれませんね。
最近はKKRのような海外のアクティビストの動きが活発化しているので、2025年もTOBやMBOがたくさん発表される可能性があります。保有株がTOB・MBOされる可能性も十分考えられるので、その場合に備えてTOB・MBOの公開買付代理人や復代理人に選ばれやすい証券会社に口座開設しておきましょう。TOBやMBOの応募がスムーズにできて便利です。
TOBの公開買付代理人に選ばれやすい証券会社
最後に、TOBの公開買付代理人や公開買付復代理人に選ばれやすい証券会社がどこかを紹介します。2024年に開始したTOB事例を基に、公開買付代理人・公開買付復代理人に選ばれた証券会社とその件数をまとめました。ぜひ参考にしてください。
証券会社 | 担当件数 |
---|---|
野村證券 | 32 |
みずほ証券 | 27 |
SMBC日興証券 | 24 |
大和証券 | 17 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 13 |
auカブコム証券 現金最大2,500円がもらえる |
10 |
東海東京証券 | 8 |
三田証券 | 7 |
楽天証券 | 5 |
SBI証券 現金2,500円+オリジナルレポートがもらえる |
3 |
マネックス証券 オリジナルレポートがもらえる |
3 |
フィリップ証券 | 2 |
公開買付代理人を務めた件数が最も多かったのは、総合証券の野村證券で32件の取り扱いがありました。2位がみずほ証券で27件、3位がSMBC日興証券で24件となっています。
ネット証券では、auカブコム証券の取り扱い件数が13件と最多です。auカブコム証券を追う形で、楽天証券が5件、SBI証券とマネックス証券が3件となっています。
TOBに応募する際は、株式の移管手続きやTOBの申込手続きが必要です。手続きに加えて口座開設もしなければならない場合、どうしても時間がかかってしまいます。スムーズにTOBへの応募ができるよう、今のうちから複数の証券会社に口座開設しておくと良いでしょう。次に紹介するおすすめネット証券では、当サイト限定のキャンペーンを展開中です。この機会にぜひ口座開設してください。
おすすめネット証券①:SMBC日興証券
SMBC日興証券は、信頼のおける総合証券の一角です。オンラインの取引サービスも提供しており、大手ネット証券に近い手数料で取引できます。TOBやMBOの取り扱い件数が多いため、TOB・MBO狙いで投資したい方は口座開設しておきましょう。
また、SMBC日興証券はIPO投資に有利な証券会社です。IPOの取り扱い件数が多く、ダイレクトコース限定で当選確率が上がる「IPO優遇特典」もあるので、ぜひとも有効活用したいですね。
口座開設料・年会費などは一切かかりません。
おすすめネット証券②:auカブコム証券
auカブコム証券は、ネット証券の中で公開買付代理人の実績が最も多い証券会社です。三菱UFJモルガン・スタンレー証券と同じMUFGグループの一員ということもあり、協働している三菱UFJモルガン・スタンレー証券が公開買付代理人を引き受けた場合に、復代理人として担当するケースが多くなっています。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の担当件数がそれなりにあるので、auカブコム証券に口座開設しておくのもおすすめです。
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すべての案件で復代理人を務めているわけではありませんが、みずほ証券が代理人を務めるTOB・MBOの件数は野村證券に次ぐ2位の多さを誇っています。今後TOB・MBOの件数が増えれば、楽天証券が復代理人を担当する件数も増えるかもしれません。
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口座開設料・年会費などは一切かかりません。
まとめ
KKRが西友株の売却を検討している理由やイオン・ドンキなどの小売業が買収に名乗りを挙げている理由などを解説してきました。正式な発表はまだですが、西友をどの企業が買収するのか、それによって小売業の勢力図がどのように変わるのか楽しみですね。
2025年も昨年から引き続き、TOBやMBOがたくさん発表されるかもしれません。ご自身の保有株がTOB・MBOで非公開化される可能性も十分に考えられます。スムーズに応募できるよう、TOB・MBOの公開買付代理人や復代理人になりやすい証券会社への口座開設を済ませておきましょう。
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