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アクティビスト(モノ言う株主)とは?意味や有名ファンド、銘柄例を紹介します
アクティビストとは、「モノ言う株主」と呼ばれる人たちです。会社の株式を取得して経営改善を提案し、会社の価値を高めることを目的にしています。ニュースや新聞などで時々登場するので、気になっている方も多いのではないでしょうか。
このコラムでは、アクティビストの意味はもちろん、有名なアクティビストやアクティビストが関わった銘柄の事例について、株初心者向けにわかりやすく解説します。
また、コラムの後半では、アクティビストが投資している銘柄が調べられる強力なツールの紹介もしています。このコラムを読めば、アクティビストについて理解を深められるようになっているので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
アクティビストとは?
アクティビストとは、別名「モノ言う株主」と呼ばれます。ある会社の株式を取得し、投資先企業の経営陣に経営戦略や株主還元の強化などを提案し、企業価値を高めて最終的に利益を得ようとする株主が、これに該当します。
アクティビストを直訳すると「活動家」になるので、「政治の活動家」を思い浮かべる方がいらっしゃいます。しかし、投資用語として使う場合のアクティビストは政治活動家とは違い、経営陣に働きかける人たちを指します。
アクティビストによる提案のうち代表的なものは、下のとおりです。
増配や自社株買いなどの株主還元強化がイメージしやすいかもしれませんが、いずれの提案も会社の価値を高めて株価を上昇させる効果があります。
実際、2016年6月にサード・ポイントというアクティビストがソニーグループ(6758)株式を保有し事業の分割を提案したところ、2016年7月にかけて株価が上昇しました。
このように、アクティビストの提案によって株価が上がる可能性があるため、彼らの動向に注目する投資家が増えているのです。
また、アクティビストには「穏健派」と「強硬派」の2種類があります。現在は企業との対話を重視する「穏健派」が多いのですが、2000年代は「強硬派」のアクティビストが多くいました。
彼らは、経営方針や経営陣の判断に異議を申し立て、株主総会での委任状争奪戦をおこなうなどの強硬的な手段を取っていました。
有名なアクティビストファンド一覧
投資家の間で有名なアクティビストファンドについて、特徴と有名な投資事例を一覧にしました。
アクティビスト名 | アクティビストの特徴 | 有名な 投資事例 |
---|---|---|
エリオット・マネジメント | 株式や不動産、コモディティなど割安資産に投資 | ・アルゼンチン国債 ・ソフトバンクグループ |
オアシス・マネジメント | 積極的に株主提案をおこなう | 東京ドーム |
キング・ストリート・ キャピタル・マネージメント |
財務危機に陥っている株式への投資(ディストレス投資) | 東芝 |
サード・ポイント | 企業との対話を通じて企業価値を向上 | ・セブン&アイHD ・ソニーグループ |
シルチェスター・インターナショナル ・インベスターズ |
財務分析を通じて割安株を発掘し長期投資 | ・京都銀行 ・滋賀銀行 ・奥村組 |
パーシング・スクエア | 米国株への投資が中心。ヘッジファンドとしての一面も | ネットフリックス |
バリューアクト・キャピタル ・マネジメント |
企業の発行済株式数の5~10%を取得し取締役を派遣、内部から経営改善をおこなう | ・マイクロソフト ・オリンパス |
他にもたくさんのアクティビストが活動しています。アクティビストによって投資手法や考え方が違っていますが、「会社の価値を高める」という目的は同じです。
この中で日本株への投資を増やしているのが、ダルトン・インベストメンツです。2020年1月にはイギリスで「ニッポン・アクティブ・バリュー」というファンドを立ち上げ、日本の中堅企業20社程度に投資しています。
投資先には配当や自社株買いを促す方針とのことです。ダルトンの提案により株主還元を強化する会社が出てくるかもしれないので、今後の動きに注目したいですね。
アクティビストが関わった銘柄事例「東京ドーム vs オアシス・マネジメント」
アクティビストの事例として、東京ドームと香港のヘッジファンドであるオアシス・マネジメント(以下、オアシス)とのやりとりを紹介します。
東京ドームは、社名から想像できるとおり、読売ジャイアンツが専用球場としているドーム球場や、東京ドームホテル、東京ドームシティなどを運営する企業です。2019年にオアシスが株式を取得し、収益の改善などを求める提案をしていました。
出典:オアシス・マネジメント「より良い東京ドームへ」<オアシスの東京ドームに対する提案内容>
しかし、東京ドーム側は抜本的な改善策を講じず、オアシスとの関係が悪化していきます。そして、東京ドームは関係が悪化していたオアシスを株主から排除するため、三井不動産に友好的に買収(TOB)してもらう「ホワイトナイト」を依頼しました。
オアシス側は、三井不動産が提案した買収価格に同意し、三井不動産がオアシスなどの株主から東京ドーム株式を取得、東京ドームは上場廃止となりました。
では、株価がどのように動いたのかを見ていきましょう。三井不動産によるTOBが発表された時点で、株価は900円台から1,000円台まで上昇し、ストップ高となりました。
その後、買収価格が発表されると1,400円台まで株価が上がっていきました。このように、アクティビストの株主提案がきっかけとなり、その会社の価値が見直されたり、TOB合戦に発展したりして、株価が上がっていくケースがあります。
東京ドームとオアシスの事例については、三井不動産が東京ドームのTOBを検討!?株価はどうなる?で詳しく解説しています。こちらもあわせてご覧ください。
アクティビストの動向を追いかけられるおすすめの無料ツール
最後に、私たち個人投資家でもアクティビストの動きをかんたんに手に入れられる、松井証券の「アクティビスト追跡ツール」を紹介します。
このツールは、アクティビストがどんな銘柄に投資しているのかを、かんたんに検索できるものです。右上の「注目のアクティビスト」で調べたいアクティビスト名を選び、真ん中の「絞り込む」をクリックすると、そのアクティビストが持っている銘柄が表示されます。
例えば、オアシス・マネジメントの場合は、北越コーポレーション(3865)やフジテック(6406)、マネックスグループ(8698)などに投資しているのがわかります。
このように、松井証券のアクティビスト追跡ツールを使うと、アクティビストがどんな銘柄に投資しているかがわかります。
アクティビストが投資している銘柄は、将来的に株主提案がおこなわれ、経営改善や株主還元強化などにつながるかもしれません。このようなニュースは株価にプラスに働くので、投資判断を下す材料のひとつとして使えます。
アクティビスト追跡ツールは、松井証券に口座開設すれば誰でも無料で使えます。まだ口座を持っていない方は、この機会に口座開設されてはいかがでしょうか。
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まとめ
アクティビストの意味や事例、アクティビストの動きを追跡できるツールを紹介してきました。当サイトがおすすめしている成長バリュー株投資では、アクティビストの動きを重要視して投資判断を下すことはありません。
しかし、投資を検討している企業の株式を集めているアクティビストがいたら、将来的に株主提案がおこなわれて、企業価値の向上による株価の値上がり益が手に入るかもしれません。
アクティビストの動きを投資判断の材料として持っておくと、株式投資がよりおもしろくなるでしょう。この際、松井証券のアクティビスト追跡ツールがかなり役に立つので、口座開設していない方はいまのうちに済ませておくのがおすすめです。
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