JDR(日本預託証券)とは?意味や外国株との違いをわかりやすく解説します

JDR(日本預託証券)とは?意味や外国株との違いをわかりやすく解説します

担当:西尾

担当・にしけい

最終更新日:2021年7月6日

JDRとは、国内株と同じように投資できる外国株です。「Japanese Depositary Receipt」の頭文字を取ったもので、日本語に直すと「日本預託証券」となります。最近、アジアの会社が東京証券取引所への上場を目指すケースが増えているとの報道があるので、今後JDRが増えていくかもしれません。

※参考:東証、アジア新興の受け皿に|日本経済新聞電子版

このコラムでは、JDRの概要や仕組み、外国株との違いなどを、株初心者向けにわかりやすく解説します。

1.JDRとは?

JDRをひとことで説明すると、国内株と同じように投資できる外国株です。以前紹介した、ADRの日本版ですね。普通は、外国株に投資する際に「外国株取引口座」の開設が必要となります。しかし、JDRは日本株と同じ扱いで上場しているので、外国株取引口座は必要ありません。そのため、気軽に外国株に投資できるメリットがあります。

では、日本に本社を持たない外国企業が、どうやってJDRを発行するのでしょうか?気になる方に向けて説明していきます。なお、JDRを発行する流れはかなりむずかしいので、株初心者の方は読み飛ばしていただいてかまいません。

<JDRを発行する流れ>

JDRを発行する流れ

(出典:JPX 新規上場基本情報

  • ①外国企業が原証券(株式)を証券会社に割り当てる
  • ②証券会社は原証券を信託銀行に譲渡する
  • ③信託銀行は原証券をカストディアン(外国の金融機関)に委託する
  • ④信託銀行はJDRを証券会社に対して発行する
  • ⑤証券会社はJDRを証券取引所に上場させる

むずかしい用語がたくさん出てきますが、要するに外国企業の株式を日本の証券会社が引き受けて外国企業の代わりに東京証券取引所に上場させているのだと考えれば良いでしょう。JDRの仕組みについてさらに詳しく学びたい方は、「新規上場基本情報(JPX)」をご覧ください。

2.外国企業が直接上場ではなくJDRを選ぶ理由

JDRの概要を理解した方は、「わざわざ複雑なJDRを発行せずに、直接上場すれば良いのでは?」と思われるでしょう。実は、外国企業がJDRを発行する理由として、次の2つが考えられます。

  • 株式そのものを他国の証券取引所に上場できないルールがある
  • 外国株として上場した場合と比べて流動性が高くなる

JDRは株式そのものではなく、株式を元にした証券とみなされます。つまり、株式そのものを他国の証券取引所に上場できないルールとなっている国の会社であっても、JDRを使えば他国に上場して資金調達ができるのです。このため、JDRを使った上場を考える会社が出てきています。

また、外国企業が日本の証券取引所にそのまま株式を上場した場合、扱いは「外国株」となります。そのため、日本の投資家のうち外国株取引口座を持っている方しか投資できません。しかし、JDRであれば外国株取引口座はいらないので、多くの投資家から資金調達し、取引してもらえます。

以上の点で、外国企業はJDRとして上場したほうが、メリットが大きいのです。

3.JDRと外国株の違い

JDRと外国株の違いを、表にまとめました。

<JDRと外国株の違い>

JDR 外国株
証券会社での取り扱い
日本株の口座で取引
信用取引
配当

JDRと外国株を比べると、個人投資家にとってはJDRのほうが便利だといえるでしょう。特に、外国株証券口座を開く必要がないので、外国企業を投資の選択肢に入れたいと考えている方にとって、うれしい仕組みですね。

4.JDRの例

2021年7月6日現在、東京証券取引所に上場しているJDRは、下の2銘柄です。

<JDRの例>

銘柄名 事業概要
オムニ・プラス・システム・リミテッド
(7699)
汎用およびエンジニアリングプラスチックの流通、製造業
テックポイント
(6697)
監視カメラ、車載カメラ向け半導体の開発・製造・販売

このほか、2014年2月13日に上場したアキュセラ・インク(4589)もJDRでしたが、合併により上場廃止となりました。現在は、窪田製薬ホールディングス(4596)として上場しています。窪田製薬ホールディングスはJDRではなく、通常の日本株として扱われています。

5.まとめ

JDRとは、国内株と同じように投資できる外国株です。外国株取引口座がいらないので、私たち投資家にとっては外国株より取引しやすい特徴があります。また、外国企業にとっても資金調達の幅が広がるので、メリットが大きい仕組みです。

このコラムを書いている2021年7月現在、アジアの会社を中心に東京証券取引所への上場を目指す会社が現れはじめました。「物理的に遠いアメリカよりも日本のほうが便利」、「香港証券取引所は政情不安が大きく日本のほうが安心」などの理由があるようです。今後、もしかしたらJDRが増えるかもしれませんね。

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この記事の執筆者

にしけい
「やさしい株のはじめ方」の資産運用担当です。ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員の資格を保有しています。年間200銘柄以上を分析中。

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