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トルコリラの外貨建てMMFは儲かる?なぜ利回りが高い?おすすめしない理由を解説

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2026年1月8日

外貨建てMMFには、米ドル建てや南アフリカランド建て、トルコリラ建てがあります。このうち、トルコリラ建てMMFは年率換算利回りが30%を超えており、とても魅力的な商品に映ります。しかし、高い利回りの裏側には“トルコリラ”という通貨が抱える問題が潜んでいるのです。

このコラムでは、トルコリラ建てMMFの利回りが高い理由と、おすすめしない理由について、株初心者向けにわかりやすく解説します。

トルコリラの外貨建てMMFは儲かる?利回りを比較

外貨建てMMFの年率換算利回りを表に整理しました。米ドル建ては3%台、南アフリカランド建ては5%台ですが、トルコリラ建ては30%を超えています。

外貨建てMMF:種類と年換算利回りの比較表
  ファンド名 年率換算利回り
米ドル建て ブラックロック・スーパー・
マネー・マーケット・ファンド
3.527%
ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド 3.321%
ノムラ・グローバル・セレクト・トラスト 3.281%
ゴールドマン・サックス 3.507%
ウィブル証券『Moneybull(マネーブル)
(自動的に「ゴールドマン・サックス・米ドルファンド」に投資)
南アフリカランド建て ホライズン・トラスト 5.858%
トルコリラ建て トルコ・リラ・
マネー・マーケットファンド
34.011%

2026年1月8日 現在)

仮に100万円をトルコリラ建てMMFに投資した場合、単純に考えて1年間で30万円程度の利益が得られる計算です。トルコリラ建てMMFが圧倒的に儲かるように感じますが、利回りが高い背景を理解せずに投資するのは危険です。

なぜトルコリラ建てMMFの利回りが高いのか、おすすめしないと言われるのか、その理由を解説します。

トルコリラ建てMMFはおすすめしない?なぜ利回りが高い?

結論として、当サイトではトルコリラ建てMMFへの投資をおすすめしません。30%を超える利回りは魅力的ですが、今後も高利回りが続くとは限らない点に加え、トルコリラの価値が低下しており、トルコが政治や地政学のリスクを抱えている点を踏まえると、投資するにはリスクが大きいからです。

では、なぜトルコリラ建てMMFはこれほど高い利回りとなっているのでしょうか。利回りが高い理由を整理したうえで、その背景にあるリスクについて解説します。

トルコリラ建てMMFの利回りが高い理由は、トルコ中央銀行が政策金利※138.0%(2025年12月時点)に設定しているからです。トルコではインフレ率が高い状態が続いており、金利を高く設定することでインフレを抑え込もうとしています。

※1 政策金利とは、中央銀行が市中の銀行にお金を貸す際の金利を指します。この金利を調整することで、景気を回復させたり、過熱を防いだりします。

<トルコのインフレ率(消費者物価指数の前年比推移)>

トルコのインフレ率(消費者物価指数の前年比推移)

(出典:トルコ共和国中央銀行|消費者物価指数

外貨建てMMFの一般的な投資先である短期債やコマーシャル・ペーパー(CP)の利回りは、政策金利の影響を受けます。以上の理由から、トルコリラ建てMMFの年換算利回りは30%を超える水準となっているのです。

トルコでインフレが進んだ背景

トルコでインフレが進んだ背景には、「インフレ局面における低金利政策の採用」があります。低金利政策とは、中央銀行が政策金利を引き下げ、銀行の貸出金利や市中金利を低く誘導する金融緩和策です。

低金利政策が採用された理由は、トルコのエルドアン大統領が中央銀行に要求したからです。エルドアン大統領は「高金利こそがインフレの原因」とする独自の経済理論(エルドアン・ノミクス)を掲げており、その理論に基づいた要求となります。

低金利政策は、次の3つの経路で物価を上昇させ、インフレ率の高止まりにつながりました。

低金利政策が物価を上昇させる経路

  1. 国内需要の拡大
  2. 通貨安の進行
  3. インフレ期待

① 国内需要の拡大

1つ目の経路は「国内需要の拡大」です。政策金利が低水準に抑えられると、銀行の貸出金利も低くなるため、企業や個人がお金を借りやすくなります

借りたお金を使って、個人はモノを買ったり、企業は設備投資や在庫の積み増しを実施したりするでしょう。これによって、食品や日用品、自動車や工業製品など、世の中にあるモノの需要が高まる(=国内需要が拡大する)のです。

モノの需要が高まるのなら、その分だけ供給量を増やせばよいのですが、現実はそうかんたんには行きません。モノの供給量を増やすには、生産設備を拡大したり、生産効率を高めたりする必要があるからです。これらを実現するには、時間とお金がかかります。

モノの供給量をすぐに増やせない場合、供給に対して需要が多い状態が続きます。いずれ「どうしてもモノが必要だから、他者より高い金額を払う」という買い手が出てくるでしょう。売り手にとって“利益を最大化させるチャンス”なので、値上げを実施する売り手が増えると考えられます。

低金利政策はモノの需要を高め、物価を押し上げる効果を持っているのです。

② 通貨安の進行

2つ目は「通貨安の進行」です。低金利政策を実行した場合、銀行預金の金利も低くなります。わざわざ低金利のトルコで預金するよりも、金利が高い他国で預金するほうが資産を増やせるため、資本が外国に流出してしまうのです。

つまり、トルコリラが売られて、金利の高い他国の通貨が買われるため、トルコリラ安になってしまいます。トルコにとって自国通貨安は、輸入品の物価を押し上げます。輸入業者が値上げを実施することで、街中のスーパーなどで取引されるモノの値段も上がってしまい、インフレを悪化させるのです。

③ インフレ期待

3つ目は「インフレ期待」です。インフレ期待とは、人々(消費者・企業・投資家など)が予想する将来の物価上昇率を指します。インフレ期待が高いと、企業は値上げを実施し、労働者は賃上げを要求するため、実際の物価に影響を与えます。

トルコでは、インフレが進む中で低金利政策が採用されました。低金利はインフレの原因になる政策です。この政策をインフレが進む中で採用してしまうと、インフレをさらに加速させてしまいます。

したがって、人々は「トルコは低金利政策の影響でインフレが加速するだろう」と考えるでしょう。インフレ期待が高くなり、企業はコストアップを見越してモノの値段を引き上げます。結果的に、インフレ期待という単なる予想が、実際にインフレを引き起こしてしまうのです。

過去10年にわたりトルコリラ安が継続

インフレ(物価の上昇)は、裏を返すと「通貨価値の減少」を意味します。例えば、インフレ局面ではりんご1個が100円から200円に値上がりすることがありますが、これはりんご自体の価値が変わったわけではなく、“通貨の価値が下がって前より必要な通貨の枚数が増えた”ことを意味するのです。

実際にトルコリラ/円のチャートを見てみましょう。高インフレの状態が続く中、過去10年にわたりトルコリラ安が続いている(=トルコリラの価値が減少し続けている)ことがわかりますね。

<トルコリラ/円のチャート(過去10年間)>

トルコリラ/円のチャート(過去10年間)

(出典:SBI証券

2016年には1トルコリラと交換できる日本円は40円程度でしたが、2025年12月にはたった3.6円程度です。仮に10年間トルコリラ建てMMFに投資し続けた場合、トルコリラ建てでは元本割れが起きていなくても、為替の影響で日本円に換算した場合の資産が10分の1以下になってしまいます。

ほかにも、トルコリラが下落している理由として「政治リスク」と「地政学リスク」も挙げられます。

「政治リスク」について説明します。トルコでは実質的にエルドアン大統領の独裁政権となっており、中央銀行の政策へ介入したり、政敵を拘束したりしています。これによって市場が混乱し、トルコリラの下落につながりました。

続いて「地政学リスク」についての説明です。トルコ周辺の中東地域やウクライナで軍事衝突が続いており、予断を許さない状況となっています。特に中東地域での混乱は、トルコリラの為替相場に影響を及ぼすため注意が必要です。

トルコリラ建てMMFの利回りは今後どうなる?

結論として、トルコリラ建てMMFの利回りは今後低下する可能性があります。先ほどお伝えしたように、トルコリラ建てMMFの利回りが高い背景には、トルコの政策金利が高水準(2025年12月時点は38.0%)に据え置かれていることが影響しているのでした。

政策金利が高く設定されているのは、インフレを抑えるためです。トルコのインフレ率は年々低下してきているので、このまま低下していけば政策金利も引き下げられるのではないでしょうか。

また、トルコリラ自体の価値がインフレと政治リスクによって低下しています。トルコリラ建てMMFへの投資はトルコリラを所有することになるため、リスクの高い投資先と言えるでしょう。

このように、年率換算利回りが異常に高い背景には、その通貨が抱える高いリスクが潜んでいるのです。利回りだけを見て安易に投資するのはおすすめしません。米ドルのような先進国通貨ならこのような心配はないので、はじめて外貨建てMMFに投資する場合は米ドル建てがおすすめです。

米ドル建てMMFの選び方

米ドル建てMMFを選ぶ際は、下の2点で考えるとよいでしょう。

米ドル建てMMFの選び方

  1. 利回りが高く信託報酬が安いMMFを選ぶ
  2. 投資の手間がかからないMMFを選ぶ

それぞれ説明しますね。

① 利回りが高く信託報酬が安いMMFを選ぶ

1つ目は「利回りが高く信託報酬が安いMMFを選ぶ」で、王道の選び方です。各米ドル建てMMFの年率換算利回りと信託報酬を、下の表に整理しました。

米ドル建てMMFの比較表
ファンド名 年率換算利回り 信託報酬
ブラックロック・スーパー・
マネー・マーケット・ファンド
3.527% 0.50%
SBI岡三・USドル・
マネー・マーケット・ファンド
3.488% 0.65%
ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド 3.238% 0.91%
ゴールドマン・サックス 3.206% 0.70%
ノムラ・グローバル・セレクト・トラスト 3.163% 0.66%

2026年1月8日 現在)

この条件に当てはまるのは『ブラックロック・スーパー・マネー・マーケット・ファンド』です。年率換算利回りが最も高く、信託報酬が最も安くなっています。迷ったらこのファンドを選ぶとよいでしょう。

② 投資の手間がかからないMMFを選ぶ

もう1つの選び方は「投資の手間がかからないMMFを選ぶ」こととなります。具体的には、ウィブル証券が提供している米ドル建てMMFの自動買付サービス『Moneybull(マネーブル)』がおすすめです。

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米ドル建てを含む外貨建てMMFに投資する場合、基本的に自分で買い注文を出さなければなりません。定期的に買う場合に“買い注文の出し忘れ”が起きやすく、機会損失が発生してしまうことも多いでしょう。

特に忙しいサラリーマンの方にとって、仕事が終わって疲れている中、買い注文を出さなければならないので、面倒に感じる場面も多いかもしれません。

Moneybullを使うと、証券総合口座に入っている米ドルが、自動的に米ドル建てMMF(ゴールドマン・サックス・米ドルファンド)に投資されます。買い忘れの心配がなく、機会損失をなくすことが可能です。

さらに、Moneybullで投資する米ドル建てMMFは『ゴールドマン・サックス・米ドルファンド』で、年換算利回りは3%を超える水準となっています。通常、証券口座内の現金には利子が付きません。安全性の高い短期債券で運用しながら、銀行預金の金利(2026年1月時点で年率0.2%)よりも高い利回りが得られるのはうれしいですね。

米国株投資をより効率的におこないたい方におすすめのサービスなので、まだウィブル証券に口座開設していない方は、この機会に申し込んでおきましょう。具体的な使い方は、当サイトからの口座開設でプレゼントされるレポート内でくわしく解説しています。

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まとめ

トルコリラ建てMMFは年換算利回り30%超と、一見すると魅力的な投資先です。しかし、その裏側には「トルコリラの価値が減り続けている」という問題があります。

今後もトルコリラの価値が低下した場合、トルコリラ建てMMFで運用していると、売却時に日本円換算した際に資産が減ってしまうリスクがあります。この点で資産形成には向かないので、信頼度の高い米ドル建てMMFへの投資がおすすめです。

米ドル建てMMFへ投資する場合、ウィブル証券の『Moneybull』を使うと自動で買付けできます。買い忘れを防げるので、ぜひ有効活用したいですね。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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