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金利リスクとは?
金利リスク(金利変動リスク)とは、一般的に、「金利の変動によって、保有資産の価値が変動してしまう可能性」のことを言います。ここでは、金利リスクについての簡単な説明と、“株価”への影響について考えます。
まず、金利とは何か?ですが、「お金を借りたときのレンタル料」です。例えば、銀行に10,000円のお金を預けるときに、仮に、預金金利1%であれば、1年で100円の利子がつきます。逆に、住宅ローンなどで1,000万円借りたとき、貸出金利が1%であれば1年で10万円の利子を払わなくてはなりません(※税金など無視して、話を単純化しています)。このように、金利は実生活に身近な存在です。
※近年は、住宅ローンの引き下げで、歴史的な「低金利」となっていますが…
さて、金利リスクの理解を深めるためには、債券を例に出すと理解しやすいです。債券とは、国や自治体、企業などがお金を借りるときに発行されるもので、「国債」や「地方債」、「社債」などがいろいろな種類があります。当サイトでも紹介している「SBI債」、「マネックス債」も債券の仲間で、証券会社で発行される個人向け社債のひとつです。
債券は、いつお金を返すのかをあらかじめ決めておきます。この期限のことを満期と言います。国や企業などの発行体が倒産しない前提ですが、満期まで持っていれば、元本と金利が受け取れるしくみです。
その債券の中には、販売時に金利が固定されているものがあります(固定金利といいます)。そのような債券は、購入後に景気回復やインフレなどの影響で、市場金利が上昇すると価値が下落してしまいます。具体的な例で見ていきましょう。
固定金利1%の10年物債券(10年満期)を100万円分購入した場合、毎年1万円ずつもらえるため、10年間で合計10万円の利息がもらえます。これは購入時に決まっていて、その後どのように金利が動いたとしても変わりません。ただ、仮に、この債券を購入した直後に金利が急上昇し、固定金利2%の10年物債券(100万円分購入で利息20万円)が販売されるようになると、先に販売された固定金利1%の10年物債券の価値は急落してしまいます。なぜなら、同じ100万円分の債券だとしても、前者の方はもらえる利息が2分の1しかないので、投資対象としての魅力が半減し、市場で100万円分を売却しようとしても、2分の1の50万円しか値が付かない恐れがあるのです(途中売却の場合)。
一方、金利リスクによる株価への影響ですが、たとえば、企業の場合は、金利が急に上昇してしまうと、借り入れコストが増し、金融機関からお金を借りにくくなります。そうすると、設備投資が縮小することになり、将来の業績にはダメージとなる可能性があります。また、個人も同じように借り入れがしにくくなるため、住宅を建てることを延期したり、車の買い替えサイクルが伸びたりと、景気には悪影響に働きます。よって、金利上昇は、株価にはマイナスに働くと覚えておいてください。
(出典:SMBC日興証券)
金利上昇のリスクは、他の場面でも見ることができます。短期的に多額のお金を借り入れて積極的に売買をおこなうヘッジファンドなどは、手仕まい売りをして投資規模を縮小せざるを得なくなり、その影響から市場全体の資産価値が下落してしまいます。このようなリスクに対しても、金利リスクを用いることがあります。
現在は、経済政策(アベノミクス)の一環で、金利を意図的に低くしていますが、これが終わって、金利が上昇に転じたときは、今回ご紹介したようなことが起こらないとも限りません。金利の動向には注意してください。
☆金利リスクは、投資に深く影響を与えるので、しっかり理解しておきましょう。