東証が市場再編を検討!50%の企業が東証1部から降格?

東証が市場再編を検討!50%の企業が東証1部から降格?

担当・西尾

2019年3月、東京証券取引所(以下、東証)が、市場再編を検討すると発表しました。現在は「1部」、「2部」、「ジャスダック」、「マザーズ」の4市場がありますが、再編後は「プレミアム」、「スタンダード」、「エントリー」の3市場に変わる見込みです。今回は、市場再編によって東証がどう変わるのか、市場再編によるリスクはあるのかについて、やさしく解説していきます。

市場再編によって東証がどう変わるのか?

市場再編のイメージ画像

上の図は、東証の市場再編を図解したものです。新しくできる「プレミアム」市場へは、現在の「1部」の銘柄のうち、条件を満たすものだけが採用されます。「スタンダード」市場へは、「1部」の銘柄のうち「プレミアム」に採用されなかった銘柄と、「2部」の銘柄、「ジャスダック」の一部の銘柄が採用されます。「エントリー」市場へは、「ジャスダック」の銘柄のうち「スタンダード」に採用されなかった銘柄と、「マザーズ」の銘柄が採用されます。

なぜ、市場再編することになったのか?

では、どうして東証の市場再編が検討されているのでしょうか?その理由は、大きく分けて下の2点です。

  • 東証1部の銘柄数が多いこと
  • 市場の特徴が明確でないこと

まずは、「東証1部の銘柄数が多いこと」についてです。2019年3月現在、日本の最上位市場である「東証1部」に上場している銘柄数は、2,137社あります。これは、全上場銘柄の約60%を占めており、30年前と比べて2倍に増えています。イギリスやドイツなど、世界の最上位市場の銘柄数は、300~500社が一般的です。このことが、日本株から世界の投資マネーが遠のく原因となっていました。

外国人投資家のお金を日本に呼び込むためにも、東証の市場再編をおこない、「東証1部」の銘柄を厳選することが必要なのです。

続いて、「市場の特徴が明確でないこと」についてです。東証には4つの市場がありますが、それぞれの市場の役割がはっきりしていません。たとえば、最上位市場である「東証1部」に注目しても、大企業がいれば、中小企業もいます。業績が伸びている銘柄もあれば、業績が落ち込んでいる銘柄もあります。

ジャスダックとマザーズの違いも、明確ではありません。どちらも「成長企業」が中心の市場なので、東証が別々で市場を運営することの意味は、あまりないと言えるでしょう。もともと、ジャスダックは独立した取引所であり、あとから東証が吸収したという経緯があります。それゆえに、以前から統合するべきだと指摘されていました。

このように、市場ごとに特徴を明確にできていない状態では、外国人投資家からお金を集めにくくなります。そこで、市場ごとに特徴を定義しなおす必要が出てきました。

もし市場再編が実現すれば、日本株の銘柄選びがしやすくなるため、外国人投資家の資金が集まり、いまより活気にあふれた市場となるでしょう。

各市場に上場するための条件は?

プレミアム 時価総額500億円以上の、日本を代表する大企業
スタンダード 時価総額500億円未満の、老舗企業や中堅企業
エントリー ・新興企業

まだ検討段階なので、詳しい条件は決まっていませんが、「プレミアム」市場は日本を代表する大企業、「スタンダード」市場は中堅企業、「エントリー」市場は新興企業を集めた市場となる見込みです。「プレミアム」と「スタンダード」には、時価総額による基準が設けられる見込みです。

「プレミアム」は、時価総額500億円以上の企業に絞られます。現在「東証1部」に上場している銘柄のうち、時価総額500円以上を満たす銘柄は、2019年3月15日現在で1,035社です。残りの約1,000社は、「スタンダード」に上場することになります。

いままでよりも、市場ごとの特徴がはっきりと表れるため、日本人投資家はもちろん、外国人投資家にもわかりやすい市場となりそうですね。

市場再編のリスク

市場再編によるリスクは、下の2点が考えられます。

  • TOPIXなど、市場に連動する投資信託の値動きが変わる
  • 「東証1部」から「スタンダード」に実質的に降格する銘柄があり、株価に影響が及ぶ

TOPIXは、「東証1部」の銘柄を元に算出する指数です。今回の市場再編により、「プレミアム」に上場する銘柄を元に算出するように変更された場合、これまでの指数の動きとは違った動きになる可能性があるでしょう。

また、「東証1部」に上場している銘柄のうち、「プレミアム」の条件に合わない銘柄は、「スタンダード」に移動します。実質的な「降格」とも捉えられるため、株価に影響が及ぶことが考えられます。業績悪化を理由とする降格ではないため、大きく株価が下がることはなさそうですが、市場再編のときは、保有株の値動きに注意が必要です。

まとめ

東証の市場再編は、「各市場に特徴を持たせ、上場銘柄を整理する」ことが目的です。再編によって、TOPIX連動型の投資信託の値動きや、「東証1部」から「スタンダード」に移動する銘柄の株価などに、一時的に悪影響が及ぶことも考えられます。しかし、日本株を売買しやすい環境が整うため、外国人投資家の資金も集まり、日本株が活気づくと考えられます。最終的には、投資家にとってメリットの多いものになりそうです。

西尾のプロフィール

・やさしい株のはじめ方の資産運用担当
・ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員の資格あり
・年間200銘柄以上を分析中

Twitter「@kabuotaku758」でも情報発信中です!

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