立会外分売

立会外分売(たちあいがいぶんばい)とは?

立会外分売(たちあいがいぶんばい)とは、企業などの大株主が所有する株式を、証券取引所の取引時間外(立会外)に売り出される取引です。一番の特徴は、普通に株取引をするよりも、割引価格でお得に買えることです。分売をおこなった日の終値を基準として、2~5%ほど安い価格で買えます。さらに、株式の購入手数料も無料です。

立会外分売をおこなう予定の銘柄や分売日は、数週間前~前日の間に発表されるため、こまめに証券会社のサイトをチェックしておくと、見つけやすいと思います。バーゲンで掘り出し物を探す感覚ですね♪

<立会外分売の一例>

分売実施日 銘柄 前日終値 分売価格
(割引率)
2018年12月20日 フルッタフルッタ(2586) 378円 366円
3.17%引き
2018年12月18日 ライトアップ(6580) 1,270円 1,238円
2.52%引き

気になるのは、立会外分売が“好材料”なのか“悪材料”なのかということです。たとえ割安で買えたとしても、これが“悪材料”となり、株価が下落してしまっては意味がありません。その判断をするために、企業が立会外分売をする目的を知ることが重要です。

1.なぜ、立会外分売をするのか?

企業が立会外分売をする目的は大きく3つあります。

  • ①株主の数を増やして指定替えをする
  • ②株式の流動性を高める
  • ③資金を調達する

1つ目は、「ジャスダック」、「マザーズ」、「二部」の上場企業がおこなうパターンです。株主の数を増やして、一部上場企業へのステップアップを狙います。一部上場は一流企業の証であり、企業イメージが向上します。

ただし、一部上場企業になるためには、株主が2,200人以上なければなりません。この条件をクリアするために、立会外分売をして株主の数を増やすのです。一部に指定替えになると、投資ファンドなどからの資金が流入しやすくなるため、株価は上がりやすくなります。

2つ目は、投資家が株を売買しやすくするためにおこないます。流動性の高い銘柄は、投資家が狙った金額で売買することができます。例えば、100円の銘柄があって投資家がそれをほしいと思った場合、流動性が高い銘柄は100円で手に入れられます。

一方、流動性が低いと売り手が少ないため、105円、110円などと、欲しい金額の提示がないケースがあるのです。流動性を高めることで売買が活発になり、株主が売買したい金額で取引をすることができます

3つ目は、親会社が資金を調達するためにするためにおこないます。大株主の親会社が、子会社の持株を市場で売却して利益を得ます。親会社にとっては資金を得るメリットがありますが、立会外分売をする子会社にはありません。

通常、投資家にとって①と②は好材料、②は悪材料となります。

2.立会外分売とは具体的にどのようなものか

立会外分売がどのようなものか、2018年11月29日におこなった「はごろもフーズ(2831)」を例に見てみましょう。内容は、このようになっています。

実施目的 分売株式数 前日終値 分売価格
(割引率)
流動性向上のため 50,000 2,681円 2,601円
2.98%

立会外分売をおこなう前日の、11月28日の終値は2,681円でした。立会外分売をするにあたり、2.98%ディスカウントしました。2,601円で売り出すことを決めたのです。11月28日の18時から申し込みを受け付け、翌日の8時で終了となります。手にした株は、翌日に売ることができます。

はごろもフーズ(2831)の11月29日の始値は2,604円、高値は2,618円、安値は2,604円、終値は2,613円でした。立会外分売は即売り(当選した株をその日に売却すること)するケースが多く、軟調でのスタートとなりがちです。立会外分売は、企業が何をしたいのかを理解した上で、中長期での投資をおすすめします。

3.立会外分売とPO(公募・売出)の違いは?

株をディスカウント価格で手に入れる方法として、POがあります。POは新規で株式を発行したり、発行済みの株を売却したりすることをいいます。立会外分売とPOの違いは、大きく2つあります。

  • ①規模
  • ②期間

1つ目の規模の違いから説明します。POと立会外分売では、市場に放出する株数が圧倒的に異なります。例えば、はごろもフーズ(2831)がおこなった立会外分売の株数は50,000株でした。一方、2018年10月3日に東急不動産ホールディングス(3289)がおこなったPOの株数は71,158,000株です。資金調達を目的とするPOは、大量の株式を市場に放出します。

2つ目として、申し込み期間がまったく異なることが挙げられます。立会外分売の申し込みは、先ほど説明したとおり、前日の「18時から翌日の8時まで」です。申し込み期間は14時間ほどに限定されています。一方でPOは、申し込みから受け渡し日まで1週間ほどかかります。申し込みを経て株を手に入れ、翌日にすぐ売れる点は、立会外分売の大きなメリットの一つです。

4.投資家から見た立会外分売のメリット・デメリットなど

<立会外分売のメリット>

  • 前営業日の終値から、数%割引(平均は3%くらい)で買えるのでお得です
  • 株の購入手数料は無料(売却は有料)です。市場取引時間外(立会外)で購入するため、手数料はかかりません

<立会外分売のデメリット>

  • 仮に、前日終値の数%引きで買えたとしても、取引時間開始後、株価が下がることもあります
  • 購入できる時間帯は「午後6時頃から翌朝8時頃」の間です
  • 分売予定日は変更になることもあるので、申し込んだ証券会社で確認が必要です
  • 申込者が多い場合は、抽選で配分されることになります

<立会外分売のイメージ>

SBI証券の立会外分売銘柄の画像

(※出典 SBI証券より)

<立会外分売を扱っている証券会社の例>

ネット証券の比較表 〔手数料は税抜〕 (2019年11月現在)
証券会社
(公式サイトへ)
株式売買手数料 証券会社別
マル得情報
ネット証券
詳細情報へ
10万円まで 20万円まで 50万円まで
松井証券 無料 300円 500円 10万円以下
手数料無料
マネックス証券 100円 180円 450円 分析ツール
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SBI証券 90円 105円 250円 取引等で
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楽天証券 90円 105円 250円 取引等で
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80円 97円 180円 2か月間
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どの証券会社で申し込んでも「割引価格」などの条件は同じですが、複数の証券会社から申し込むことで、当選確率がアップします!他に利用したい取引と合わせて、ニーズに合う証券会社を選びましょう。

5.結局のところ、立会外分売は儲かるのか

結論を言いますと、立会外分売はIPOのように、短期的に大きな儲けを出すものではありません。市場に出回る株式数が多くなって希少性が失われるため、歓迎する投資家が少ないからです。2018年12月に立会外分売がおこなわれた銘柄を見てみましょう。右端の“損益率”に注目してください。

社名 実施日 分売の値段 ディスカウント率 翌日の始値 損益率
クロスフォー 12月21日 309円 3.13% 304円 -1.6%
デイトナ 12月19日 1,192円 0.00% 1,166円 -2.2%
ライトアップ 12月18日 1,238円 2.52% 1,238円 0.0%
フルッタフルッタ 12月20日 366円 3.17% 362円 -1.1%
東洋電機 12月14日 895円 1.10% 901円 0.7%
地域新聞社 12月6日 3,084円 3.02% 2,821円 -8.5%
みらいワークス 12月4日 4,660円 2.51% 4,850円 4.1%
ファイズ 12月11日 1,107円 2.55% 1,150円 3.9%
船場 12月4日 982円 2.09% 1,005円 2.3%
エンカレッジ・テクノロジ 12月7日 1,520円 2.19% 1,514円 -0.4%

立会外分売で株を手に入れ、翌日始値で売った場合に得られる利益が損益率です。10銘柄のうち半数がマイナスになっています。プラスの銘柄は4社、プラスマイナスゼロが1社です。二桁の利益が出るIPOとは、違いがあることがわかると思います。

立会外分売は、株をディスカウント価格で手にすることができるチャンスです。しかし、ディスカウント率につられて飛びつくと痛い目に遭うのは、見てきたとおりです。企業が何のために立会外分売をするのか、理解したうえで投資をしましょう。企業を理解することが、投資家として成長することの近道になります。

次のページでは、実際にSBI証券の取引画面を使って、立会外分売の解説をしていきます。こちらをご覧いただければ、どなたでも取引ができますので、合わせてご覧ください。

☆立会外分売を使って、お得に株を買いましょう♪