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ANAホールディングスが公募増資を検討!?株価はどうなる?

ゆうと担当:ゆうと

最終更新日:2023年11月30日

2020年9月25日、ANAホールディングス(9202)が、2,000億円規模の公募増資をおこなう予定であると、日経新聞が報道※1しました。実施されれば、ANAホールディングスによる公募増資は、2012年以来8年ぶりになります。

※1 参考:ANA、2000億円規模の公募増資検討 普通株で

今回の公募増資の目的は?

ANAホールディングスが公募増資をおこなう目的は、財務体質を強化するためです。自己資本を厚くすることで、コロナウイルスによる影響の長期化にそなえます。

2020年4月頃から、コロナウイルスによる影響で人の移動が制限されており、航空業界は大きな打撃を受けています。実際、世界の航空会社の中には、倒産するところも出てきています。

そのような中、ANAホールディングスも旅客数が大幅に落ち込み、2020年第1四半期決算で1,000億円を超える赤字でした。そして、今期は大幅な赤字になる模様です。生き残るために、公募増資によって手元資金を厚くする必要があるということです。

今後の株価への影響

2020年9月25日の公募増資の報道を受けて、9月28日15時現在、2,562円(前日比-138円)まで株価が下落しています。公募増資によって株式が希薄化する(市場に出回る株式の数が増えて1株あたりの利益が薄まる)ため、投資家が失望して株を売ったと考えられます。

ANAホールディングス(9202)の株価推移>

ANAホールディングス(9202)の株価チャート

(出典:SBI証券

今回の公募増資はまだ正式に発表されていないため、公募価格や発行株数はわかりません。仮にANAホールディングスの前日終値2,700円を基準にして2,000億円の増資をするのであれば、7,400万株程度の新株を発行することになります。つまり、17%※2くらいの希薄化になる可能性があると言えます。

※2 2020年9月25日のANAホールディングスの終値2,700円を基準に算出。計算式は、2,000億円÷2,700円≒7,400万株、7,400万株÷(発行済株式数348,498,361株+7,400万株)。実際の希薄化率は、調達額や発行株数により前後する可能性があります。

ANAホールディングスが公募増資を発表(2020年11月27日追記)

事前の報道では2,000億円規模の公募増資と思われていましたが、それを大きく上回る3,000億円規模の公募増資を発表※3しました。それだけ、ANAホールディングスの財務状況の悪化が深刻だと言えます。

※3 参考:新株式発行並びに株式売出しに関するお知らせ[PDF]

実際、ANAホールディングスは今回の公募増資で資金を調達することで、再びコロナウイルスの影響でが出ても耐えられるように借金を返済して、財務を強化する狙いがあるとしています。既存株主にとっては、今回の公募増資で最大40.17%の希薄化をともなうため、EPS(1株あたり純利益)が下がり利益を損なうことになります。そのため、株価にとってはマイナスにはたらくと思われます。

一方で、先に公募増資を発表した日本航空(9201)の株価は堅調であるため、公募増資による希薄化を織り込んでいる可能性もあります。

まとめ

ANAホールディングスが3,000億円規模の公募増資をおこなうと発表しました。先に公募増資を実施した日本航空(JAL)は1,826億円であるため、かなり大規模な公募増資であることが分かります。航空業界の中には、今回のコロナウイルスの影響で経営破綻した海外の航空会社が多数あります。

そのため、財務が悪化しているANAホールディングスにとって、今回の公募増資は必要に迫られてのことだと思われます。しかし、今回の公募増資をおこなっても旅客需要が戻っていないため、予断を許さない状況です。

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ゆうと

この記事の執筆者

ゆうと 

投資歴8年の資産バリュー投資家です。いつも四季報を持ち歩き、1年の半分は株のことを考えている株オタク。若手投資家同士の交流を目的とした「名古屋若手投資家交流会」を主催しています。

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