EPS(1株あたり純利益)とは?

EPS(1株あたり純利益)とは?

担当:西尾

担当・にしけい

最終更新日:2020年11月9日

EPS(いーぴーえす)とは、「Earnings Per Share」の頭文字を取ったものです。日本語に直すと「1株あたり純利益※1」となります。サイトによっては「1株あたり当期純利益」と「当期」が付く場合がありますが、これは最新決算のEPSであることを強調したい場合に付いているだけなので、あまり気にしなくてOKです。

※1 純利益(じゅんりえき)とは、売上高からビジネスに関する費用と税金を引いて、最終的に残った利益です。純利益から、株主への配当金が支払われて、その残りは純資産(株主の資産)としてたくわえられます。そのため、株主にとって大事な利益なのです。詳しくは、損益計算書をご覧ください。

EPSは、次の式を使って計算できます。

EPS=純利益÷発行済株式数

発行済株式数で純利益を割っているため、株主にとっては「自分が持っている1株がどれだけの利益を生んだのか」がわかる大事な指標となっています。あとで説明しますが、株価にも影響を及ぼす指標でもあります。

EPSと株価の関係性

EPSは、株価を構成する要素のひとつです。株価を分解すると、下のような式になります。

株価=EPS×PER

つまり、EPSが増えれば株価が上がり、逆にEPSが減ると株価が下がります。株価を動かす要因であり、当然EPSが増えた方がうれしいので、株主にとっては「EPSが成長している会社かどうか」が投資判断の目安となります。

EPSをチェックする方法

EPSが成長している会社に投資したいと考えても、そのような会社を見つけるのは大変です。決算書を過去にさかのぼって読み込むのは時間がかかりますし、何より株初心者にとってはハードルが高い作業です。

そこでおすすめなのが、証券会社が提供している無料ツールの活用です。SBI証券が提供している会社四季報や、マネックス証券銘柄スカウターで、EPSの推移が確認できます。

SBI証券の会社四季報

SBI証券では、下の画像のように会社四季報無料で読めます。

四季報

(出典:SBI証券

個別銘柄を検索して『四季報』をクリックすると、企業概要が表示されます。EPSの推移は、その横の『財務状況』で確認できます。

四季報

(出典:SBI証券

財務状況の中身は上の画像のようになっています。赤枠で囲んだ部分『1株益(円)』がEPSです。トヨタ自動車(7203)の場合、2018年~2020年までの3年分のEPSが載っていますが、2018年をピークに少し減っているようですね。

マネックス証券の銘柄スカウター

マネックス証券銘柄スカウターを使うと、2007年以降のEPS推移が確認できます(銘柄によっては年数が異なる場合があります)。

銘柄スカウター

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

トヨタ自動車の場合、2008年まではEPSが増加していましたが、2009年にマイナスとなり、その後ゆっくりと回復しています。これはリーマンショックの影響で業績が悪化したためです。

このように、EPSの推移から会社の業績を読み取れるので、投資判断の際にはチェックしましょう。

EPSの注意点

EPSを使う際の注意点として、次のようなものがあります。

  • 本業以外の収益が反映されている
  • 株式分割や株式併合の影響を受ける

本業以外の収益が反映されている

損益計算書の構造を確認しましょう。売上高からスタートして、売上原価や販管費などの費用項目を引いていき、最終的に残るのが純利益でした。

損益計算書

会社の経営成績が現れるのが、経常利益までです。それ以降は、その年に起きた臨時の出来事に関する損益を足し引きしています。

そのため、災害に巻き込まれて特別損失が発生した場合などは、EPSが過去と比べて大きくブレてしまうので注意が必要です。そのため、必ず過去の推移と比べて、異常な値でないかを確認すると良いでしょう。

株式分割や株式併合の影響を受ける

EPSは「純利益÷発行済株式数」で計算するので、発行済株式数が変化すればEPSも変わります。発行済株式数が変わるタイミングは、株式分割株式併合です。例として、純利益100億円、発行済株式数100株の会社を使って、EPSがどう変化するのか考えましょう。

株式分割の場合

純利益 発行済株式数 EPS
株式分割前 100億円 100株 1億円
株式分割後 200株 0.5億円

株式分割で発行済株式数が2倍の200株に増えたとしましょう。この場合、EPSは1億円から0.5億円半減しています。

株式併合の場合

純利益 発行済株式数 EPS
株式分割前 100億円 100株 1億円
株式分割後 50株 2億円

株式併合で発行済株式数が半分の50株に減ったとしましょう。この場合、EPSは1億円から2億円倍増しています。

このように、株式分割や株式併合によって発行済株式数が変わると、EPSが変化します。EPSが大きく変化した場合は、業績の変動以外に株式分割・株式併合の可能性も忘れないようにしましょう。

まとめ

EPSの概要と計算方法、使い方などを紹介してきました。株価や投資判断にも使えるので、投資家にとって重要な指標のひとつです。しかし、株式数の変化によって数値がブレる特徴を持っているので、分析する際には注意しましょう。

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にしけいのプロフィール

・やさしい株のはじめ方の資産運用担当
・日本の中小型成長株に投資中!最近は米国株も分析し始めました
・ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員の資格あり

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