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東証がグロース市場の上場維持(上場廃止)基準を40億→100億に引き上げ!未達の場合どうなる?今後の見通しも解説
東証がグロース市場の上場維持(上場廃止)基準を厳格化すると日本経済新聞が報道しました。具体的には、「上場5年後の時価総額が100億円以上」を満たすことが上場維持に必要な条件となります。
このコラムでは、東証がグロース市場の上場維持基準を厳格化する理由や今後どうなるかについて、株初心者向けにわかりやすく解説します。
東証がグロース市場の上場維持(上場廃止)基準を引き上げ!未達の場合どうなる?
東証は、グロース市場の上場維持基準を厳格化する方針です。現在の上場維持基準は「上場10年後の時価総額が40億円以上」となっていますが、厳格化後は「上場5年後の時価総額が100億円以上」となります。この基準を満たさない企業は上場廃止になる見込みです。
変更前 | 変更後 | |
---|---|---|
上場維持の判断タイミング (上場後の年数) |
10年後 | 5年後 |
時価総額 | 40億円以上 | 100億円以上 |
新基準は、2030年以降に上場5年を経過している企業に適用されます。すぐに適用されるわけではないので安心してくださいね。
それでは、どうして東証はグロース市場の上場維持基準を厳格化するのでしょうか?理由を見ていきましょう。
上場維持基準を厳格化する理由
東証がグロース市場の上場維持基準を厳格化する理由として、上場時の時価総額が小さく、上場後の利益成長が限定的な企業が多く存在していることが挙げられます。
今後も成長が期待できない企業が増えた場合、「グロース市場はあまり成長しない企業が多い」と認識されてしまい、市場の価値が落ちてしまうかもしれません。こういった事態を防ぐため、東証はグロース市場の上場維持基準を厳格化するのだと考えられます。
上場維持の判定時期を上場から10年後から5年後に短期化し、時価総額を40億円から100億円に引き上げることで、成長していない企業が市場から退出しやすくなります。
結果的に、利益が成長している質の高い企業だけが市場に残るため、日本の株式市場の魅力アップにつながるのではないでしょうか。
今後はどうなる?
今後は上場廃止の恐れがある「時価総額100億円未満の企業」と「株価下落で時価総額が100億円を下回る可能性のある企業」を中心に、時価総額を引き上げるための取り組みが実施されると考えられます。
具体的には、配当を出したり株主優待を新設したりする可能性があるでしょう。また、名古屋証券取引所など上場維持基準が緩い地方市場への上場や、MBO(経営陣買収)による自主的な退出が増えるかもしれません。
特に、配当を出したり株主優待を新設したりする企業は、株価が上昇するでしょう。MBOについても、市場で取引されている株価を上回る価格で株式の買い取りがおこなわれるため、発表されれば株価の上昇が期待できます。
時価総額でスクリーニングして地道に検討する必要はありますが、こういった動きを狙った投資を手がけるのもおもしろいかもしれませんね。
スクリーニングにおすすめの証券会社
先ほど紹介したように、グロース市場の上場維持基準を下回る可能性がある企業は、株主還元の強化やMBOを実施するかもしれません。そのような企業を見つける際には、証券会社が提供している「スクリーニングツール」を活用するのがおすすめです。
ここでは、やさ株編集部おすすめのスクリーニングツールをいくつか紹介します。ぜひ参考にしてください。
マネックス証券『銘柄スカウター 10年スクリーニング』
〔ご利用手順 : ログイン > 投資情報 > ツール > マネックス銘柄スカウター > 10年スクリーニング〕
マネックス証券のスクリーニング機能には、自分で数字を入れて絞り込むような基本的なものから、ファンダメンタルズに基づいたスクリーニングができる『銘柄スカウター 10年スクリーニング』、チャートの形に基づいたスクリーニングができる『チャートフォリオ』などがあります。

中でもおすすめは、『銘柄スカウター 10年スクリーニング』です。この機能は、過去10年分の企業業績の推移や、過去10年分のアナリスト予想の変化などを使ったスクリーニングができます。たとえば、「年数を10年」、「成長率を10%以上」と設定すれば、長期的に増収増益を続けている成長企業を検索できます。成長性のある銘柄を見つけたい投資家は必見です!
マネックス証券で銘柄スカウター10年スクリーニング機能を使う際の具体的な手順は、マネックス証券の「銘柄スカウター」を使うには?おすすめの使い方を紹介【完全攻略マニュアル無料プレゼント中】をご覧ください。
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SBI証券『スクリーニング(銘柄情報検索)』
〔ご利用手順 : ログイン > (トップページ内の)銘柄スクリーニング〕
SBI証券のスクリーニング機能は、『銘柄スクリーニング』、『株主優待』、『テーマ投資』の3種類があります。基本的な機能が備わっていて、バランスが取れています。3つの中で私が気になったのは『銘柄スクリーニング』です。大型優良銘柄や高成長銘柄、財務健全・割安銘柄というように、投資したい銘柄の属性で絞り込みができるので、株初心者の人にも使いやすいツールとなっています。

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三菱UFJ eスマート証券(旧 auカブコム証券)『カブナビ』
〔ご利用手順 : ログイン > マイページ > kabuナビ〕
三菱UFJ eスマート証券(旧 auカブコム証券)では、『カブナビ』というスクリーニングツールが用意されています。カブナビでは、銘柄の基本情報から財務・テクニカルにいたるまで、200種類以上のスクリーニング条件が使えます。また、検索結果を業種別にヒートマップ化してくれる機能もあるので、視覚的に使いやすくなっています。

楽天証券『スーパースクリーナー』
〔ご利用手順 : ログイン > 国内株式 > スーパースクリーナー〕
楽天証券のスクリーニング機能は、『スーパースクリーナー』の1つだけです。1つしかないとはいえ、いろいろな条件で細かく指定できるので、ピンポイントで条件に当てはまる会社を探すことができます。株初心者の人にはむずかしい用語も多いので、やや上級者向けといった印象です。

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GMOクリック証券『銘柄スクリーニング』
〔ご利用手順 : ログイン > 株式 > スクリーニング〕
GMOクリック証券では、『銘柄スクリーニング』というツールが用意されています。市場や業種のほか、ストップ高ランキングやPERランキングなどの「ランキング」を使って絞り込むこともできます。株初心者の人も使ってみたくなるツールではないでしょうか。もちろん、詳細条件でのスクリーニングにも対応しているので、中級~上級者の人も使えるツールとなっています。

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まとめ
東証がグロース市場の上場維持基準を厳格化することで、日本の株式市場の魅力が向上するでしょう。上場企業が利益成長の期待できる企業に絞られれば、日本国内の投資家はもちろんのこと、海外投資家からの注目も集まりそうです。
時価総額が100億円未満の企業や、株価下落によって100億円を下回る可能性のある企業は、配当や株主優待の新設といった何らかの対策が講じられる可能性があります。今後の動向に注目しておきたいですね。
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