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信用取引の手数料値下げ合戦!優待クロス取引にも好影響

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2023年11月30日

SBI証券が一般信用取引の金利・貸株料を値下げ

(出典:SBI証券

SBI証券などが、相次いで一般信用取引の手数料の引き下げに踏み切っています。証券会社の手数料値下げ合戦が進むほど、私たち投資家は、より低コストでお得に取引ができるようになります

今回の一般信用取引手数料値下げは、SBI証券を例に出すと、一般信用取引(無期限)の買方金利が3.09%→2.80%、貸株料が2.00%→1.10%、大口優遇の買方金利も2.90%→2.10%に下がっています。信用取引の金利や貸株料は、ネット証券の大きな収入源のひとつなので、ここが値下げされるというのは大きなニュースです。他社で信用取引をおこなっている方は、信用取引の手数料(金利・貸株料)を比較してみてください。株主優待をお得にもらう“クロス取引”にも良い影響があるので、こちらも併せてご説明します。

より有利なネット証券に乗り換えるチャンス!

すでに信用取引をしている方は、取引口座の金利・貸株料をチェックしてみましょう。SBI証券は、今回の値下げで一般信用取引の買方金利・貸株料ともに業界最安値水準になりました。手数料の安い証券会社に乗り換えることで、無駄なコストを減らし、効率的にお金を運用することができます。リターンは運用次第で変わりますが、コストはあらかじめ提示されています。最終的な損益は、利益-支出(コスト)で決まるので、まずは支出を減らすことを意識しましょう。

優待取得のクロス取引が、より有利になります!

株主優待をお得にもらう手法の1つに、クロス取引を活用する方法があります。クロス取引とは、現物株の買い注文と、信用取引の売り注文(売建)を同時におこない、株価変動の影響を受けずに手数料だけで株主優待を取得する方法です。つまり、手数料が安いほど、少ないコストで優待を手に入れられるということです。※クロス取引の詳しい説明は、「クロス取引でお得に株主優待をゲット!」をご覧ください。

一般信用取引を使ってクロス取引をおこなうと、主に以下のコストがかかります。

  • 現物買いの手数料
  • 信用売りの手数料
  • 貸株料

※制度信用取引の場合は、「逆日歩」が発生することがあります。

今回、この3つのコストのうち「貸株料」が安くなりました。例えば、SBI証券で権利付き最終日に50万円の株をクロス取引して、権利落ち日に「現渡(げんわたし)」をした場合、2日間分の貸株料が発生します。今まで約55円かかっていた貸株料が約30円になります。

※「現渡」は、自分で持っている現物株で、証券会社から借りていた株式を返却することです。

SBI証券の貸株料の例(1日)

  • (旧)50万円×2.0%÷365日×1日=27.4円(2日間で55円
  • (新)50万円×1.1%÷365日×1日=15.1円(2日間で30円) ←25円安い!

25円の差が出ました。

「たった25円しか安くならないのか…」と思うかもしれませんが、取引額が高くなったり、返済までの期間が長くなったりすると、それに比例して貸株料は高くなります。複数の銘柄で取引すれば、その分だけ貸株料が発生するので、ある程度まとまった金額になります。こういったコストを少しでも減らすことが、クロス取引の成功につながります。

上記の例は、あくまで50万円の株を“1銘柄”のみ、“2日間保有”で考えた計算です。実は、人気優待の企業ほど、権利付き最終日が近くなるにつれて株の在庫が減っていきます。在庫がなくなると信用売りができないので、クロス取引はできなくなります。ですので、在庫がなくなる何日か前にクロス取引をおこなう必要があります。そのような理由から、ここでは例として権利落ち日の10日前にクロス取引をした場合を見ていきます。

10日前からクロス取引をおこなった場合

  • (旧)50万円×2.0%÷365日×10日274円(11日間で301円
  • (新)50万円×1.1%÷365日×10日151円(11日間で166円) ←135円安い!

135円の差が出ました。

さらに、これを10銘柄でおこなうとこうなります。

10日前から10銘柄をクロス取引した場合

  • (旧)貸株料301円×10銘柄=3,010円
  • (新)貸株料166円×10銘柄=1,660円 ←1,350円安い!

1,350円の差が出ました。1銘柄のときの10倍ですね。

最後に、これを年間で100銘柄おこなった場合、かなりの差が出ます。

10日前から年間で100銘柄をクロス取引した場合

  • (旧)貸株料301円×100銘柄=30,100円
  • (新)貸株料166円×100銘柄=16,600円 ←13,500円安い!

…なんと、13,500円も差が出ました!優待実施企業は約1,500社(2021年1月13日現在)あり、年2回おこなっている企業も多いので、優待狙いでしたら年間100銘柄以上取っている方もたくさんいます。

優待取得を目的としたクロス取引は、コスト以外にも「一般信用取引の売建」ができる銘柄数が多いかどうかがポイントです。この数は、証券会社によって大きく異なります。SBI証券は、一般信用取引の売建ができる対象銘柄数が約3,200社あり、業界トップレベルの品揃えです(2021年1月13日現在)。このように、SBI証券は欲しい優待企業を見つけやすく、手数料も安くなったので、よりクロス取引で株主優待を手に入れるのが便利になりました。

※クロス取引の詳しい説明は、「クロス取引でお得に株主優待をゲット!」をご覧ください。

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やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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