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【原油関連株・銘柄まとめ】原油株は原油高で上がる!買い時や今後の見通しも解説

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2025年7月22日

原油関連株は、原油(未精製の石油)を採掘・精製・販売する会社の株です。代表的な銘柄には資源開発のINPEX(1605)や、石油会社のENEOSホールディングス(5020)が挙げられます。原油高となった場合、これらの原油株の株価も上がります。原油株に投資する際には、原油価格の動向にも注目です。

今回は、原油関連株の現状や将来の見通しに加えて、各社の新たな取り組みもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

原油高で上がる“原油株”

原油株には「原油高で上がる」特徴があります。このため、原油価格が上昇すると原油関連株にも注目が集まります。

直近の例として、2025年6月に発生した“イスラエルと米国によるイラン核施設攻撃”が挙げられます。報復措置としてイランが「原油タンカーが通るホルムズ海峡を封鎖する」と宣言したため、原油価格が急激に値上がりし、原油関連株の株価にも上昇がみられました。

INPEX(1605)の株価推移>

INPEX(1605)の株価推移

(出典:SBI証券

原油高が原油株に追い風となる理由

原油高が原油株に追い風となる理由は、原油価格の上昇により、原油関連企業が過去に安く仕入れた原油を高値で販売できるからです。原油関連企業にとっては、販売価格と仕入価格の差が利益になります。これを見越した投資家が原油関連株を買うので、株価が押し上げられる仕組みです。

原油そのものや原油関連株は、世界景気や軍事衝突などのさまざまな要因で価格が上下するため、値上がり益を求める投資家を引きつけます。例えば、産油国が「産出量を減らす(減産)」と発表した場合、原油の需要に対して供給が少なくなるとの予想から、原油価格や原油関連株の株価が上昇します。

原油関連株・銘柄一覧

原油関連株は、大手企業を中心に配当利回りが高い銘柄が多く存在します。値上がり益と配当の両方を手にすることもできるでしょう。

原油関連株に投資する際は、「WTI原油先物」の価格に注目です。WTIとは「West Texas Intermediate(ウェスト・テキサス・インターミディエート)」の頭文字を取ったもので、米国テキサス周辺で採れる原油の価格を示します。原油関連株はWTIの動きに連動する傾向があるので、必ずチェックしましょう。

<WTI原油先物の推移(過去1年間)>

WTI原油先物の推移(過去1年間)

(出典:SBI証券

それでは、原油関連株を下記3つの種類に分けて紹介します。

原油関連株の種類

それぞれ見ていきましょう。

① 資源開発会社

資源開発会社には、原油を採掘する会社や油田設備を建設するプラント会社が含まれます。

今回は、資源開発のINPEX(1605)石油資源開発(1662)、プラント建設御三家の東洋エンジニアリング(6330)、海洋プラント専門の三井海洋開発(6269)をピックアップしました。

② 石油会社

石油会社は、原油を精製しガソリンなどの石油製品を販売しています。

『エネオス』ブランドで知られる石油会社最大手のENEOSホールディングス(5020)コスモエネルギーホールディングス(5021)をご紹介します。

③ 商社

商社は原油の輸入などの商取引をおこなっているため、原油関連株の一角を構成しています。

今回は、総合商社から石油権益を持つ三井物産(8031)丸紅(8002)兼松(8020)をピックアップしました。エネルギー商社の伊藤忠エネクス(8133)は、伊藤忠商事(8001)の親子上場※1銘柄としても注目です。

※1 親子上場とは、親会社と子会社が上場している状態を指します。近年、親子上場は解消される方向にあります。解消が発表されると子会社の株が値上がりすることが多いです。

銘柄名
クリックタップで最新株価)
事業内容
INPEX
(1605)
石油・ガス開発大手。主に海外の原油・ガス開発をおこなう。アラブ首長国連邦(UAE)や豪州などに多数の石油・ガス権益※2を持つ。水素やアンモニアの開発にも取り組む。
石油資源開発
(1662)
石油・ガス開発大手。主に国内で石油・天然ガスを生産。米国、インドネシアやロシアなどの海外にも事業を展開。原油・ガス権益の新規取得に積極的。太陽光発電も手がける。
東洋エンジニアリング
(6330)
大手プラント建設会社。石油精製設備や化学・肥料の製造設備の開発・設計に強み。海外売上比率は8割弱。三井海洋開発(6269)と洋上プラントの合弁会社を2022年に設立した。
三井海洋開発
(6269)
石油・ガス開発会社向けに、浮体式の海洋石油・ガス生産設備の設計・建設・据付工事、メンテナンスなどをおこなう。商船三井(9104)三井物産(8031)で約3割の株式を保有している。
ENEOSホールディングス
(5020)
国内首位の石油会社。石油製品の製造販売が事業の柱。石油・天然ガス開発のほか半導体材料なども手がける。海外に多数の石油・ガス権益を持つ。マレーシアのLNG(液化天然ガス)※3開発を強化。バイオ燃料、水素の開発にも取り組む。
コスモエネルギー
ホールディングス
(5021)
大手石油会社。石油の精製・販売、石油開発をおこなう。UAE、カタールで原油を生産。半導体のフォトレジスト用樹脂で世界トップクラス。風力発電や廃油を利用したSAF(環境にやさしい航空燃料)事業にも取り組む。
三井物産
(8031)
大手総合商社。2025年3月期において、金属資源とエネルギー事業が当期利益の約5割を占める。米国、豪州、中東などの海外に原油・ガス権益を持つ。原油・石油販売はアジアに力を入れる方針。2024年6月30日に株式を2分割した。
丸紅
(8002)
5大総合商社の一角。原油・ガス開発事業が売上全体に占める割合は1割程度。海外に多数の権益を持ち、米国メキシコ湾、米国陸上、インド沖合の原油・天然ガス採掘・生産・販売を手がける。傘下に石油製品を扱うエネルギー商社を持つ。
兼松
(8020)
総合商社。エネルギー専門の子会社が石油製品を調達・貯蔵し、ガソリンや、重油などの産業用燃料船舶用燃料を供給している。2025年3月期には過去最高益を更新。高配当株。
伊藤忠エネクス
(8133)
エネルギー専門商社。ガソリン・軽油、重油、LPガス、電力を販売。旧ビッグモーター社の事業再建に伊藤忠商事(8001)などと3社共同で取り組む。配当性向40%を強く意識。

※2 権益とは、石油・ガス・石炭・鉱物などを開発、生産、販売する権利のことです。
※3 LNG(液化天然ガス)は、天然ガスを冷却し液状にして運びやすくしたガスです。

原油関連株・銘柄の見通し

原油関連株の見通しを「良い・普通・悪い」で表すと、短期的にはやや「良い」と言えるでしょう。ただし、長期的には原油の利用が減る可能性が指摘されています。

それでは、原油全体の見通し分野別の見通しの2つを見ていきましょう。

原油全体の見通し

原油全体の見通しについて、短期と長期に分けて説明します。

短期見通し

米トランプ政権の誕生によって脱炭素化※4の世界的な流れが逆回転している現状は、石油業界にプラスです。また、環境などを意識したESG投資※5から資金が流出しており、原油関連株への逆風も弱まっています。

※4 脱炭素化とは、温暖化ガスの排出を実質ゼロにすることです。
※5 ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の評価に基づき投資することです。

ただし、OPECプラス※6が“シェア拡大”を目的に原油を増産しています。供給量が増えることで原油価格が上がりづらくなるため、取引の際には注意が必要です。

※6 OPEC(オペック)プラスとは、OPEC(石油輸出国機構)加盟国とロシアなどのOPEC非加盟の産油国で構成された組織です。原油価格の安定と、供給量の調整を目的として設立されました。

長期見通し

OPECが発行した『World Oil Outlook 2050』によると、世界の原油需要は2050年にかけて増加する見通しです。インドや中東、アフリカなどの国々(非OECD※7加盟国)において、原油の需要が長期的に拡大すると予想されているからです。

※7 OECDとは、欧州諸国を中心に日本や米国を含む38か国の先進国が仮名する国際機関です。日本語では「経済協力開発機構」と呼びます。OECDでは、国際マクロ経済動向や貿易、開発援助などの分析や検討などをおこなっています。

下のグラフは、非OECD加盟国の分野別原油需要見通しです。2050年にかけて緩やかに需要が拡大すると予測されています。

非OECD加盟国の分野別原油需要見通し

出典:OPEC | World Oil Outlook 2050

一方、日米欧などの先進国(OECD加盟国)では原油の需要が減少すると予想されています。

OPEC加盟国の原油需要見通し

出典:OPEC | World Oil Outlook 2050

2050年以降の見通しは出ていませんが、脱炭素化が進むのであれば、世界的な原油需要が減少するかもしれませんね。原油関連企業はこのような傾向を見越して、原油よりもCO2排出量が少ないガス事業にシフトしています。

分野別の見通し

原油関連株に関連して、下記3つの分野別見通しを詳しく説明します。

原油関連株の分野別見通し

  1. 資源開発会社
  2. 石油会社
  3. 商社

① 資源開発会社

資源開発会社の事業環境は、現在の世界情勢を踏まえて考えると、短期的には“やや良い”状況です。OPECによると、2025年と2026年の原油需要は、前年比で1%強の増加が続くと予測されています。

また、米国のトランプ政権は、原油・ガスの増産に積極的です。米国で油田事業をおこなう石油資源開発(1662)丸紅(8002)などには期待がかかります。

ただし、世界銀行によれば、原油の平均価格は2025年には1バレル64ドル、2026年には同60ドルへと低下することが予想されています。原油価格の下落によって産油国の採算が悪化すれば、増産にブレーキがかかる可能性が高まります。

原油価格の見通し

出典:世界銀行 | Commodity Markets Outlook April 2025

② 石油会社

円高と原油の値下がりの影響はあるものの、発電需要が業績の下支えとなりそうです。政府によるガソリンの補助金の延長もプラスです。

③ 商社

環境問題や投資家を意識して、総合商社は原油や石炭の取扱量を減らしています。代わりに力を入れているのが、LNG(液化天然ガス)などのガス事業です。

例えば、丸紅(8002)は英国の石油権益を手放した一方で、16隻ものLNG船を抱えています。また、アラスカのガス開発で米政府が日本の商社などに協力を呼びかけている点も要注目です。

銘柄スカウターを使ってテーマ株・関連株を深掘りする方法

まとめ

話題の原油関連株をご紹介しました。世界で軍事的な緊張が高まっており、原油相場と原油関連株は値動きしやすい状況にあります。原油関連株で値上がり益をねらう投資家にとっては、魅力的な相場と言えるでしょう。

米トランプ政権の誕生によって原油・ガスの開発・利用があらためて見直されていますが、原油関連銘柄の長期保有には注意が必要です。原油関連株を長く持ちたい場合は、各社のガス事業や次世代エネルギーへの取り組みをチェックし、銘柄選びに時間をかけることをおすすめします。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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