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DAIBOUCHOUさんに取材しました(2)

企業のビジネスモデルを理解する

ゆうと : 企業のビジネスモデルを理解するために、どのような点に注目していますか?

DAIBOUCHOUさん : 特に、次の2つに注目しています。

  1. 付加価値
  2. 誰に売っているのか

まず、「①付加価値」とは何かを理解することが大切です。なぜなら、結局ビジネスは何かを仕入れて販売しているからです。付加価値をつけないと高く買ってくれないからです。特に、付加価値は営業利益率※10の高さにあらわれます。また、仕入れに比べて高く売れるということは、その企業の強みとも言えます。

※10 営業利益率とは、「企業の本業で稼ぐ力を測る指標」のことです。

「②誰に売っているか」というのは、BtoB(企業が企業を対象におこなう取引)か、BtoC(企業が一般消費者を対象におこなう取引)かという感じです。例えば、BtoBの場合はニッチで固い一方で、すでに伸びが少なかったりします。また、BtoCの場合は競争が激しい一方で、ヒットすると爆発的に広がりやすいです。このように誰に売っているかどうかで、売上の伸び方が異なります。

ゆうと : 成長株投資をするなら、ビジネスモデルの理解は欠かせません。そのためには、企業の強みとなる「付加価値」をしっかり理解しましょう。そして、誰に売っているかを把握することで、売上や利益の成長イメージがしやすくなります。成長株投資に興味のある方は、ぜひDAIBOUCHOUさんに挙げていただいた2点をチェックしてみましょう!

投資を検討する際に注意すべきこと

ゆうと : 投資を検討するときに、特に注意していることは何ですか?

DAIBOUCHOUさん : 特に、業績予想※11を注意してみています。企業によって、業績予想はかなりクセのあることがあります。例えば、かなり保守的な業績予想で、毎期上方修正を出すような会社もあります。

※11 一般的には、本決算発表と同時に来期の業績予想が公表されます。

また、業績予想の修正※12も企業によって傾向が異なります。マネックス証券の銘柄スカウターでは、予想修正の履歴を見ると日付つきで書いてあるので、企業の業績予想を修正するクセを把握するうえで重宝しています。

※12 「業績予想」と「実際の数字」に一定の割合以上の差があるとき、上方修正や下方修正の発表をすることが証券取引所によって義務づけられています。

例えば、バリュー株※13は保守的な業績予想を出してくるところが多く、本決算のたびに株価が下落することがあります。そういう傾向の会社は、本決算のあとに買うようにします。逆に、そのような保守的な業績予想を出す会社が、横ばいや増益予想を出すときは、かなり良い決算が期待できるのでチャンスですね。

※13 バリュー株とは、「資産や業績などから評価して、株価が割安で放置されている株」のことです。

ゆうと : 成長株投資家に限らず、企業の業績予想は必ずチェックすべきです。しかし、企業によっては業績予想を控えめや、過大に出してくるようなクセのある企業があります。そういったクセを見極めるためには、マネックス証券の「銘柄スクリーニング」などを使って、企業の過去の業績予想の修正回数などを調べてみるとよいでしょう。

投資をしてきて一番苦しかった時

ゆうと : いままで投資をしてきて、一番苦しかったときはいつでしょうか?

DAIBOUCHOUさん : 一番苦しかったのは東日本大震災のときです。株のダメージだけなら大丈夫でしたが、このときは海外に居たため、「保有する不動産や自宅も震災の影響を受けているかもしれない」と思い、冷や汗がでましたね。もしかしたら、自分の持っている資産が全部ダメになるかもしれない…と、人生のピンチだと思いました。

ゆうと : リーマンショックの頃が1番苦しいと思う投資家が多いようですが、リーマンショックのときはどうでしたか?

DAIBOUCHOUさん : リーマンショックのときは、苦しいというより反省が多いですね。当時は米国債や賃貸不動産を買いましたが、株式のほうがバーゲンセールだったので、結果から見れば株式を買った方が良かったなと感じています。

ゆうと : 長く投資を続けていくと、必ず苦しいときがやってきます。直近では、コロナウイルスの影響で市場が暴落した2020年3月がまさにそんなときではないでしょうか。しかし、今回の暴落もDAIBOUCHOUさんが苦しかった2013年も、その後は市場が回復しました。苦しいなかでも生き残ることの大切さを感じますね。

まず第一に自分で考えること

ゆうと : 最後に、これから投資をはじめる方へのアドバイスをお願いします。

DAIBOUCHOUさん : まず第一に、自分で考えることです。初心者の人は、有名な投資家さん(投資が上手い人)の手法を真似するのがベストだと思いがちではないでしょうか。しかし、その人にとってはベストでも、初心者が真似をするにはハードルが高いことがあるので危険です。そのため、まずはインデックス投資※14からはじめて投資に慣れていくのが良いと思います。

※14 インデックス投資とは、「日経平均株価やTOPIXなどの株価指標と連動するように運用されている、投資信託(インデックスファンド)に投資する手法」のことです。

個別株投資をする場合でも、まずは資産バリュー投資からスタートして、貸借対照表※15損益計算書※16の構成を学んでいき、経験値を積むと良いでしょう。資産バリュー株だと資産の下支えがあるので、そこまで大きな損失を被ることがないからです。

※15 貸借対照表とは、「会社が事業資金をどうやって集めて、どのような形で保有をしているかを表すもの」です。
※16 損益計算書とは、「期間ごとの経営成績(もうけ具合)を表すもの」です。

そのあとに、成長性を加味したバリュー株投資に移っていけば、株式市場でも生き残っていけるのではないかと思います。

ゆうと : 私も「自分で考えること」は、投資で成功するうえでもっとも大切なことだと思います。そして、はじめからキチンと投資判断をすることがむづかしいからこそ、インデックス投資で慣れていくことも大事ですね。何でもはじめからうまくできる人はいません。まずは基礎から下地を作っていきましょう!

…DAIBOUCHOUさんへの取材、いかがでしたでしょうか?最後に、ここまで記事に目を通してくださったみなさんと、この取材を承諾していただいたDAIBOUCHOUさんに感謝の意を述べて、終わりとさせていただきます。ありがとうございました!

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ゆうと

この記事の執筆者

ゆうと 

投資歴8年の資産バリュー投資家です。いつも四季報を持ち歩き、1年の半分は株のことを考えている株オタク。若手投資家同士の交流を目的とした「名古屋若手投資家交流会」を主催しています。

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