DAIBOUCHOUさんに取材

DAIBOUCHOUさんに取材しました(1)

担当・ゆうと

公開日:2020年12月

インタビュア: ゆうと

投資歴21年目のベテラン投資家「DAIBOUCHOU(だいぼうちょう)さん」に取材をさせていただきました。DAIBOUCHOUさんは、割安な成長株をメインにしつつも、バリュー株などにも広く分散投資しています。また、相場の状況に合わせて信用取引を使ったり、ポートフォリオの入れ替えをおこなったりと、さまざまな手法を活用されているのも特徴的です。

そんなDAIBOUCHOUさんに、“株式投資をはじめたきっかけ”や“割安成長株の探し方”についてくわしく伺ってきたので、ぜひご覧ください!インタビュアは、ゆうとがお送りします。

<DAIBOUCHOUさんの経歴>

西暦 投資に関する主な出来事
1999年 社会人になってから400万円で投資スタート。はじめは投資信託を購入した。
2000年 個別株のほうが儲かるのではと思い、個別株投資に移る。
2003年 パチスロ機が売れて業績が伸びていたセガサミーホールディングス(旧 サミー)(6460)を購入。
2004年 飯田グループホールディングス(旧 アーネストワン)(3291)や、フージャースホールディングス(3284)どの不動産銘柄を、信用取引で購入。団塊ジュニア世代の住宅購入タイミングとうまく合ったため、業績が伸びて株価も上昇した。専業投資家に転身
2005年 不動産流動化銘柄(企業の保有する不動産を証券化するビジネスをおこなっている企業)の、アーバンコーポレイション、パシフィックマネジメント、アセット・マネジャーズを購入※1 。新しい産業誕生の波にのり、資産を大きく増やす
※1 アーバンコーポレイション、パシフィックマネジメント、アセット・マネジャーズの3社は、現在上場していません。
2006年 ライブドアショックで資産が急減も、投資していた中国株ファンドは好調だった。
2008年 リーマンショックのときは、お金がなくて株はやっていなかった。インカムゲイン(資産を保有することによって得られる利益)目的で、米国債や不動産を購入。
2010年 満期になった中国株ファンドからお金が戻ってきたことで、株式投資を再開。
2011年 東日本大震災のときは海外にいたため、自宅や投資していた不動産の影響がわからず、ヒヤヒヤした。
2013年 アベノミクス相場がはじまり、信用取引を再開。
2020年 新型コロナウイルスによる暴落を受けるも、年初来パフォーマンスはプラスに復帰。

はじめは「せどり」からスタート

ゆうと : 株式投資をはじめたきっかけは何ですか?

DAIBOUCHOUさん : 20代の頃おこづかい稼ぎとして、フリーマーケットで昔のゲームソフトやアニメのテレホンカードなどを買って、ヤフオクで売るせどり※2をしていました。フリーマーケットで安く買ってヤフオクで高く売れば、ある程度儲けることができました。そのような経験があったので、株式投資も同じような感じかなと思ってはじめました(笑)。

※2 せどりとは、「商品を転売して差額で儲ける方法」のことです。

ゆうと : そこからどのように投資をはじめましたか?

DAIBOUCHOUさん : はじめは社会人になって貯めた400万円で投資信託を購入しました。私が投資をはじめた1999年は、ITバブルで相場が盛り上がっていましたが、あまり恩恵がありませんでしたね(笑)。結果的には、個別株投資のほうが儲かるなと感じて個別株投資にシフトしました。

まずは資産バリュー株投資※3からはじめて、徐々に成長株投資※4にシフトしました。特に、成長力があるのに財務的に問題があり安くなっていた、飯田グループホールディングス(旧 アーネストワン)(3291)フージャースホールディングス(3284)などの不動産株に集中投資をしました。

※3 資産バリュー株投資とは、「本来の資産価値よりも安い値段が付いている会社を買って、適正な価格になるのを待つ投資法」のことです。
※4 成長株投資とは、「企業の将来性を吟味して、株価の上昇余地を考え、成長性を期待する投資法」のことです。

結果的には、低価格で住宅を売る両社と、団塊ジュニア世代が住宅を購入するタイミングがうまく合ったため、業績が伸びて株価も上昇しました。さらに、飯田グループホールディングスの株式を担保にして、フージャースを信用取引※5を使って買うなど、かなりレバレッジ※6も活用しました。

※5 信用取引とは、「自分の資金や株式などを担保(たんぽ)にして、持っているお金以上の取引ができる手法」のことです。
※6 レバレッジとは、テコの原理という意味で、「少ない資金で大きなリターンを狙う」ことです。

ゆうと : なぜ、信用取引を使おうと思ったのですか?

DAIBOUCHOUさん : もっと資産を増やしたいと思ったからです。当時、数百万円の資産でお金もなかったので仕方がなかったと考えています。また、仕事もしていたため、仮に資産がゼロになっても生きていけるとも思っていました。

それに、飯田グループホールディングスやフージャースのホームページから、マンションの竣工・販売状況が確認できていたため、業績の確度には自信がありました。結果、飯田グループホールディングスやフージャースへの投資がうまくいったことで、専業投資家になることができました。

ゆうと : 専業投資家になって、投資手法の変化はありましたか?

DAIBOUCHOUさん : それまでよりもレバレッジの比率を下げました。それまでは、現物株式「1」に対して、信用取引を「2」という感じでしたが、この比率を1:1まで下げました。それでも、ずいぶん高い比率かもしれませんが(笑)。今は、相場が好調な時にのみ使っていますね。

投資手法は、伸びている業種・業界や、割安な成長株に投資する点は変わりません。一方で、集中投資から分散投資になった点は大きく変わったと思います。専業投資家になって投資に割ける時間が増えたことで、たくさんの銘柄を調べられるようになりました。

ゆうと : DAIBOUCHOUさんは信用取引をうまく活用して大きく資産を増やされましたが、思わぬ損を出すことがあるので、株初心者の方はやめておきましょう。信用取引は魅力的な手法ですが、リスクをしっかりと把握して勝負する場面でだけで活用すべきだと感じました(→信用取引とは?)。

割安な成長株に投資するときの注目ポイント

ゆうと : 割安な成長株に投資するときは、どういったところに注目しますか?

DAIBOUCHOUさん : 注目しているのは、決算です。特に、直近の決算で動きがあるものを狙っています。前年同期比などで良い決算が出た企業を狙いたいですが、わかりやすく良い決算が出るとすぐに株価へ織り込まれるのでチャンスが少ないですね。まだ上値があると思えばそれでも買うこともありますが(笑)。

例えば、次の2つのポイントに当てはまる場合は購入を検討します。

<割安な成長株に投資するときの注目ポイント>

  • ①業績が良いセグメント(事業)と、悪いセグメントがミックスしているケース
  • ②前年四半期の決算が悪く、次の決算が良くみえるケース

「①業績が良いセグメントと、悪いセグメントがミックスしているケース」は、一見すると業績が停滞しているようにみえるものが良いですね。例えば今期はコロナウイルスの影響で、一時的に悪いだけのセグメントであれば、元に戻ったときに全体の業績がかなり良くみえるようになります。

また、「②前年四半期の決算が悪く、次の決算が良くみえるケース」は、前年四半期に費用がかさんでいたものが良いですね。例えば、広告宣伝費が前年四半期はかなりかかっていたものが、今期から広告を出す媒体を変えて広告宣伝費が減っていると、かなり利益が出るようになったりします。

ストレートにわかりやすい好決算ばかりではなくて、訳アリや注目されにくい理由があるものをチェックしています。

ゆうと : わかりやすく業績の良い企業は注目が集まりやすく、すでに割高な場合が多いため、DAIBOUCHOUさんが狙っているような「訳アリな割安成長株」を探すのは面白そうですね。特に今年はコロナウイルスの影響で、一時的に業績が落ち込んでいるだけの優良銘柄も多くありますから、チャンスが多そうですね!

割安成長株をスクリーニングする際の条件

ゆうと : 割安な成長株を探すときに、どういったスクリーニングをしていますか?

DAIBOUCHOUさん : 次の2つをチェックします。

<割安成長株を探すときの条件>

  • ①10年平均の売上高成長率※7が10%以上
  • ②PER※8が過去の平均より下かどうか

※7 成長率とは、「今期の業績が前期と比べてどれだけ増えたかがわかる指標」のことです。
※8 PERとは、「会社の利益と株価を比較して割安性を測る指標」のことです。

「①10年平均の売上高成長率10%以上」は、売上高がキチンと伸びているかどうかをチェックします。特に、マネックス証券の銘柄スカウターだと、普通のスクリーニングより長い期間でスクリーニングできるので便利ですね。

マネックス証券が提供する銘柄スカウター

(出典:マネックス証券

「②PERが過去の平均より下かどうか」は、PERの過去の平均の推移をみて、現在の株価だとどの辺りかということをチェックします。ただ、今の相場(2020年)だとPBR※9のほうがいいですね。PERは赤字だと対象外になるため、代わりにPBRが3倍くらいの銘柄が1倍くらいまで下がっているかどうかをみています。

※9 PBRとは、「企業の持っている株主資本(純資産)から見た株価の割安度がわかる指標」のことです。

こういった条件を満たしていれば、成長している企業を割安に買えると思いますね。結構身近なところに割安な成長株があることが多いので、自分の身の回りにある企業を調べてみるのも面白いですよ。

マネックス証券が提供する銘柄スカウターについて詳しく知りたい人は、『マネックス証券の「銘柄スカウター」で業績分析が5分で完結!』もあわせてご覧ください。

ゆうと : これまで何度も著名な個人投資家さんを取材させてもらいましたが、DAIBOUCHOUさんをはじめ、多くの投資家さんがマネックス証券の「銘柄スクリーニング」を活用していますね。投資家必須のツールと言えそうです!また、身の回りの企業に目を向けることも大事だと感じました。両方をうまく組み合わせていくことが肝心ですね。