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DUKE。さんに取材しました(1)

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

公開日:2023年2月

インタビュア: ひっきーやさしい株のはじめ方編集部
投資歴20年のベテラン投資家、「DUKE。(デューク)さん」に取材させていただきました。DUKE。さん(以下、DUKEさん)は新高値ブレイク投資法で“億り人”になられた方です。この投資法を解説した著書を複数出されており、2022年12月には『忙しい人でも1日10分から始められる 3年で3人の「シン億り人」を誕生させたガチ投資術』を出版されました。また、新高値ブレイク投資法が学べる「新高値ブレイク投資塾」も運営されています。

今回は、そんなDUKEさんに”株式投資をはじめたきっかけ”や”新高値ブレイク投資法の極意”、”投資で成功する人と失敗する人の違い”などの気になるポイントをお聞きしてきました!

株式投資をはじめたきっかけは「結婚」

ひっきー : まずは、DUKEさんの投資家としての経歴を教えていただけないでしょうか?

DUKEさん : わかりました!私の経歴を下の表に整理したので、こちらを見ながらお話していきますね。

DUKE。さんの経歴

DUKE。さんの経歴
西暦 投資に関する主なできごと
2003年 結婚をきっかけに資産形成を決意。ロバート・キヨサキの『金持ち父さん 貧乏父さん』を読み、元手400万円で株式投資を開始。投資信託の組み入れ銘柄をヒントに投資。
2005年 新興市場バブルに乗り、累計利益2,400万円を達成。
2008年 ライブドア・ショックリーマン・ショックの影響で2,400万円の累計利益が消え、振り出しに戻る
2009年 100冊以上の本を読み、ファンダメンタルズ分析※1を使った投資を本格的に開始。
2012年 オニールやミネルヴィニ、ニコラス・ダーバスの投資手法を参考に、新高値ブレイク投資法の原形となる投資法を考案、実践しはじめる。
2014年 株式投資の累計利益が1億円を突破、“億り人”になる。
2015年 総資産2億円を突破。
2016年 総資産4億円を突破。会社員を卒業し、専業投資家に転身。初の著書『1勝4敗でもしっかり儲ける新高値ブレイク投資術(東洋経済新報社)』を出版。
2017年 総資産5億円を突破。
2019年 社会貢献できる億り人100人輩出を目標に「新高値ブレイク投資塾」を開校。
2022年 実際に“億り人”となった投資塾生の成功体験や、ファンダメンタルズ・テクニカルの新しい内容を追加した著書『忙しい人でも1日10分から始められる 3年で3人の「シン億り人」を誕生させたガチ投資術(KADOKAWA)』を出版。

※1 ファンダメンタルズ分析とは、企業の財務状況や業績をベースに、企業が持つ本質的な価値を分析する方法です。企業の価値に対して株価が割安か割高か、今後の成長が見込めるかどうかを判定するのに使います。

ひっきー : DUKEさんは2003年に株式投資をはじめられたようですが、そのきっかけを教えてください。

DUKEさん : 2003年の結婚がきっかけです。「子供ができたらどうしよう?」、「家を買うときに住宅ローンを組んで良いのだろうか?」といった、将来のお金に対する漠然とした不安を抱くようになりました。これがきっかけで、資産形成に興味を持ったのです。

ひっきー : 資産形成に興味を持たれた後、どのようなアクションを取りましたか?

DUKEさん : ロバート・キヨサキの『金持ち父さん 貧乏父さん』を読みました。この本を読んで、株式投資か不動産投資のどちらかに挑戦しようと考えたのですが、私は企業の経理部・管理会計部門で仕事をしていたため、経理の知識が活かせる株式投資を選びました。

株式投資をはじめた直後は「投資信託の組み入れ銘柄」を参考に投資

ひっきー : ロバート・キヨサキの本がきっかけだったのですね!はじめはどのような投資手法を採用していましたか?

DUKEさん : 株式投資をはじめて4~5年くらいは、ひふみ投信の藤野英人さんが投資信託に組み入れている銘柄を参考にしながら、自分で調査・分析して投資していました。当時は相場環境が良く、「何を買っても上がる」状態だったので、新興市場バブルに乗って資産を増やすことができました。

やさ株編集部 : 藤野さんは、投資信託にどんな銘柄を組み入れていたんですか?

DUKEさん : ヴィレッジヴァンガードコーポレーション(2769)が入っていたのを覚えています!このように、投資信託の組み入れ銘柄を参考に投資先を選ぶ方法で、2005年には累計利益2,400万円を達成しました。うれしくて、奥さんに報告したのを覚えています!しかし、報告したときが天井でしたね…。

リーマン・ショックで累計利益がゼロになったことが転機に

DUKEさん : 累計利益2,400万円を達成した後は、株式投資がうまく行かなくなりました。2006年のライブドア・ショックと2008年にはリーマン・ショックの影響で、累計利益2,400万円がゼロになってしまったのです。

ひっきー : 累計利益がゼロになってしまうのは相当苦しいですよね。しかも、これまでの自分の頑張りを否定されたような気持ちになってしまいます。

DUKEさん : そうなんです…。でも、これが転機になったんです!株式投資に必要なスキルを学ぼうと考え、ファンダメンタルズ分析を使った投資本を中心に100冊以上の本を読み込みました。

やさ株編集部 : 100冊ってとんでもない量ですね…!たくさん投資本を読む中で、特に参考になった本はありますか?

DUKEさん : ウィリアム・J・オニールマーク・ミネルヴィニニコラス・ダーバスの投資本が参考になりました!また、当時は“ふりーパパさん”が投資塾を運営していたので、その塾にも入って勉強したんですよ。

ひっきー : オニールとミネルヴィニの本は読んだことがありますが、2人ともファンダメンタルズ分析とテクニカル分析※2を組み合わせて投資していますね。

※2 テクニカル分析とは、過去値動きを表すチャートを見て、トレンドやパターンを把握し、今後の株価の動きを予想するものです。テクニカル分析(補足)でも説明していますので、興味がある方はぜひご覧ください。

DUKEさん : そうなんです!彼らの投資法を学んだことが、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の“いいとこ取り”である「新高値ブレイク投資法」を開発するきっかけとなりました!

新高値ブレイク投資法を実践しはじめてからは投資成績も好調で、2014年には累計利益が1億円を突破し“億り人”の仲間入りを果たせました!そのあとも順調に資産を増やせています。

新高値ブレイク投資法は「人生を劇的に変えられる、夢のある投資法」

DUKEさん : 新高値ブレイク投資法をひとことで表すと、「人生を劇的に変えられる、夢のある投資法」です!投資経験のある方に説明するなら、「テクニカルとファンダメンタルズの”いいとこ取り”投資法」でしょうか。それでは、もう少し具体的に新高値ブレイク投資法について説明していきますね。

ひっきー : よろしくお願いします!

新高値ブレイク投資法とは?

DUKEさん : 新高値ブレイク投資法とは、新高値※3を更新(ブレイク)して上昇トレンドに乗る銘柄にいち早く気づき、企業の大きな変化に着目し、大きなリターンを狙う投資法です!

※3 新高値とは、過去1年程度で見た場合の高値を表します。新高値ブレイク投資法では、もう少し期間を長く取り、2年での新高値更新銘柄を探す場合もあります。

<新高値ブレイク投資法>

新高値ブレイク投資法

DUKEさん : 新高値ブレイク投資法における購入と売却のタイミングを整理すると、次のようになります。

購入と売却のタイミング
取引の種類 具体的なタイミング
購入 ・新高値ブレイクしたとき
・カップウィズハンドル※4のブレイクしたとき
・ボックス圏※5を上にブレイクしたとき
売却 大幅上昇したあと、ボックス圏を下に抜けたとき

※4 カップウィズハンドルとは、オニールが提唱したチャート形状です。チャートの形が「取っ手付きのティーカップ」を連想させることから、この名前が付いています。カップウィズハンドルが表れた企業の株価は、その後に上昇するケースが多いと言われています。

※5 ボックス圏とは、株価が上下に大きく動くことなく、箱の中に閉じ込められているかのように一定の価格帯で上下に動いている状態のことです。この状態から上に株価が突き抜けた場合は、上昇トレンドになる可能性が高いと言われています。一方でボックス圏から下に株価が突き抜けた場合は、下落トレンドになる可能性が高いと考えられています。

ひっきー : 取引のタイミングは、テクニカル分析で計るのですね!

DUKEさん : そのとおりです!基本は「新高値ブレイクしたとき」に購入し、大幅に上昇したあと「ボックス圏を下に抜けたとき」に利益確定します。

この他にも、購入のタイミングとして「カップウィズハンドルのブレイク」と「ボックス圏を上にブレイク」があります。「カップウィズハンドルのブレイク」は新規購入のタイミングとして、新高値ブレイクする前に仕込む場合に使います。一方、「ボックス圏を上にブレイク」は買い増しのタイミングとして使います。

また、株式市場全体が下落相場入りしているなど相場環境が悪いときには、それに合わせた“よりリスクを抑えたエントリー方法”を採用しています。具体的には、上昇トレンドにある銘柄がボックス圏で推移しているとき、「ボックス圏の底値近辺で買う」方法です。このように、より損失を抑えられる買いポイントを狙います。

ひっきー : そのような使い分けがあるのですね!話を戻して、新高値ブレイクした銘柄を購入する理由は何でしょうか?

DUKEさん : 新高値を更新する銘柄は、その企業のビジネスに何かしら大きな変化(ビッグチェンジ)が起きていることが多いためです。このような銘柄は、その後に業績が成長したり、投資家の注目が集まったりして株価が上昇していきます。ビッグチェンジの例には、次のようなものがあります。

ビッグチェンジの例

  • 新製品、新サービス、新業態、新技術
  • 新事業
  • M&A、資本業務提携
  • 新経営陣
  • 政府や日本銀行の政策

ひっきー : このような銘柄を見つけるために、DUKEさんはどのように調べていらっしゃいますか?

DUKEさん : 証券会社のサイトやアプリなどを使って、年初来高値ランキング上昇率ランキングをチェックしています!

SBI証券 株アプリ 年初来高値ランキング>

SBI証券 株アプリ 年初来高値ランキング

(出典:SBI証券 株アプリ)

DUKEさん : 加えて、新高値を更新している銘柄があれば、「なぜ新高値を更新したのか」を確認します。前日や当日に良い決算が発表されたり、新製品や新サービスのリリースが出たりしていることが多いです。新高値を更新した材料がわかったら、その企業が今後どうなっていきそうかを予想していきます。

もう少し具体的に話すと、「どれくらいまで業績が成長するのか」、「その場合の適正株価はいくらになるか」を予想していくのです。ここでは、企業の管理会計部門で培った会計や企業分析のスキルが活きてきます!

ひっきー : 「新高値ブレイク」という名前から、テクニカル分析をメインにした手法かと思っていました。実はファンダメンタルズ分析が重要な投資法なのですね!

DUKEさん : よく誤解されますが、そのとおりです。株を買うときは特にファンダメンタルズを重視しているので、新高値ブレイク投資法を実践するにはファンダメンタルズ分析の勉強が必須ですよ!ちなみに、取引の際のファンダメンタルズとテクニカルの配分は次のとおりです。

ファンダメンタルズとテクニカルの配分
取引 ファンダメンタルズとテクニカルの配分
買い ファンダメンタルズ:テクニカル=5:1
売り ファンダメンタルズ:テクニカル=1:2

ファンダメンタルズ分析のスキルを身に付ける方法

ひっきー : 新高値ブレイク投資法に必要なファンダメンタルズ分析のスキルについて、具体的に教えてください!

DUKEさん : わかりました!私は次の2つのスキルが必要だと考えています。

ファンダメンタルズ分析で必要なスキル

  • 収益の源泉がどこにあるのかを理解するスキル
  • 業績予想をするスキル

ひっきー : なるほど!1つ目の「収益の源泉がどこにあるのかを理解するスキル」は、どれだけ企業のビジネスモデルを知っているかがポイントになりそうですね。2つ目の「業績予想をするスキル」は、“どんな費用がかかり、売上高の増加にあわせてどう変化するか”を予想しなければいけないので、会計のスキルが必要になりそうな印象を持ちました。DUKEさんは、このようなスキルをどのようにして身に付けましたか?

DUKEさん : もともと経理出身なので会計の知識は持っていました。また、仕事では企業の業績予想を作成していたので、これも経験でカバーできたんです。ただ、これでは不十分だと考え、証券アナリストや外資系アナリストが書いた本を読んだり、機関投資家として中で運用していた人の講座を受けてDCF※6やDDM※7など実践的な方法を学んだりしました。

※6 DCFとは、「Discounted Cash Flow」の略です。企業が将来に生み出す収益(キャッシュフロー)を現在の価値に割り引くことで、企業の価値を計算する方法を言います。

※7 DDMとは、「Dividend Discount Model」の略で、日本語では「配当割引モデル」と言います。株価の理論値は将来に支払われる配当の現在価値の合計と考えて、適正な株価水準を求める手法です。

ひっきー : このようなスキルを身に付けたいと思っても、なかなか学ぶ機会がないように感じます。

DUKEさん : おっしゃるとおりですね。そのため、新高値ブレイク投資塾の塾生には、機関投資家がやっているようなファンダメンタルズ分析の手法についても、無駄な部分や実務的ではない部分は省き、個人投資家でも実践できる実務的な手法に落とし込んでレクチャーしています!ファンダメンタルズ分析を本気で学びたい方に、ぜひ入塾していただきたいです!

ひっきー : 心強いですね!ところで、ファンダメンタルズ分析のスキルを持っていれば投資家としてやっていくには十分な気がしますが、テクニカル分析を組み合わせたのにはどんな理由があるんですか?

DUKEさん : ファンダメンタルズ分析だけでは、資産を効率的に増やせないからです。スパイス的にテクニカル分析を組み合わせることで効率よく資産形成ができます!

新高値ブレイク投資法が向いている人

やさ株編集部 : 「効率よく資産形成ができる」と聞くと、私自身も挑戦したくなります。日中仕事しているサラリーマンでも、新高値ブレイク投資法は挑戦できるのでしょうか?

DUKEさん : もちろんです!私自身も会社員時代にこの手法で“億り人”になったので、忙しいサラリーマンでも挑戦できます。私の場合は、仕事が終わって24:00に帰宅、そのあと2時間くらい銘柄調査する生活をしていました。宝探しが楽しくて、ついやってしまうんですよね!

ひっきー : DUKEさんの才能ですね!楽しみながら株式投資を続けていけるのが一番良いと思います。

新高値ブレイク投資法の事例「ブランジスタ」

ひっきー : 新高値ブレイク投資法について理解が深まってきたので、成功事例を教えていただけませんか?

DUKEさん : もちろんです!新高値ブレイク投資塾でも使っているわかりやすい例として、ブランジスタ(6176)を紹介しますね。

ブランジスタ(6176)の投資事例>

ブランジスタ(6176)の投資事例

DUKEさん : ブランジスタに投資をしたのは、2016年のことでした。当時はチャイナショックのあとで相場全体の環境が悪く、ボックス圏で推移していた銘柄もボックス圏の底を割って下がっていく銘柄が多くありました。しかし、ブランジスタはボックス圏の底を割らずに推移していたのです。

ブランジスタには「秋元康関係のゲーム(神の手)が出る」という思惑がありました。この思惑と株価チャートの動きから、「ボックス圏の底で買い集めている人がいる」と判断し、2016年2月に株を購入したのです。その後、ブランジスタは相場環境の改善に後押しされ、3月中旬と4月中旬に新高値を更新しました。もちろん、このタイミングで株を買い増ししています。

5月に入ってから、ブランジスタの株価は急騰ストップ高になりました。しかし、その直後に上ヒゲ※8を付けてストップ安となったため、分割して売却、利益を確定しました。この取引で得た利益は1億5,000万円です!

※8 上ヒゲ(うわひげ)とは、株価チャートに描かれるローソク足の1種です。ローソクの四角形の上側に棒が付いている形を指します。このローソク足は、相場の転換点でよく出現します。ローソク足について詳しく学びたい方は、株価チャートを学習する②をご覧ください。

ブランジスタ(6176)の取引事例まとめ
取引日時 取引 取引理由
2016年2月 買い ・電子雑誌の会社が、新事業として始めたゲーム事業で「秋元康プロデュースのゲームを出す」ことで、大きな変革(ビッグチェンジ)を起こす可能性があったため
・相場環境が悪い中でもボックス圏の底を割らずに推移していたため
2016年3月 買い 相場環境の改善に後押しされて新高値を更新したため
2016年4月 買い 相場環境の改善に後押しされて新高値を更新したため
2016年5月 売り ・これまでギャップアップを続けて急騰していたため、分割売りを実施
・株価がストップ高になった直後、株価チャートが上ヒゲを付けてストップ安に。“天井圏での大陰線出現”となったため、典型的な天井サインと判断して売却

ひっきー : 1億5,000万円の利益…!短期間でこれほどの利益が出るとは、すごすぎます!

DUKEさん : ありがとうございます!これは思惑だけで急騰し、残念ながら業績はついてこなかった事例ですが、私の投資塾では、基本的に業績のしっかりと出ている銘柄の事例を使ってみんなで勉強しているんですよ!

ひっきー : 他の事例も気になるところですが…入塾した人のお楽しみですね!ところで、何度か登場している「新高値ブレイク投資塾」がどのような塾なのか、詳しく教えていただけませんか?

DUKEさん : もちろんです!次のページで詳しく説明しますね!

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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