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www9945さんに取材しました(2)

www9945さんが使っている証券会社

ゆうと : www9945さんは、どこの証券会社を使っていますか?

www9945さん : アイザワ証券、SBI証券東海東京証券野村證券の4社をメインで使っています。

ゆうと : それらの証券会社を使っている理由も教えていただいてよろしいでしょうか?

www9945さん : 外国株の取引と信用取引で、証券会社を使い分けています。まず、外国株はSBI証券とアイザワ証券を使っています。一番わかりやすいのはアイザワ証券で、アジア株の取引に使っています。アジア株の取り扱いが多く、特にフィリピン株を買えるのはアイザワ証券くらいしかありません。アイザワ証券でしか買えない株への投資に使っています。

ゆうと : 他にないですもんね。僕もアイザワはその特徴がすごい強いなと思います。

www9945 : SBI証券も、外国株の取り扱いが多いので使っています。特に米国株はがっつり取り扱っていますね。楽天にもちょっとあったんですけど、配当金再投資を米国株とベトナム株でやってるもので、配当金が入って外貨でそれを買うと、為替手数料がないんですよね。その節約の意味も込めてSBI証券に集中しました。

SBI証券で取り扱っている外国株式一覧
外国株式 1注文あたりの
取引手数料(税込)
米国 約定代金×0.495%
(最低0米ドル~最大22米ドル)
中国 約定代金×0.286%
(最低51.7香港ドル~最大517香港ドル)
韓国 約定代金×0.99%
(最低9,000韓国ウォン~)
ロシア 約定代×1.32%
(最低550ロシアルーブル~)
ベトナム 約定代金×2.2%
(最低1,320,000ベトナムドン~)
インドネシア 約定代金×1.1%
(0米ドル~最大22米ドル)
シンガポール 約定代金×0.495%
(0米ドル~最大22米ドル)
タイ 約定代金×0.495%
(0米ドル~最大22米ドル)
マレーシア 約定代金×0.495%
(0米ドル~最大22米ドル)

(2023年3月現在)

ゆうと : 東海東京証券、野村證券はどのような理由で使っているのですか?

www9945 : 信用金利の安さが大きな理由です。特に野村證券は、一般信用取引の金利が0.50%とかなり安く設定されています。

ゆうと : 返済期限の決まりがない一般信用のほうが当然金利が高いじゃないですか。その金利が高い一般信用が0.5%ってことですもんね。

www9945 : そうですね。SBI証券は2.8%なので、相当安いです。東海東京証券は、制度信用取引で年間0.9%と安いので、最初は東海東京オンリーだったんですけど、野村證券の安さを教えてもらってからは半分移しました。

信用取引ができる証券会社の手数料・金利比較
証券会社 信用取引の売買手数料(税込) 信用金利
~50万円 ~100万円 ~300万円 制度 一般
野村證券 一律524円 0.50%
東海東京証券 198円 50万円超は一律363円 0.90% 2.20%
SMBC日興証券 無料 2.50% 3.00%
SBI証券 無料 1,320円 2.80%
楽天証券 無料 3,300円 2.80%

(2023年3月現在)

ゆうと : 証券会社によって特徴が異なりますので、自分の特徴に合わせて証券会社を使い分けるのは大事ですね。特に信用取引をかなり駆使している場合は、金利負担もその分大きくなります。www9945さんもおっしゃっていますが、ネット証券より野村證券や東海東京証券などの対面証券会社のほうが、信用金利が低いこともあると思いますので、比較検討してみてはいかがでしょうか。

www9945さんが、今注目する業界や銘柄を教えてください!

ゆうと :  今注目する業界や銘柄があればぜひ教えてください。

www9945 : 次の3つのセクターに注目しています。

高齢者関係のセクター

www9945 : 1つ目は高齢者関係のセクターです。今後10年で団塊の世代の死亡者数が増えますが、医療費や介護費などは亡くなるときに1番使います。そのため、医療・介護も含めたセクターは割りと良いと思って買っています。

ゆうと : 死は避けられないですからね。ただ、同じ医療・介護の中でも良いところと悪いところがあると思いますが、どういった銘柄に注目されていますか?

www9945 : 例えば、福祉用品のレンタル事業をおこなっている日本ケアサプライ(2393)に注目しています。レンタルによるリース代が利益になっているので、安定してお金を稼いでいけるからです。ほかにも、医療事務の受託をおこなっているソラスト(6197)も、PCR検査の特需がなくなったので、これから面白いかなと思っています。

ゆうと : なるほど。医療とか介護系の中でも、キャッシュフローや業績が安定している会社に注目されているということですね。

動画セクター

www9945 : 2つ目は動画セクターです。このセクターは、私がいつも投資しているバリュー株や高配当株の基準からは外れます。ただ、私自身、以前は本や漫画などをよく読んでいたのですが、最近は電子書籍すら読むのがしんどくなってきて、動画をよく見るようになったんですよね。

実際、動画はテレビの視聴率を削るくらいみんな夢中になっていますから、YouTubeを運営するアルファベット(GOOGL)ネットフリックス(NFLX)USEN-NEXT HOLDINGS(9418)なども含めて狙っていますね。

ゆうと : いわゆる余暇の時間を扱う企業を狙っているということですね。

www9945 : そうですね。先に挙げたテレビ業界以外にも、パチンコ・パチスロ業界などから、どんどんお客さんを奪っている状況にあるとみています。

ゆうと : その流れがこれからもさらに続いていくということですね。

教育セクター

www9945 : 3つ目は教育セクターです。親が子供にかける教育費は、スタグフレーション※9になっても減らないんですよね。

※9 スタグフレーションとは、景気停滞(スタグネーション)と物価上昇(インフレーション)が同時に進む現象のことです。

ゆうと : おっしゃるとおりだと思いますね。その部分は削らないというか、削れないですよね。

www9945 : まさに聖域だと思っています。無理をしてでも、身を削ってでも自分の子供には教育を受けさせていくと思うので、有望なセクターだと思っています。

ゆうと : 教育セクターも裾野の広い業界だと思いますが、どういった銘柄に注目していますか?

www9945 : 首都圏を地盤に中高一貫校に力を入れている学究社(9769)などに注目しています。ゆるやかに成長していますし、ROA・ROEが高く良い会社だと思っています。

ゆうと :www9945さんの注目するセクターはどれも短期的な視点ではなく、中長期的に需要が高まりそうな業界を見つけるというお話でした。また、挙げられた3つの業界はどれも消費者目線に立っているため、www9945さんの実践されている「街角ウォッチ」の視点が落とし込まれているように感じましたね。

 

投資を検討する際に注意するポイントは?

ゆうと : 投資を検討する際に注意しているポイントはありますか?

www9945 : 自分が仕事で知っている情報を活かしてみることです。

例えば、2021年の10月頃まで、製薬企業の営業担当者はコロナ禍の影響でお医者さんに営業がかけられませんでしたが、10月からかけられるようになったんです。医療関係者にとっては当たり前に感じるような情報ですが、知らない場合は「おー」と思いますよね。こうした自分にとっては当たり前だけど、業界以外の人はまったく知らないような情報にはすごい価値があると思いますね。

ゆうと : その仕事に携わっている人なら、当たり前のような情報ってことですね。

www9945 : そうですね。ただ、注意すべきは趣味で知っていることはちょっと違うと思います。趣味だと主観が入ってしまい、バイアスがかかっている恐れがあるので注意が必要です。やはり一番価値があるのは、自分が仕事で当たり前だと思っている何気ない情報なので、それを投資に置き換えて考えられることは、意識しています。

ゆうと : www9945さんのおっしゃっているポイントは、まさに兼業投資家の強みだと思いますね。自分の働く業界のことは自然と詳しくなっていきますし、他の人が知りえない情報も得やすいと言えるでしょう。ぜひ、自分の業界の企業や取引先などを調べてみてはいかがでしょうか?

 

投資をしてきて一番苦しかったとき

ゆうと : 1992年から30年続けられた投資歴の中で、一番苦しかったときはいつですか?

www9945 : 2008年の11月2日ですね。2006年1月に資産総額がピークで、5,200万円くらいになっていましたが、2008年の9月にリーマンショックが起こって、11月2日には資産がちょうど半分になっちゃったんですよ。俺は2年半、いったい何をやってたんだみたいな(笑)。絶望を感じましたよ、本当に。これで俺、おくりびとになれるの?みたいな。帰った瞬間、泣いていましたね。

ゆうと : 2006年ぐらいのバリューがすごく良かった高値から、リーマンショックの直後ですか。資産が半減するのは相当苦しいですね。結構入金もされていましたよね?

www9945 : 年間だいたい100万円くらいは入金していたので、入金が9割であとの1割くらいが儲かっただけなんですよ。16年間何をやってたんだ、定期預金してたほうがマシだったと思いました(笑)そこではじめて投資をやめようと思ったくらいです。やめたらえらいことになっていましたが。

ゆうと : そこでなんとか踏ん張ったってことですね。

www9945 : 1時間くらい泣いていましたが、そこからしょうがないやって考えて、結局ほかの銘柄にまた資金をぶっこんでいました(笑)。

ゆうと : www9945さんが味わったような苦境は、長く投資を続けていれば誰しも必ずやってくるものだと思います。そういった苦しいときに立ち止まって諦めてしまうか、もうひと踏ん張りしてやり直していくのかで真価が問われることでしょう。私自身もこれから何十年と株式投資を続けていきますので、身の引き締まる思いでしたね。

 

100株でも良いから買ってみて、それを1年間持ち続ける

ゆうと : 最後に、これから投資をはじめる方へのアドバイスをお願いします。

www9945 : 個別株投資をおこなうのなら、まずは自分の好きな株や仕事に関係する会社の株を100株でも良いから買ってみて、1年間持ち続けてみてください。私自身もそうですが、いつ配当金が振り込まれるのか、いつ株主優待が届くのか、確定申告は必要なのかなど、最初は何も分からないと思います。そういった疑問も、1年をとおして株式を持ち続けることで分かってくるはずです。

また、最初から決算書などを読み込んでいくのがむずかしいと感じるようなら、はじめは自宅に送られてくる株主向けの報告書などを熟読してみてはいかがでしょうか。

ゆうと : まずは自分の仕事や趣味など分かる範囲の会社に投資してみて、株式を1年ぐらい持って、送られてくるものをまず読んでみるといいということですね。

www9945 : そうですね。年間タイムスケジュールを把握するのが、個別株投資の第一歩です。株価はあまり意識しなくても良いと思いますが、こういったことは意識していかないと分からないままだと思いますので、注意して欲しいですね。

あとは、つみたてNISAもおすすめです。定期預金に預けておくくらいなら、20年間の非課税期間があるつみたてNISAを利用するほうがいいです。たとえば20歳から積み立てるなら、年間40万円投資して年利4%~5%くらいで運用できれば、20年くらい経つと800万円くらいになります。もし7%で運用できれば4倍の2,000万くらいになるので、軽く老後2,000万円問題は解決できますね。

ゆうと : www9945さんのおっしゃるようにまずは少額でもはじめてみることが肝心だと思います。その上では自分の理解しやすい会社のほうが良いでしょう。また、現在では税制面で有利なNISAや積み立てNISAなどもあるため、個別株投資がむずかしいと感じた方は、利用してみてはいかがでしょうか?

…www9945さんへの取材、いかがでしたでしょうか?最後に、ここまで記事に目をとおしてくださったみなさんと、この取材を承諾していただいたwww9945さんに感謝の意を述べて、終わりとさせていただきます。ありがとうございました!

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ゆうと

この記事の執筆者

ゆうと 

投資歴8年の資産バリュー投資家です。いつも四季報を持ち歩き、1年の半分は株のことを考えている株オタク。若手投資家同士の交流を目的とした「名古屋若手投資家交流会」を主催しています。

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