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【エミン・ユルマズ×シーラテクノロジーズ杉本会長】NISAよりわかりやすい投資

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2024年3月8日

シーラテクノロジーズ(NASDAQ:SYT)会長の杉本様と、エコノミストのエミン・ユルマズ様の質疑応答をIRTV※1で公開しています。

※1 IRTVとは、IR Robotics社が運営する“投資家と企業をつなぐ上場企業のIR動画メディア”です。決算情報から事業モデル・経営戦略・成長可能性まで、トップ自らがわかりやすく、かつタイムリーに解説しています。

この記事は、IRTVの動画内容を書き起こししたものです。動画の内容を文字で確認したいときに、ぜひご活用ください!

今回は、シーラテクノロジーズ社が手掛ける不動産クラウドファンディング「利回りくん」の概要や楽天グループとの提携の背景、不動産クラウドファンディング事業の動向などを解説した前編動画の書き起こし記事となっています。ぜひ、後編の書き起こし記事とセットでご覧ください。

(出典:IRTV for YouTube

シーラテクノロジーズ社の会社概要

IRTV : 上場企業と投資家の対談企画「Individual investors 1on1」の、今回のゲストをご紹介いたします。上場企業のゲストはNASDAQ上場株式会社シーラテクノロジーズの杉本会長、投資家のゲストはエコノミストのエミン・ユルマズ様(以下、エミン様)です。よろしくお願いします。

杉本様エミン様 : よろしくお願います。

IRTV : 今回はエミン様から杉本会長に対して、「気になること」や「なかなか聞けないお話」まで、エミン様の視点で質問をお願いします。

その前に、杉本会長からシーラテクノロジーズ社の会社概要について、かんたんにご説明いただきます。杉本会長、よろしくお願いします。

杉本様 : 私共シーラテクノロジーズグループは、不動産クラウドファンディング事業と不動産デベロッパー事業を展開しています。

おかげさまで、決算期の変更を1期除くと14期連続増収となっています。2023年3月31日、日本の不動産企業として初めて米国NASDAQ市場に上場できました。

<シーラテクノロジーズ社の会社概要>

シーラテクノロジーズ社の会社概要

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : ご説明ありがとうございます。それでは、エミン様からご質問をいただければと思います。

利回りくんについて

エミン様 : 貴社のトレードマーク商品は「利回りくん」ですね。この商品を知らない方がいらっしゃるかもしれないので、かんたんに概要のご説明をお願いします。また、日本の不動産クラウドファンディング事業が置かれている環境についても教えていただけますか?

杉本様 : ご紹介いただきました「利回りくん」について、かんたんにご説明します。現在、会員数が27万9,000人を超えて、日本No.1の会員数のサービスとなりました。

<日本No.1の会員数>

日本No.1の会員数

(出典:IRTV for YouTube

杉本様 : プロジェクト数が国内で2番目の多さとなっており、資金調達額も3番手となっています。3冠を目指して頑張っているサービスです。

地域創生や社会貢献がテーマ

杉本様 : 他社の不動産クラウドファンディングとの違いや特徴として、「地域創生」や「社会貢献」をテーマに掲げ、プラットフォームとして他社様の不動産も扱っています。

<地域創生や社会貢献がテーマ>

地域創生や社会貢献がテーマ

(出典:IRTV for YouTube

杉本様 : 通常は自社の物件だけを事業者向けに紹介するプロジェクトが多いのですが、我々はプラットフォームとしてさまざまな種類のアセットをご用意しているのです。

代表的なものとして、北海道大樹町でホリエモンと一緒にロケット工場を作る企画があります。日本初のロケット開発ベンチャーで、堀江様が率いるIST(インターステラテクノロジズ)社の夢を応援しました。また、大樹町の町おこしの一環として、お住まいの方々が地域創生のためにご協力いただきました。

この2つの要素を持って募集したところ、合計9億円以上の申し込みがあり、3つの工場を作ることができました。このような取り組みもおこなっています。

ほかにも、都心部の不動産や地域創生案件など盛りだくさんです。さまざまな種類のアセットをご用意しているサービスになります。

楽天グループとの提携

エミン様 : 貴社のホームページを見ると、楽天グループと協力しており、楽天ポイントで利回り分を受け取れる仕組みもあります。そういった発想は、どこから来たのですか?

杉本様 : 楽天の役員会でプレゼンし、資本業務提携を結ぶチャンスがありました。そのときに、三木谷様から「利回りくんの大義名分を果たしつつ、シーラテクノロジーズと楽天グループが組み、楽天グループ・お客様・シーラにの3者にメリットがある解を導き出せるのか」という宿題をいただいたのです。

<資本業務提携を結ぶチャンス>

資本業務提携を結ぶチャンス

(出典:IRTV for YouTube

杉本様 : 三木谷様と壁打ちをする中で、私共が掲げる「地域創生」と「社会貢献」が大事だと、改めて強く認識しました。

もう1つは、楽天グループ様には7,800万アカウントがあります。このうち、約1%の最低100万人は、不動産投資に興味を持っているはずだと考えました。この人たちを我々にコンバージョンさせていただければ、ここから派生していくものも含めて、売上が3,000億円、4,000億円、5,000億円と増えていきます。

コンバートしてくれたお客様には、我々のサイトにログインするだけで、毎日のログインポイントとして楽天ポイントを付与します。さらに、誕生日には100ポイント、我々の商品を買っていただいたら10万ポイントを付与する仕組みとしています。

加えて、毎週楽天くじを引いていただけるようにしました。このように、さまざまな特典を用意し、「楽天ポイントが貯まるサイト」にしたのです。

我々のメリットとして、マーケティング費用を抑えられる点があります。楽天ポイントを提供し続けたとしても、1ユーザーあたりの獲得コストが3分の1になると想定できました。お互いWin-Winの提携であることを提案しました。

以上の取り組みをスタートした結果、不動産クラウドファンディングで1万円投資する顧客を獲得するのに業界平均85,000円程度かかっていますが、我々は4万円程度で獲得できるようになりました。

顧客を獲得したあと、さまざまなイベントやファンドを見ていただき、お客様のLTV※2をどこまで伸ばせるかは、サイトによって異なります。我々のマーケティング費用が業界平均の半分で済んでいるのは、楽天グループ様のおかげです。

※2 LTV(エルティーブイ)とは、「Life Time Value」の略語で、日本語で「顧客生涯価値」と呼びます。一定の取引期間中に、企業が顧客から受け取る利益という意味です。

クラウドファンディング事業の動向

エミン様 : 不動産クラウドファンディング以外に、堀江様のロケット事業に出資する話がありました。クラウドファンディング事業は、日本全体でどれくらいの事業規模があるのでしょうか。また今後、どれくらいの成長ポテンシャルがあると思っていますか?

杉本様 : クラウドファンディング事業全体は調べていませんが、不動産クラウドファンディング事業の市場規模については、今期で約2,000億円と言われています。過去3年間は毎年3倍ずつ成長している市場です。

<不動産クラウドファンディング事業の市場>

不動産クラウドファンディング事業の市場

(出典:IRTV for YouTube

杉本様 : 市場規模の予測結果はほかにもあります。不動産クラウドファンディング領域には「金融2種免許」を持った事業者もいるため、これらも含めた場合、市場規模は今後約4年間で1兆5,000億円(現状の7倍以上)に到達するとも言われています。

我々としては、今後10年間も3倍成長が続くとは考えていませんが、少なくとも倍々のスピードで拡大し続けると予想しています。

「インベスト・イン・キシダ」という政府方針にもあるように、国策が追い風となり、貯蓄から投資へと国民の金融資産が移動しています。

現在1,100兆円あると言われる国民の金融資産が、さまざまな方面で投資に動いているので、当面この拡大基調は続くでしょう。シンクタンクが出している「2026年の市場規模が1兆5,000億円になる」という予想は、突拍子のない数字とは言えません。

エミン様 : インフレや円の目減りが進んでいるため、投資のニーズが高まっています。このようなとき、不動産投資が選択肢に上がりますが、流動性が高く即座に投資をはじめられる株式に比べて、エントリーバリアが高いと考えられます。

今後、不動産クラウドファンディングが流行すれば、不動産投資がより身近なものになるため、私自身とても期待しています。

シーラテクノロジーズ社の競合について

エミン様 : 不動産クラウドファンディングの流行により、競合環境はどのように変わっていくのかが気になります。貴社の競合他社は何社あるのでしょうか。代表的な企業名も教えてください。また、今後競合していく上での貴社の優位性についても、説明をお願いします。

杉本様 : 競合他社という意味では、免許事業者が70社を超えました。その中でも三つ巴で争っている代表的な企業としては、上場企業のクリアル(2998)様とCOZUCHI(こづち)というサービスがあります。

<シーラテクノロジーズ社の競合について>

シーラテクノロジーズ社の競合について

(出典:IRTV for YouTube

杉本様 : 会員数については、1位が我々、2位がクリアル様、3位がCOZUCHI様です。プロジェクト数は我々が2位となっています。資金調達額では、1位がCOZUCHI様、2位がクリアル様、3位が我々です。それぞれの指標が今、三つ巴の争いをしている状況となります。

利回りくんの特徴

杉本様 : 市場全体の環境は、エミン様のおっしゃるとおり、「貯蓄から投資へ」の流れがあります。NISAであれば、株式投資が候補に入りますが、株価の上昇と下落を見極めなければなりません。

株式投資には、PERPBR、あるいはIRR※3ROEROAといったむずかしい数字が出てきます。こういった指標の使い方などについて、かなり勉強しないと損失を被る可能性があるのです。日経平均株価がバブル崩壊以来最高値まで上昇しているとはいえ、リスクがあります。

※3 IRR(アイアールアール)とは、投資資金をどれくらいの期間で回収できるかを考慮し、投資の効率性を測る指標を指します。

一方で、不動産クラウドファンディングでは、不動産というアセットを持つことになるため、価値がゼロになることはほぼ有り得ません

我々自身もリスクを取り、匿名組合でお客様と一緒に投資するため、今のところサービスを立ち上げて以来1件もデフォルトがなく、配当が滞ったこともありません。

価値を毀損することが一切ないため、「とりあえず10万円投資しておくか」という感覚で投資していただき、あとは放置しておくだけで着実に5%程度の利回りが得られます。

つまり、我々のサービスは、毎日ログインするだけで楽天ポイントがもらえて、たまに楽天くじなどのイベントに参加しながら、平均で5%程度の利回りが得られるものなのです。

とても安定的しているため、放置しているといつの間にかお金が貯まっている状態となっています。NISAよりもわかりやすい投資ではないかと、我々は勝手ながらに思っています。

売上高の変遷とリスクについて

エミン様 : 投資家向けの説明資料で気になった点が1つあります。2020年以降、貴社の売上高の伸び率が大きくなっています。この理由は何でしょうか?

また、今後も同じペースで売上高が増えると想定されていますが、どこかで頭打ちになるリスクはあるのでしょうか?

杉本様 : 不動産市場は、エミン様がおっしゃるように、常にリスクが隣り合わせです。このため、我々も無理をして売上高を伸ばそうとは考えていません。

現在、円安が進んでおり、1ドル=150円台に突入しようとしています。アメリカ人の投資家の方に話を聞くと、日本の不動産は半額で買っている感覚なのだそうです。

<日本の不動産について>

日本の不動産について

(出典:IRTV for YouTube

杉本様 : 日本では物価上昇率が2.7%前後と、世界から周回遅れになっています。この中で、金融緩和を続けてきたため、マグマ溜まりのようなパワーが爆発しようとしています。

日本は世界で類を見ない低金利環境です。また、円安基調は今後も崩れないと予想できます。さらに、出遅れた市場のため不動産の利回りも高い状態です。不動産投資の観点から、日本は世界から注目されている市場と言えるでしょう。

ブラックロックグループとの業務提携

杉本様 : 我々は世界最大の投資運用会社であるブラックロックグループ様と、業務提携させていただきました。彼らは、日本でアセットを4,000億円取得するという目標を掲げており、そこに沿った形で我々が物件提供できるため、魅力を感じていただいたのだと思います。

エミン様 : ブラックロックとの提携について、具体的にはどういった提携ですか?

杉本様 : 我々が開発した不動産を、すべてブラックロック側に情報公開します。最初にブラックロックグループからご希望いただいた物件については、ソーシング※4するという業務提携です。

※4 ソーシングとは、投資対象となる物件の調達業務を指します。

<業務提携について>

業務提携について

(出典:IRTV for YouTube

杉本様 : 加えて、我々とブラックロックグループと共同で、日本の不動産開発を進めていきます。この部分については「紳士協定」の形を取り、情報をお互いに共有して、共同で開発を進める業務提携です。

エミン様 : 今後も大きなグローバルファンドとの提携を考えているのでしょうか?

杉本様 : ファーストルックというか情報を公開して、ブラックロック様とエクイティをしっかりと出していただきながらやっていこうと考えています。

ここまで踏み込んだ提携になるかはわかりませんが、ご要望いただければさまざまな選択肢があると考えています。

後編動画の書き起こし記事はこちら

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当記事では、筆者独自の見解を述べることがありますが、証券およびその他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的ではなく証券およびその他の金融商品に関する助言や推奨をするものではありません。また、個別企業の業績予想や株価予想、投資推奨を提供する予定はありません。投資判断等は、自己責任でお願いいたします。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

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