アピリッツの永山様に突撃取材!3つの事業の関係性をお聞きしました
(株式会社アピリッツ 永山様)
やさしい株のはじめ方編集部(にしけい)が、Webソリューション事業とデジタル人材育成派遣事業、オンラインゲーム事業の3事業を展開するアピリッツ(4174)(以下、アピリッツ社)に突撃取材しました!
アピリッツ社では、システム開発(Webソリューション事業)と人材派遣(デジタル人材育成派遣事業)、オンラインゲーム企画・開発・運営(オンラインゲーム事業)の“3つの事業”を展開しています。同社に興味を持ち調べている人には、「関連性がなさそうな3つの事業を展開する理由」が気になっている方も多いようです。
そこで今回は、アピリッツ社で取締役を務められている永山様に、3つの事業を運営する理由をお聞きしました!このほかにも、アピリッツ社の事業内容や最新決算(2024年1月期第1四半期)、今後の成長戦略についても詳しく解説していきます。
この記事では、株初心者の方がアピリッツ社について理解を深められるよう、わかりやすい言葉でていねいに解説します。ぜひ最後まで読んでくださいね。
3つの事業は関係している!アピリッツの事業内容を解説
アピリッツ(4174)では、『Webソリューション事業』と『デジタル人材育成派遣事業』、『オンラインゲーム事業』の3つを展開しています。各事業の概要を整理すると、下の表のようになります。
事業名 | 事業概要 |
---|---|
Webソリューション事業 | クラウド環境を最大限に活用した大規模システム開発や、ECソリューションを提供することで、「企業のビジネスモデルやビジネスプロセスの変革」といったDX※1推進を支援。 |
デジタル人材育成派遣事業 | Webソリューション事業やオンラインゲーム事業で培ったノウハウを活用してデジタル人材を育成し、顧客の開発現場へ派遣。 |
オンラインゲーム事業 | オンラインゲームの企画・開発・運営をおこない、そのノウハウを活かし他社ゲームの「受託開発・運営」を請負、ボラティリティの高いオンラインゲーム事業において安定性を確保。ここ数年は他社ゲームの「運営移管」をおこない規模を拡大。 |
※1 DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、データとデジタル技術(AIやIoT)を活用して、業務プロセスや製品、サービスを変革する取り組みを指します。
2023年1月期の売上構成比を見ると、全体の44%がオンラインゲーム事業、約39%がWebソリューション事業、残りの約17%がデジタル人材育成派遣事業で構成されています。
<売上構成比>
(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)
実は、3つの事業には密接なつながりがあります!よくいただくご質問なので、どのような関係があるのかをご説明しますね!その前に、各事業を詳しく説明させてください!
永山様
Webソリューション事業
Webソリューション事業では、顧客企業の「消費者向けサービス(ECサービスやアプリ)」など“クラウド環境を最大限に活用した大規模システム開発”の企画、要件定義、設計、開発、保守・運用をワンストップで請け負っています。
<Webソリューション事業・事業概要>
(出典:アピリッツ 2024年1月期第1四半期決算説明会資料[PDF])
「下請けのSIer※2(エスアイヤー)」と見られることが多いのですが、実は違います。下請けのSIerの業務は、上のスライドの「03.開発・制作」です。
弊社ではその前段階にあたる、お客様の要望するサービス開発におけるビジネス理解から戦略分析、企画設計、後段階の運用・保守まで“一気通貫で”取り組んでいる点が特徴と言えます。
永山様
※2 SIer(エスアイヤー)とは、「System Integrator(システムインテグレーター)」の略です。システム開発や運用などを請け負い、顧客の要望に応じてシステムの設計・運用・コンサルティングなどをおこなう企業を指します。
にしけい
なるほど!SIerとしての面と、コンサルタントとしての面もあるわけですね!
顧客企業にとっては、開発のフェーズごとに複数の企業に依頼する必要はなく、アピリッツ社だけに業務を依頼すれば良い点がメリットでしょうか。
そうですね!これ以外にもメリットがあります。どのようなメリットがあるのか、下にまとめました。
永山様
顧客から見た一気通貫のメリット
- 戦略分析から関わってもらえるため、「やりたいこと」や「自社で抱えている課題」を理解したうえでプロダクト開発を任せられる
- 一気通貫で業務を任せられるため、フェーズごとに複数企業に依頼する必要がない
- 戦略分析から開発、運用・保守まで内製化しているため、低コストかつスピーディーに依頼できる
にしけい
ご説明ありがとうございます!上の3つのメリットは、御社にとっての「強み」とも言えますね。
御社の事業をより深く知るためにも、具体的な開発例を教えていただけませんか?
わかりました!投資家の皆さんになじみ深いと思われる身近な例ですと、ふるさと納税アプリ「さとふるアプリ」の開発があります。顧客のビジネスを理解して、戦略分析からアプリの設計、開発、運用まで一気通貫で引き受けさせていただきました。
永山様
<Webソリューション事業の開発事例>
(出典:アピリッツ 2024年1月期第1四半期決算説明会資料[PDF])
にしけい
「さとふるアプリ」を開発されていたのですね!私たちの身近なところに御社が関わっていることがよくわかりました。
売上高における顧客継続率は約80%
Webソリューション事業では、戦略分析から運営まで一気通貫でサービスを提供しています。顧客のビジネスやサービス理解を一番できているパートナー企業になれているので、開発や制作だけをおこなうSIerと比べて顧客が離れにくく、「業績が安定している」のが特徴です。
このことは、同社の「売上高における顧客継続率」を見るとよくわかります。顧客継続率は約80%となっており、既存顧客の多くが次年度以降も追加開発等で何かしらのご発注をいただけている状況です。
<売上高における顧客継続率は約80%>
(出典:アピリッツ 2024年1月期第1四半期決算説明会資料[PDF])
顧客のビジネスを理解するところから始まり、ターゲットユーザーの検証、システムやアプリのデザイン、開発、微調整まで一手に引き受けています。
アプリやシステム開発の上流から下流まで入り込んでいるため、顧客のビジネスやサービス理解をできている一番のパートナーになれているのです。このため、わざわざビジネスやサービスを理解していない企業へ発注するのではなく、当社を継続して選んでいただける状況になっています。
永山様
にしけい
顧客にとって御社は重要なビジネスパートナーになっているわけですね!わざわざ自社をよく知らないSIerに頼もうとは思わないですし、強固な参入障壁になっていると考えられます。
そうですね。「一気通貫」で取り組むことが優位にはたらいており、弊社では過去10年間にわたって売上高を安定的に成長させられています!
永山様
<過去10年間の売上高推移>
(出典:アピリッツ 2024年1月期第1四半期決算説明会資料[PDF])
開発の「何でも屋」としての一面
にしけい
アプリやシステムの開発を全工程担当されていますが、一部の工程だけを単発で受けることもあるのでしょうか?
そういったケースもあります!システムを“ゼロイチで”作ってくださいという要望はもちろん、デザインだけの依頼やサーバーをAWSに変更する作業の依頼なども受けていますよ!
永山様
にしけい
御社への問い合わせ件数が増えているのではないですか?
おっしゃるとおりです。下のスライドのように、問い合わせ件数は増加傾向にあります
永山様
<Webソリューション事業の四半期別問い合わせ数推移>
(出典:アピリッツ 2024年1月期第1四半期決算説明会資料[PDF])
DX化が追い風
問い合わせ件数が増えている理由のひとつに、世の中で進められている「DX化」の流れがあります。社会的なニーズの高まりによって、受注する案件は大型化し、単価は増加傾向にあります。
<Webソリューション事業の平均単価推移>
(出典:アピリッツ 2024年1月期第1四半期決算説明会資料[PDF])
足もとの平均単価は475.6万円であり、前年同期比+17%と増加しています。
永山様
にしけい
市場環境は追い風なので、今後も楽しみですね!
Webソリューション事業の競合企業
Webソリューション事業の市場は拡大傾向にあります。その分、他社との競争が激化しそうですよね。競争環境がどうなっているのか、永山様にお聞きしてみました。
弊社と似た事業をしている企業様はいらっしゃいますが、現状はパイの取り合いになっていません。市場の成長に合わせて各企業が成長している状態です。
下のスライドをご覧ください。Webソリューション事業の比較企業をまとめたものになります。オレンジ色で囲んだ「売上対前期増減率」に注目すると、どの企業も成長していますよね。
永山様
<Webソリューション事業の比較企業>
(出典:アピリッツ 2024年1月期第1四半期決算説明会資料[PDF])
にしけい
競合相手というよりは、一緒に成長していく仲間という認識なのですね!
そのとおりです。この数値を見て、弊社内では「自社のような企業が市場で不足している」と認識しています!
拡大余地がたくさん残されているため、M&A等による成長で企業価値を上げて、時価総額のポジションを上げることに取り組んでいく計画です。
永山様
オンラインゲーム事業
オンラインゲーム事業は、その名のとおりオンラインゲームを開発・運営する事業です。この事業はさらに2つのセグメントに分けられます。
セグメント名 | 事業内容 |
---|---|
自社ゲーム開発 | 自社・他社のオンラインゲームプラットフォームを通じてオンラインゲームを無料で提供し、ゲーム内のアイテム課金などにより収益を獲得。 |
パートナーゲーム開発・運営 (受託開発・運営移管) |
自社ゲームの開発・運営によって培ったノウハウをもとに、他社オンランゲーム会社のオンラインゲームの受託開発・運営を請け負い安定的な収益を獲得。ここ数年は他社運営のオンラインゲームの「運営移管」をおこない収益を拡大。 |
「自社ゲーム開発」は、アピリッツ社自身がゲームを開発・提供するものです。ゲーム内のアイテム課金等により収益を得るため、リリースしたゲームがヒットするかどうかで、業績が変動します。
「パートナーゲーム開発・運営」は、パートナー企業が運営するゲームの受託開発や運営を引き受けるものです。自社ゲーム開発で培ったノウハウを活かして、案件を獲得しています。近年は他社運営のゲームの「運営移管」をおこない、事業を拡大中です。
開発・運営パイプライン
2024年1月期第1四半期決算時点で、同社が開発・運営しているゲームをご紹介しましょう。現在開発しているゲームは2本です。自社ゲーム開発とパートナーゲーム開発で1本ずつあります。
運営しているゲームは8本です。具体名を挙げると『ゴエティアクロス』や『けものフレンズ3』、『UNI'S ON AIR(ユニゾンエアー)』などがあります。
<開発・運営パイプライン>
(出典:アピリッツ 2024年1月期第1四半期決算説明会資料[PDF])
業績のブレが小さい理由
にしけい
ゲーム事業というと、ヒット作の有無によって業績が大きくブレる印象があります。
おっしゃるとおりで、ヒットすれば売上高が大きく伸びるし、ヒットしなければ売上高が落ち込む性質があります。
このため、弊社をはじめて知った投資家様だと、「ボラティリティが大きいから投資がむずかしい…」というイメージをお持ちになることが多いですね。
永山様
にしけい
永山様のおっしゃるように、ゲーム会社と聞くとそう思ってしまいます。ただ、御社の全社売上高の推移を見ると、大きな変動がなく順調に積み上がっていますね。少し意外なのですが…どういった理由があるのでしょうか?
<過去10年間の売上高推移>
(出典:アピリッツ 2024年1月期第1四半期決算説明会資料[PDF])
自社ゲーム開発以外に、「パートナーゲーム開発・運営」にも取り組んでいる点が大きく影響しています!
先ほどご説明したように、弊社はパートナー企業から受託開発・運営を請け負うわけですが、こちらは“ゲームがヒットする・しない”にかかわらず受託として一定の売上を確保できますので、安定した業績を実現できているのです!
永山様
にしけい
なるほど!つまり、ゲーム事業全体で見ると、自社ゲーム開発のボラティリティの高さを、パートナーゲーム開発で抑えているわけですね!
おっしゃるとおりです。パートナーゲーム開発は、ゲーム開発のノウハウを持っているからこそできます。「他の企業でも真似ができるのでは?」というご指摘もいただきますが、一朝一夕で真似できるものではないため、弊社に優位性があると認識しています!
永山様
にしけい
明日から真似しようと思っても、エンジニアを多数集めるのはむずかしいですしね。
そうなのです。また、自社ゲーム開発はボラティリティが大きいため、「ゲーム開発をやめてWebソリューション事業に振り切っても良いのでは?」というご提案もいただきます。しかし、3つの事業が相互に補完し合っているため、今後も継続して運営する考えです!
永山様
デジタル人材育成派遣事業
最後に、デジタル人材育成派遣事業の紹介です。この事業では、アピリッツ社の人材を他社に派遣して収益を得ています。
Webソリューション事業やオンラインゲーム事業と比べると「異色」の事業ですよね。「なぜ人材派遣を展開しているのか」気になっている方も多いのではないでしょうか。その理由を永山様にお聞きしてみました。
人材派遣事業を展開する理由
人材派遣事業を展開している理由は、効率的に経営するためです。
先ほどのオンラインゲーム事業に関連付けてお話しますね。この事業ではゲーム開発が終わってしまうと、終了したゲーム開発に関わっていた人の仕事がなくなってしまいます。
永山様
にしけい
手が空いている人を社内で抱えておくと、経営効率が落ちてしまいますよね。
そうなのです。デジタル人材育成派遣事業では、社内で手が空いてしまった人材を“人手が不足している他社様”に派遣し、社員の稼働率を維持しています。
永山様
にしけい
賢いやり方ですね!効率よく人材を活用して、収益を得ていくために必要な事業だとわかりました。
そのとおりです。この事業は市場環境も追い風なので、理解を深めていただくためにも詳しく説明しますね!
永山様
デジタル人材が不足
現在の日本ではIT人材が不足しており、将来的にも不足が見込まれています。同社にとっては追い風で、「デジタル人材育成派遣事業」への引き合いが強くなっているのです。
<IT人材の「不足数」に関する試算結果>
(出典:アピリッツ 2024年1月期第1四半期決算説明会資料[PDF])
にしけい
御社のデジタル人材育成派遣事業に追い風が吹いていることがよくわかりました。多くの企業からオファーが届いていることと思われますが、派遣する人数が増えてしまい、本業に影響が出るのではないかと気になります。
おっしゃるとおり、たくさんのオファーをいただいています。ただ、弊社の事業が回らなくなってしまっては本末転倒です。他社様に派遣する前提でデジタル人材育成事業の採用活動を別途おこない、育成・派遣する取り組みもしています!
永山様
3つの事業には密接な関係がある
同社が展開しているWebソリューション事業とデジタル人材育成派遣事業、オンラインゲーム事業には、密接な関係があります。具体的にどのような関係があるのか、下にまとめました。
3つの事業の関係性
- Webソリューション事業のアプリ・システム開発とオンラインゲーム事業のゲーム開発は、扱う商材が異なるものの「開発」という観点では近いビジネスであり、ノウハウを共有できる
- Webソリューション事業とオンラインゲーム事業で培ったノウハウと人材を他社様に派遣し、人材の効率的な活用を実現している
Webソリューション事業とオンラインゲーム事業は性質が近く、これらの事業で蓄積したノウハウをデジタル人材育成派遣事業で他社に提供する、という仕組みです!
図解すると下のスライドのようになります。
永山様
<3つの事業は補完性を持っている>
(出典:アピリッツ 2024年1月期第1四半期決算説明会資料[PDF])
にしけい
各事業の説明を踏まえて考えると納得ですね!一見関係ないように見えますが、実は効率的な経営のために必要な事業という点がとてもおもしろいです!
以上、アピリッツ社の事業のご説明でした。一見すると関係のないように見える3つの事業は、密接に関係しています。同社を分析する際には、3つの事業に目を向けましょう!
過去10年間の業績推移と2024年1月期第1四半期決算をわかりやすく解説
はじめに、アピリッツ社の「過去10年間の業績推移」を見ていきましょう。
過去10年間の業績推移
同社の過去10年間の売上高は、下のスライドのように推移しています。過去10年間のCAGR※3は119.4%、上場後3年間のCAGRは137.2%と高成長を続けているのがポイントです。
※3 CAGR(しーえーじーあーる・けーが)とは、Compound Annual Growth Rateの頭文字を取ったもので、日本語では「年平均成長率」と言います。
<過去10年間の売上高推移>
(出典:アピリッツ 2024年1月期第1四半期決算説明会資料[PDF])
事業別の売上高に目を向けましょう。濃い青色の「Webソリューション事業」と薄い青色の「オンラインゲーム事業」のどちらも、順調に伸びていますね。
なお、2023年1月期(23期)からは、Webソリューション事業とオンラインゲーム事業に含まれていた「デジタル人材育成派遣事業」が独立して表示されています。
にしけい
上場後、成長ペースが加速していますね!
そうなのです!一気通貫で事業を展開していること、市場環境が追い風であることがプラスに働きました。これによりWebソリューション事業の案件がどんどん積み上がって行き、売上高を右肩上がりで伸ばせています!
永山様
2024年1月期第1四半期は業績予想どおりに進捗
同社の最新決算(2024年1月期第1四半期)を見ていきましょう。下のスライドをご覧ください。会社全体としては計画どおりに業績が進捗しています。
<連結業績ハイライトサマリ>
(出典:アピリッツ 2024年1月期第1四半期決算説明会資料[PDF])
ただし、事業別の業績には濃淡があります。Webソリューション事業は計画を上ぶれ、デジタル人材育成派遣事業は計画どおり、オンラインゲーム事業は計画に対して下ぶれという状況です。
にしけい
オンラインゲーム事業が計画に対して下ぶれとなった理由は何でしょうか?
第1四半期に既存オンラインゲームのイベント等がなく想定よりも売上が上がらなかったこと、及びそれを補完する新規案件獲得がなかったことが理由です。
永山様
<オンラインゲーム事業の四半期売上推移>
(出典:アピリッツ 2024年1月期第1四半期決算説明会資料[PDF])
にしけい
オンラインゲーム事業の受託開発や運営移管について、今後案件を獲得できそうでしょうか?
常に新規案件獲得は探していますし、第2四半期は既存ゲームにおいてもイベント施策をおこなっています。上期業績予想どおりに着地できるよう邁進していますので、今後の経過を見ていただければ嬉しいです!
永山様
決算書を読む際の注目ポイント
同社の決算書を読む際の注目ポイントについて、永山様にお聞きしました。
にしけい
御社は人が大切なビジネスなので、成長性を見る上で「社員数」が重要ではないかと考えていますが…この認識で合っていますでしょうか?
合っています!特にWebソリューション事業とデジタル人材育成派遣事業は社員数が重要なKPIとなります。四半期ごとにグラフを開示しているので、ぜひチェックしてください!
永山様
<社員数推移>
(出典:アピリッツ 2024年1月期第1四半期決算説明会資料[PDF])
にしけい
2024年1月期第1四半期に、社員数が増えています。Webソリューション事業が27名、デジタル人材育成派遣事業が11名の純増です。成長の源泉なので、今後が楽しみですね!
ぜひ注目してください!この他、「セグメント利益率」も追いかけていただきたいです!
2024年1月期第1四半期では、セグメント利益率が33.1%に上昇しています。規模の拡大によって、間接原価等の割合が減少したためです。
永山様
<Webソリューション事業・セグメント利益率推移>
(出典:アピリッツ 2024年1月期第1四半期決算説明会資料[PDF])
にしけい
ご説明ありがとうございます!社員数とセグメント利益率に注目して、アピリッツ社の決算を追いかけていきましょう!
注目ポイントを整理すると下の表のようになります。今後の決算を見る際の参考にしてくださいね!
事業名 | 注目ポイント |
---|---|
Webソリューション事業 | ・社員数が増えているか? ・セグメント利益率30%以上か? |
オンラインゲーム事業 | セグメント利益率が上昇しているか? |
デジタル人材育成派遣事業 | 社員数が増えているか? |
M&Aや運営移管がポイント!今後の成長戦略をわかりやすく解説
アピリッツ社では、今後の成長戦略として下の2つを掲げています。
今後の成長戦略
それぞれご説明しますね。
安定事業の継続成長
安定事業とは、Webソリューション事業とデジタル人材育成事業が該当します。Webソリューション事業では、市場環境が好調な中で優良案件を取り込み、過去10年CAGRの119%程度で安定的な成長を目指します。
また、デジタル人材育成派遣事業は、人員の拡大を基準に確実に成長を継続していく予定です。
<事業成長イメージ>
(出典:アピリッツ 2024年1月期第1四半期決算説明会資料[PDF])
M&Aや運営移管による規模拡大
成長ドライバーは、Webソリューション事業とオンラインゲーム事業が該当します。Webソリューション事業では、開発が伴う事業であるため成長の源泉は「人材」です。先ほども説明したように「M&A等による収益拡大とともに優秀なデジタル人材を一気に確保する」ことを目論んでいます。
<Webソリューション事業の成長戦略>
(出典:アピリッツ 2024年1月期第1四半期決算説明会資料[PDF])
オンラインゲーム事業では「共同運営」や「大型運営移管・運営受託」により、規模の拡大を狙う方針です。
<オンラインゲーム事業の成長戦略>
(出典:アピリッツ 2024年1月期第1四半期決算説明会資料[PDF])
2024年1月期第1四半期時点では、M&Aや運営移管はおこなわれていません。しかし、過去の実績を見ると、M&Aは毎年1社、運営移管は1~2件程度おこなっています。
M&A | 運営移管 | |
---|---|---|
2022年1月期 | 1社 | 1件 |
2023年1月期 | 1社 | 2件 |
にしけい
2024年1月期は、第2四半期以降にWebソリューション事業のM&Aやオンラインゲーム事業の運営移管がおこなわれるかに注目です!
また永山様によると、2024年1月期の業績予想には、M&Aや運営移管による業績成長を織り込んでいないそうです。あくまで“既存事業のオーガニック成長”でどれくらい伸びるかを示したものとなります。
期中にM&Aや運営移管が発表されるか、同社のIR情報に注目しておきましょう。
今後の成長戦略で気になったポイント
にしけい
<アピリッツ社の自己資本比率の推移>
(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)
増資については、選択肢の一つではあります。ただし、資金調達の方法には有利子負債もありますし、さまざまな方法を勘案して選んでいく予定です。
永山様
にしけい
ご説明ありがとうございます!
個人投資家へのメッセージ
にしけい
最後に、個人投資家へのメッセージをお願いいたします!
個人投資家様の投資スタイルには、短期もあれば中長期もあるというように、さまざま存在しています。どのようなスタイルでも良いので、IR活動を通して「弊社の株式への投資」につながるとうれしいです!
また、個人投資家様には弊社に対して気兼ねなくご質問していただきたいと思っています。電話でも結構ですし、Zoomでの1on1ミーティングもぜひ実施したいです。「フェアディスクロージャー」ですので、機関投資家や個人投資家といった枠組みに縛られず、公平なIR活動をしていきます!
永山様
にしけい
個人投資家だと、どうしても「1on1ミーティングは畏れ多い」と思ってしまうのですが、そのように言っていただけてうれしいです!
ぜひ、お待ちしております!実は、個人投資家様からのご質問は、弊社にとっても非常に有益です。いただいた質問を元に、資料を改良したり、社内で展開したりしています。ぜひ、これからもご意見がありましたらお伝えいただければうれしいです!
永山様
にしけい
この度は取材にご協力いただき、ありがとうございました!
アピリッツ社への取材は以上となります。Webソリューション事業とオンラインゲーム事業、デジタル人材育成派遣事業の3つの事業で、効率よく経営されている点が印象的でした。
今後の成長戦略では、安定事業の継続成長に加えて、Webソリューション事業のM&Aやオンラインゲーム事業の運営移管を掲げています。2024年1月期もM&Aや運営移管が発表されるのか、同社のIR情報から目が離せませんね!
今回紹介したアピリッツ社では、IR情報の発信に力を入れています。取材にご対応いただいた永山様はTwitterで積極的に情報発信をされています。ぜひフォローして最新情報を見逃さないようにしましょう!
Twitter以外に、noteでの情報発信にも力を入れられています。最新決算のポイント解説や株主総会の質疑応答に関する記事を投稿中です。アピリッツ社への理解を深められるので、noteもフォローしてくださいね!
ひっきー
当サイトでは、上場企業に取材させていただき、事業内容や成長戦略などを株初心者向けにわかりやすく解説した“企業紹介記事”を公開しています。こちらで記事の一覧を公開していますので、ぜひご覧ください。株初心者の方が企業を知るきっかけになれアピリッツの永山様に突撃取材!3つの事業の関係性をお聞きしましたますと幸いです。
また、当サイトの取材を希望される上場企業の担当者様は、お問い合わせフォームからご連絡をお願いいたします。ご連絡をいただいた担当者様に、企業紹介記事の企画概要資料をご送付するほか、取材のご案内をいたします。
ディスクレーマー
当記事では、筆者独自の見解を述べることがありますが、証券およびその他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的ではなく、証券およびその他の金融商品に関する助言や推奨をするものではありません。また、個別企業の業績予想や株価予想、投資推奨を提供する予定はありません。投資判断等は、自己責任でお願いいたします。
にしけい
御社はWebソリューション事業とデジタル人材育成派遣事業、オンラインゲームの3つの事業を展開されていますよね。一見するとこの3つの事業には関連性がないように見えるのですが…なぜこの3つを展開されているのでしょうか?