空売り比率とは何ですか?
「空売り比率」が過去最高というニュースがありました。空売り比率とは何ですか?またどのように投資に活かしたらよいのでしょうか?
空売り比率とは、1日の売り注文全体に対して、信用売り(空売り)の割合がどれくらいあるかを見る指標です。空売り比率の計算式は次のようなものです。
空売り比率の計算式
◎空売り比率(%)=信用売り(空売り)金額÷売り注文の合計金額×100
実際の数字としては、東証(東京証券取引所)が「空売り集計」というものを毎日出していて、このデータの空売りの比率(価格規制あり・なし)を足したものが空売り比率となります。(参考:東京証券取引所の「空売り集計」)
上記のような、2019年1月8日を例にとると、47.4%(=41.8%+5.6%)が空売り比率となります。
さて、空売り比率の出し方や意味は説明したとおりですが、この数字を投資家がどう使えばよいかというお話に移ります。一般的には、20~30%が通常の状態で、20%を切ってくると、高値圏で株価下落のサインを示し、30%を超えてくると、底値圏で株価底打ちのサインを示していると言われています。
よって、2019年1月8日現在では、空売り比率が47.4%と基準の30%を大きく超えているので、売り注文に対する空売りの割合が相当に増えており、ある意味買いのチャンスが来ていると言えます。
しかしながら、過去の推移を調べてみると、2015年以降は空売り比率が40%を超える状態が続いています。アベノミクスで株価が上がった経緯はもちろんありますが、2013年に空売りの制度が変更になったのも比率をゆがめる要因となり、これまで同様に30%を超えると買いチャンスとは、一概には言えないかもしれません。
空売りの制度変更
- 信用取引の売買が、1日に何度(何回転)でもできるようになった(2013年1月~)
- 株価下落時に禁止されていた、より低い株価での空売り注文ができるようになった(2013年5月~)
★制度変更により、信用取引が活発になり、空売り比率が以前よりも底上げされている可能性が十分にあります。空売り比率を参考にする際は、考慮に入れてください。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。