投資資金のうち現金比率は何割がよいですか?
株式投資を始めるためにお金を準備しましたが、全部のお金を使って株を買ってもいいのでしょうか?もしくは現金を残しておいたほうがいいのでしょうか?もし、最適な現金の割合があれば教えてください。
結論から言って、最適な現金の割合はありません。ただ、現金の割合(キャッシュポジションといいます)によって、メリット・デメリットはあるので、それをお伝えします。
まずは、運用資金100%使って株を買ったときです。「フルインベストメント(full-investment)」とも言います。フルインベストメントのメリットは、株価上昇時にしっかりとお金が増えるところです。すべてのお金をリスク資産(株や投資信託など)に振り分けているので、当然、見返りも大きくなります。一方、デメリットは株価下落時にはお金が大きく減ってしまうことです…。
ちなみに私の場合は、フルインベストメントはせずに、現金をある程度残しながら運用しています(平均的には30~40%くらいは現金です)。これは2つの意味があります。1つ目は、ある程度資産が増えたので、そこまでリスクを取りすぎる必要はないという考え方です。お金を増やすことも大事ですが、できるだけ減らさないことも同じくらい大切にしています。
もう1つは、株価下落時に株の買い増しができるという、精神的な余裕を常に持っておけることです。フルインベストメントの場合には、追加で株を買うことはむずかしく、株価下落時には何もできません。よって、精神的に追い込まれやすくなるでしょう。リーマンショックのときのように、かんたんに株価が半分になってしまうような相場が来たときに、私は耐えられる自信がありません。当然、フルインベストメントと比べると、相場上昇時の運用成績は負けてしまいますが、そこは仕方がないとあきらめています。
以上をまとめますと、「フルインベストメントが良い・悪い」という話ではなく、ご自分にあった現金の割合を見つけてくださいと言う話です。理想としては、株価上昇時にフルインベストメントの状態で利益を出し、株価下落時に現金を多く持っておいて損失を少なくするのがよいですが、そんな神技ができる人はいませんのであしからず…(笑)。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。