従業員持株会のメリット・デメリットを教えてください
会社で昇進し、会社代表から「自社株をいくらか所有させてあげてもよい」と言われました。株は未経験です。ベンチャー企業のため、先々の経営について安定性はわかりません。自社株だと自由に売れないと思うのですが、買ってよいものでしょうか?
結論から申し上げて、私がご質問者の立場であれば、おそらく買いません(もしくは、少額に留める)。その理由を、メリット・デメリットを交えて解説します。
まず、持株会で株を買うメリットですが、従業員側にとっては、「①市場価格よりも安く買える」(奨励金がもらえる)メリットがあります。これが一番大きなメリットでしょう。例えば、毎月1万円を持株会で積み立てをすると、10%の1,000円を会社から助けてもらえます。会社によって奨励金の条件は異なりますが、自社株に限っては、一般投資家よりも有利に株を積み立てられることができます。
その他にも、メリットと言えるのかわかりませんが、「②自動的に天引きで積み立てられる」、「③会社が成長すれば大きく儲かる」あたりが注目ポイントでしょうか。
一方、大きなデメリットが存在します。さきほど、メリットの一部として紹介した「②自動的に天引きで積み立てられる」ですが、これは、逆の発想をすると、持株会をやめにくいとも言えます。ご質問者が懸念されているように、会社の空気的に言いづらいかもしれません。
さらに、「③会社が成長すれば大きく儲かる」というのは、逆の発想をすると、会社が成長しないと(株価が上がらないと)積み立てた分が報われないと言えます。自分が働いている会社で株も買うとなると、万が一、その会社が倒産してしまった場合には、目も当てられません。なぜなら、「働き口を失うこと」と「投資で失敗すること」が同時に起きてしまうからです。
以上のことから、働いている会社の株を買うことは、お得に自社株を買えるメリットはあるものの、ポートフォリオ(資産配分)の観点からリスクを取りすぎている状態になっていることを忘れないでください。
※私はすべての持株会の制度を知っているわけではないので、一般的なお話として、参考程度にとどめておいてください。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。