利益が出ている株を売って、NISA口座で買い直すべきか悩んでいます
通常の課税口座で保有している株で、30万円の利益が出ていて、今後もまだ伸びていきそうと感じています。一旦、売却で利益確定をして、NISA口座に乗り換えるべきか、そのまま保有を続けるべきかどちらがよいでしょうか?
結論から申し上げると、将来的な株価変動が読めないため、どちらが有利とも言い難く、好みで選んでよさそうです。その理由を解説します。
NISA口座へ乗り換えるメリット
NISA口座を利用する最大のメリットは何と言っても、NISA口座での値上がり益に対して、非課税になることです。同じく、配当にも課税されません。あなたの思惑通りに、NISA口座への乗り換え後も株価が上昇していけば、乗り換えは大成功で、特に問題はありません。
NISA口座へ乗り換えるデメリット
次に、デメリットを見ていきます。 1つ目は、今、利益が出ている株を売ることで課税されてしまうことです(利益に対して20.315%)。課税されるということは、売却した金額では同じ銘柄を買えないことになります。税金が引かれた分、運用効率はどうしても落ちてしまいます。課税口座で運用している場合は、そのまま持ち続けたとして、売却時に課税されることになります。長期で持つことを想定しているのであれば、税金を遅く払うことになるので、税金の繰り延べ効果が期待できます。
2つ目は、損益通算ができないことです。課税口座の場合は、損失が出ると、向こう三年の利益とぶつけることができるので、節税効果が期待できます(譲渡損失の繰り越し控除)。NISA口座には、これがありません。よって、NISA口座に乗り換えた途端、株価が思うように上がらず、また成長も期待できない状況になったときには、やむを得ず損切りという形になってしまうかもしれません。
仮に、課税口座でそのまま持っていた場合は、含み益が減ることにはなりますが、NISA口座で損をしたほうが痛いことになります。
結局のところ、株価がどう動くかわからないので、現段階でどちらが良いと言えるものではありません。株価が上がれば、NISA口座に軍配が上がりますが、株価が下がれば、課税口座に軍配が上がります。
私個人の意見としては、利益が出ている株は、税金の繰り延べ狙いで課税口座のまま持っておき、新規投資分はNISAを利用すると思います。
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投資歴18年目の株初心者アドバイザーです。2005年からの投資成績は+2億円を突破しました!2009年に発売した著書『はじめての株1年生 新・儲かるしくみ損する理由がわかる本』は、累計59,000部のロングセラー。その他、数多くの金融系メディアにも寄稿しています。