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【米国株(アメリカ株)】ロボット関連株のおすすめは?手術支援や物流、防衛など市場拡大中【2024年最新】

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2024年4月30日

世界的な需要の高まりにより、ロボット市場は成長を続けています。このコラムでは、世界最大のロボット市場となる米国のロボット関連株について、株初心者向けにわかりやすく解説しています。

この記事のポイントは、次の3つです。

ポイント

  • 安定成長が見込まれるロボット市場
  • 世界最大のロボット市場は米国に
  • インテュイティブサージカルなど注目の米国株3選

更なる拡大が見込まれるロボット市場

人々の生活に「ロボット」の活用が欠かせなくなってきています。世界的な人手不足の解消や業務効率の改善などを図るべく、製造、物流、小売、医療・ヘルスケア、建設、防衛、災害対応など、さまざまな分野でロボットソリューションの提供が進んでいる状況です。

独調査会社スタティスタによると、世界のロボット市場は2024年の428億2000万ドルから2028年までに655億9000万ドルに達し、同期間の年平均成長率(CAGR)は11.25%と、安定した成長が見込まれています。

世界のロボット市場は安定成長が見込まれる(億ドル)

出典:スタティスタを基に筆者作成

2024年のロボット市場のセグメント別では、工場の中で使われる「産業用ロボット」よりも、さまざまな現場で使われる「サービスロボット」の市場規模が335億ドルと、主流となる見込みです。

国別では、米国が2024年に78億4600万ドルと、ロボット市場で最大の市場になると予想されています。

ロボット関連の有力米国株3選

ここからは、世界最大のロボット市場となる米国において、有力な関連銘柄をご紹介します。

ジャンル銘柄名
手術支援ロボットインテュイティブサージカル(ISRG)
半導体エヌビディア(NVDA)
アクチュエータロックウェル・オートメーション(ROK)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

インテュイティブサージカル

1銘柄目はインテュイティブサージカル(ISRG)です。

インテュイティブは手術支援ロボット「ダビンチ・サージカル・システム」などを開発・販売する医療機器メーカーになります。

主力製品のダビンチは、腹腔(ふくくう)鏡手術用として世界で初めて米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けた手術支援ロボットシステムです。アイルランドの調査会社リサーチ・アンド・マーケッツによると、世界の手術支援ロボット市場のシェアで約8割を有する世界最大手になります。

傷口が小さい「低侵襲手術」で30年ほどにわたるノウハウを有し、2000年に初代のシステムを市場に投入して以来、先行者利益を得ている状況です。技術革新も継続しており、2024年3月には第5世代モデル「ダビンチ5」がFDAより認可を取得しました。日本でも、胃がんや心臓病など保険が適用される術式が拡大しています。

インテュイティブのダビンチ5

出典:インテュイティブ

インテュイティブの強みの1つは「乗り換えコスト※2」の高さです。価格が億円単位と高額であるとともに、医師がロボットを操作するための習熟度を高める必要もあることが、高い参入障壁の構築につながっています。

※2 乗り換えコストとは、現在利用している製品・サービスから、別の製品・サービスに乗り換える際に負担する金銭的、物理的、心理的なコストを指します。

ダビンチを導入後に継続して利用される器具やアクセサリーなどの消耗品や、ロボットを使いこなす高度な技術への保守・トレーニングといった、安定した収益源を確保していることも特徴として挙げられるでしょう。

このような繰り返し利用される製品・サービスの売上高である「リカーリング・レベニュー」は、2023年の会社全体における売上高の約80%を占めています。

医療現場での人手不足の解消や高齢化による患者数の増大といった社会課題の解決を図る必要がある中、インテュイティブは高い参入障壁や安定した収益、技術革新の継続により、今後も業績の拡大が期待できそうです。

インテュイティブの株価推移(日足12か月、ドル)

出典:TradingView

エヌビディア

2銘柄目が米画像処理半導体(GPU)大手のエヌビディア(NVDA)です。

エヌビディアは「生成AIブーム」をけん引していますが、生成AIを活用した「ヒト型ロボット(ヒューマノイド)」の開発においても主導権の獲得を目指しています。

2023年10月には、米オープンAIの大規模言語モデル(LLM)「GPT-4」を搭載したAIエージェント「ユーリカ(Eureka)」を発表しました。ユーリカは、ロボットにペン回しや引き出しの開閉など、複雑なスキルを教えることができます。

また、AI向け次世代チップ「ブラックウェル(Blackwell)」ベースのGPUを搭載したヒト型ロボット用コンピューター「ジェトソン・ソー(Jetson Thor)」も提供します

エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は、ロボット産業は「ヒト型ロボットの開発が主流となり、安全面の観点から動くものは将来的にすべてロボットに置き換わっていく」との見通しを示しました。

同社は、米マイクロソフトやオープンAIなどとともに、ヒト型ロボットを開発する新興企業「フィギュアAI(Figure AI)」に出資もしています。

フィギュアAIは、2022年に創業した自立型汎用ヒト型ロボットを開発するスタートアップです。二足歩行ロボットを開発するボストン・ダイナミクスや米電気自動車(EV)のテスラ、グーグルのAI研究部門のグーグル・ディープマインドなどで経験を有するAIロボット工学のトップ・エキスパートを擁しています。

エヌビディアは生成AI用半導体市場をほぼ独占し続けながら、ヘルスケアなどの分野に応用できるロボット市場においても覇者を目指している模様です。

エヌビディアの株価推移(日足12か月、ドル)

出典:TradingView

ロックウェル・オートメーション

3銘柄目がIT(情報技術)システム大手の米ロックウェル・オートメーション(ROK)です。

同社は産業分野のオートメーション化やデジタルトランスフォーメーション(DX※3)をサポートする機械・装置やソフトウエアを提供する世界的な企業になります。

※3 DX(ディーエックス)とは、デジタル技術を活用して生活やビジネスを変革することを指します。

主に製造業の自動化を支援していますが、ロボットを制御する「プログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)」や、ロボットの動作のための「アクチュエータ」のメーカーでもあります。

ロックウェルのロボット

出典:ロックウェル

2023年10月には、AMR(自律走行搬送ロボット)を開発するカナダのクリアーパス・ロボティクス(Clearpath Robotics)を買収しました。同社の全地形対応型AMRは、工事現場や農業などのきびしい環境下でも活用できるロボットであり、ロックウェルが強みとする工場のオートメーション化と親和性が高いと言えそうです。

米バイデン政権の政策も、ロックウェルの業績拡大を後押しするでしょう。同政権の具体的な政策としては、米国最大の気候変動対策として3690億ドル規模を支援する「インフレ抑制法(IRA)」や半導体工場を誘致する補助金などに計520億ドルを投じる「CHIPS(チップス)法」などが挙げられます。

これらの政策の下で、米国内で工場の新設がおこなわれることに伴い、工場のオートメーション化のニーズも高まると予想されます。

ロックウェルの株価推移(日足12か月、ドル)

出典:TradingView

まとめ

世界のロボット市場は、今後も安定して成長を続けることが予想されます。世界的な人手不足を解消するためには、さまざまな分野でのロボットソリューションが必要とされるからです。 また手術支援ロボットの登場により、従来不可能だった施術も、ロボット技術により可能となっています。

今後、ロボット市場拡大を援助する政策が作られる可能性もあります。 さまざまな分野でのロボットソリューションだけでなく、各国の政策にも注目していきましょう。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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